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2015-09-29 (Tuesday)

日露首脳会談開催

【ニューヨーク時事】安倍晋三首相は28日午後(日本時間29日未明)のロシアのプーチン大統領との会談で、冷え込んだ日ロ関係の修復を目指した。北方領土問題を含む平和条約交渉を前進させることで一致。菅義偉官房長官は29日午前の記者会見で「非常に有意義な会談だった」と評価した。だが、実態は2013年4月の日ロ共同声明の内容を再確認したにすぎず、解決への道筋は、いまだ見えないままだ。

「13年4月の両首脳の合意に沿って進展させる必要がある」。首相は会談で、領土問題について「双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる」とした日ロ共同声明を取り上げ、領土交渉の「出発点」との認識を強調した。

ロシアは14年3月にクリミア半島の編入を宣言して以降、日本を含む先進7カ国(G7)との対立が続いている。最近では、ロシアのメドベージェフ首相や閣僚による北方四島への訪問が相次ぎ、日ロ間の閉塞(へいそく)感が強まっていた。

それだけに、首相は今回、トップ会談での事態打開を目指した。首相には、大統領と個人的な信頼関係を築いてきたとの自負がある。冒頭で「これが11回目の首脳会談だ」と切り出すと、再三にわたって「ウラジーミル」とファーストネームで呼び掛け、親密ぶりをアピール。「大統領の訪日をベストなタイミングで実現したいという気持ちは変わらない」とも語り、年内来日という首脳間の約束を維持する姿勢を強調した。

これに対し、大統領の関心はもっぱら日本との経済協力で、会談では最後まで「領土問題」との表現を使わなかった。

日本政府は、「最高首脳の会談が全てだ」(菅長官)と、大統領の強い指導力に領土問題打開の期待を寄せている。だが、ロシア側は強い指導力を維持するため、北方四島を愛国心高揚に利用しており、接点を見いだすのは難しい。

一方、ウクライナ情勢をめぐりロシアと対立する米国は、日本政府の動きに「今はロシアと『通常通りの業務』を進める時ではない」(国務省)などと不快感を隠そうとしない。日米同盟の強化を掲げる首相にとって、米国の意向は無視できず、米ロの間で難しいかじ取りを迫られそうだ。(2015/09/29-11:40)

2015-09-25 (Friday)

日露首脳会談 NYで28日に開催 / 日露次官級 東京で会談

【モスクワ時事】ロシアのペスコフ大統領報道官は24日、記者団に対し、ニューヨークの国連総会に合わせ、プーチン大統領が28日に安倍晋三首相と会談すると明らかにした。オバマ米大統領とも同日会談する。インタファクス通信が伝えた。

岸田文雄外相はモスクワで21日にラブロフ外相と会談し、平和条約交渉の再開で合意。22日にシュワロフ第1副首相と貿易経済政府間委員会を開いた。一方、パトルシェフ安全保障会議書記も24日に東京で谷内正太郎国家安全保障局長と会談するなど、大統領の年内訪日に向けた準備が加速している。

日ロ首脳会談は、昨年11月の北京のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の時以来。日ロは来月8日にモスクワで平和条約締結に向けた外務次官級協議も行う予定で、日本政府は政治対話で北方領土問題を前進させたい考えだ。 

一方、米ロ首脳会談も北京のAPEC首脳会議の際以来で、本格的な会談となればウクライナ危機が始まってから初めて。過激派組織「イスラム国」との戦いや、ロシアによるアサド政権への軍事支援強化を含めたシリア情勢が最大の議題になりそうだ。

米政府高官もAFP通信に対して、米ロ首脳会談の予定を確認。「提案を拒絶するのは無責任だ」と語り、シリアやウクライナ問題での対立にもかかわらず、ロシア側からの会談提案に同意したことを明らかにした。(2015/09/25-00:48)

外務省の杉山晋輔外務審議官は25日、ロシアのモルグロフ外務次官と東京都内で会談した。両氏は先の日ロ外相の合意を踏まえ、10月8日にモスクワで次官級協議に臨み、北方領土の帰属問題を含む平和条約交渉を再開することになっている。外務省幹部によると、25日の会談では領土問題について突っ込んだやりとりはしなかったという。(2015/09/25-20:14)

2015-09-24 (Thursday)

菅官房長官 ラブロフ外相発言に反論 「半分は領土」

菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、ロシアのラブロフ外相が岸田文雄外相との会談では「北方領土は議論していない」と強弁したことに対し、「ワーキングディナーを合わせ、4時間半の議論の半分以上はこの問題だった」と反論した。

菅長官は「平和条約締結問題は、領土問題に他ならない。双方にとって受け入れ可能な解決策に向け、両国間の対話を続けないといけない」と強調。ただ、外相会談自体については「日ロ関係を全体として一歩前に進める意義あるものだった」と評価した。 (2015/09/24-12:44)

