◆ いちばん初めにあった海獺

今日は初詣に行くはずが、寝坊したり昼食食べたり若手芸人のショーをみてたり買い物してたりで結局いかずじまい。こんな日もありますな。ここでようやくパソコン用にクッションを買いました。これまでの尻イタを少しでも緩和してくれることを期待しています。
夜は以前に撮ってあった平井堅のライブの模様を流しつつ、同人誌を眺めていたら、存在を忘れていたフリーペーパーがいくつか出てきました。読まずにいるなんてもったいないことをするところでしたよ。
本の中に挟み忘れていたなんてことは、まあよくあることです(?)

いちばん初めにあった海


加納朋子いちばん初めにあった海 (角川文庫)角川書店,2000 Amazon


日常のミステリの名手、加納さんの二つの短編が収められていますが、この二つは微妙にリンクしあってます。雰囲気が似てるなと思ってはいましたが、実は解説を読むまでそれに気づきませんでしたorz
一つ目は表題作「いちばん初めにあった海」引越し作業をしているときに見つけた知らない絵本と、そこにはさまれていた手紙の謎をめぐる物語です。
最初はフワフワしていて落ち着かないのですが、やっぱりそれも意味があることだったようです。女性の描き出し方が秀逸でしょう。
二つ目は「化石の樹」コンクリートで固められた樹のウロの中から古い日記が出てきて、そこには殺人が行われたことを示すような文章が……。
敢えて言うなら、私はこちらの方が好みです。甘ちゃんだと言われてしまいそうですが^^児童虐待とか途中で嫌な気分にされた分だけ、救いのある結末だったので助かりましたよ〜。
さきほど、二つの短編の雰囲気が似ていると書きましたが、以前に読んだ加納さんの小説とはまた違った感じでした。いろいろ書き分けられるんでしょうね。共通しているのは女性の心理の書き方のうまさかな。そんなことを考えると、二つ目の方が好きなのも、一つ目の話があってこそなのかもしれません。


この小説が好みだった人へ、私がお勧めする③
③ 僕のミステリな日常② 空飛ぶ馬① 掌の中の小鳥
①バーを舞台に同じく日常の謎解きをベースにした、加納さんの連作短編集。『掌の中の小鳥 (創元推理文庫)』最初の絵画の話と自転車泥棒の話は特にお勧めですよ。
②落語家を探偵に据えて、その活躍を女子大生の視点で描いた推理小説北村薫さんの『空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)』北村さんは男性ですが、こちらも女性の描き方がうまいです。交互にくる構成にも気を使われています。
③社内向けの広報に載せるミステリアスな小説の、その背景を探るために推理する話。若竹七海さんの『ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)』文章スタイルや後味はまったく違いますが、構成に重きをおいている点で。