「少しだけ欠けた月」重松清。

少しだけ欠けた月 季節風 秋

少しだけ欠けた月 季節風 秋

短編集『季節風』シリーズです。春、夏、ときて、今度は秋。
なんか今までと感じが違う。どことなく黄昏ているような、人生も終盤に差しかかってきたな…というような物悲しい雰囲気。季節を考慮して、そんな風に感じられるような構成をしたのかもしれません。
ああ、そういえば、泣けた話がなかったね。だからといってつまらなかったわけではなく、なかなかに重みがあるお話ばかりでした。
一番のお気に入りは、、、ちょっと悩んで「キンモクセイ」に。この話と「風速四十米」は、遠くの故郷に住む両親の介護問題という切実なテーマ。同年代だけに同じような境遇の人は身近に結構いまして、「どうするの?」的な会話もチラホラ、の今日この頃。
さて、余談ですが。カロリーヌの絵本、私も幼少のころ愛読しておりましたので、実に懐かしかった。子犬や子猫の可愛らしさが強烈に印象的でしたよ。