信州の県民食?!ちくわと魚肉ソーセージ...

食品スーパーなどで、他県に比べ信州・長野県でとりわけよく売れる食品が、ちくわの他にもうひとつある。魚肉ソーセージである。県下では「丸善ホモソーセージ」というのが昔からダントツの売れ行きらしい。東京に本社、関東圏に工場を持つ会社である。

 ソーセージは、今とき、肉のソーセージがごくポピュラーになっているが、これはまたこれでいいというわけで、信州人の味覚にフィットしたのか、県内では売れ行きは特に衰えてはいないようだ。

 煮物におでんにちくわと、ビタミンちくわの包装にも書いてあるが、ちくわは信州ではこよなく愛され使われている。”長野県のカレーにはちくわが入っている”などとなんかの本にに紹介されていたが、ほんとうだったな〜、私も昔々、食べたな〜。

 でもこれは肉の方がうまいに決まっているし、やはり、”肉はないか、しょうがないチクワでも入れとくかってあたりが真相”、あるいは信州人独特の生活の知恵ということのようである。

 弁当のおかずにもよくなった。ほかの野菜と煮込んであればまだ少しはましなのだが、それがちくわだけ。それでもうまかった。でも、ちくわのてんぷらだけは私はあまり好きになれなかった。

 私が住んでいた長野市の町、春の恒例の池やドブ掃除のあとの慰労会、酒は日本酒、ご芳志などでたっぷりあるのだが、つまみは一人一袋のちくわのみ。宴の間、いかにして一袋のちくわをもたすか工夫が必要。ちなみに、ちくわはもちろん生で食べられる。

 ホモソーセージの方は、少年時代か午後のおやつに一本づつあてがわれるなんて風景もあったものである。