森元首相 来年1月訪露へ

森喜朗元首相が来年1月にも訪露する意向を固めたことが23日、分かった。首相訪露を前に、プーチン大統領北方領土などをめぐる考えを探るのが狙い。森氏は首相親書を携えた特使としてではなく「古い友人」として訪露する考えだが、12月16日投開票の衆院選後に誕生する政権の方針によっては特使として訪露する可能性もある。
森氏は産経新聞の取材に対し、今年3月にプーチン氏が海外メディアとの会見で、北方領土について「引き分け」を目指す考えを示したことに触れ、「『引き分け』っていうのが、何を考えて言ったのか探る必要がある。それを首相に伝えることが大事だ」と強調。ただ、「政府の代わりに交渉という気持ちはさらさらない」と述べた。
森氏は首相時代の2001年、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)2島返還と、領土問題に北方4島が含まれることを確認したイルクーツク声明にプーチン氏とともに署名した。森氏は首相退陣後もプーチン氏と交流を重ね、「プーチン氏と一番親しい日本の政治家」(外務省幹部)とされる。
プーチン氏も今年6月に野田佳彦首相、7月に玄葉光一郎外相と会談した際、「ところでヨシ(森氏)はいつ来るのか」などと森氏の訪露を促していた。
森氏は今月26日に訪露し、プーチン氏と会談する予定だった。しかし、12月めどで合意していた野田首相の訪露が延期されたことに伴い、森氏の訪露も中止されていた。<<