2015-09-23 (Wednesday)

ロシア 北方領土に新型ミサイル配備か

ロシア東部軍管区(司令部ハバロフスク)は23日、クリール諸島(北方領土と千島列島)に新型の地対空ミサイル「トールM2U」を配備したと発表した。インタファクス通信などが伝えた。

どの島に配備したかなどは明らかにされていないが、ロシア軍は北方領土での軍備近代化を進めている。同ミサイルは短距離型で、40以上の目標を同時に追跡でき、飛来する無人機などにも対応するという。(共同)

2015-09-22 (Tuesday)

日露外相会談開催 / ラブロフ外相「領土問題議論せず」

【モスクワ時事】岸田文雄外相は21日、ロシアのラブロフ外相とモスクワの外務省別館で約2時間20分会談し、北方領土問題の解決策を話し合う両国の外務次官級協議を10月8日にモスクワで再開することで合意した。ラブロフ氏は、日本側が年内を目指すプーチン大統領訪日の招請を「受け入れた」と明言、具体的時期に関し「ホスト国(日本)が決めることだ。提案があれば検討する」と前向きに対応する考えを示した。

両外相は、当面する国際会議の場を活用して、安倍晋三首相とプーチン大統領の首脳会談を行うことでも一致。ラブロフ氏は会談後の共同記者会見で、11月にトルコで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議や、フィリピンでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を例示した。

次官級協議は杉山晋輔外務審議官とモルグロフ外務次官が出席して今年2月にモスクワで行われたのが最後で、8カ月ぶりの再開となる。岸田氏は会談で、平和条約交渉の加速で合意した2013年4月の日ロ共同声明に基づき「双方に受け入れ可能な解決策をつくる作業を行っていく必要がある」とロシア側に促した。

また、岸田氏は今年7月以降にメドベージェフ首相や閣僚らが相次いで北方四島を訪問したことなどを取り上げ、「ロシアの一方的な行動や発言が繰り返されることは極めて遺憾であり、受け入れられない」と抗議した。

これに対し、ラブロフ氏は会見で、「会談で北方領土問題は議論していない。議論したのは平和条約締結問題だ」と強調。四島が第2次世界大戦の結果、ロシアの領土になったとの主張を踏まえ、「日本が歴史の現実を受け入れて初めて問題の進展が可能になる」と日本側をけん制した。 

会談では、ラブロフ氏の訪日についても今後、調整していくことを確認した。(2015/09/22-07:26)

【モスクワ時事】21日にモスクワで行われた日ロ外相会談終了後の共同記者会見では、岸田文雄外相が「中断していた平和条約交渉を事実上再開した」とアピールした。これに対し、ロシアのラブロフ外相は「北方領土は議論していない」とあえて言い張り、日本をけん制する場面があった。

日本側は「平和条約交渉はすなわち北方領土交渉だ」(外交筋)という認識で、従来と食い違うロシア側の真意を測りかねている。

ラブロフ氏は、プーチン大統領の年内訪日に当たり、領土問題で一定の成果を得ようとする日本にあらかじめくぎを刺したとみられる。10月8日に控えるモスクワの日ロ外務次官級協議でも、厳しい原則論の応酬が繰り返されそうだ。

岸田氏は、最近のメドベージェフ首相らの北方領土訪問や「(領土問題は)70年前に解決済みだ」という高官発言について、会談で「極めて遺憾であり、受け入れられない」と抗議。しかし、ラブロフ氏は「日本が戦後の歴史事実や国連憲章を明確に理解しないと平和条約問題の前進は難しい」と反論した。

北方領土については、ロシアは以前から「第2次大戦の結果、自国領になった。国連憲章の敵国条項で認められている」という立場。ラブロフ氏は、日本が北方領土をロシア領と認めない限り、交渉はできないと突き放したに等しい。

さらに「首脳会談に前提条件を付けるのは非生産的だ」と主張。領土問題などに関係なく、無条件でプーチン大統領を訪日させるよう暗に迫った。訪日を実現させ、先進7カ国(G7)の対ロシア包囲網の突破口にしたい思惑も見え隠れする。(2015/09/22-14:38)

2015-09-19 (Saturday)

岸田外相 20日訪露 他

岸田文雄外相は20日からモスクワを訪問し、21日にロシアのラブロフ外相と会談する。メドベージェフ首相や閣僚が相次いで北方領土を訪問するなど日ロ関係が悪化する中、日ロ首脳が合意したプーチン大統領の年内来日に向け、対話を維持する狙いがある。

岸田氏の訪ロは昨年春に調整していたが、ロシアのクリミア編入と日本による対ロ制裁で関係が悪化し、先送りされていた。領土をめぐりロシアが強硬姿勢を続ける中、政府内にはこの時期の訪ロに慎重論もあったが、大統領の年内来日に意欲的な首相官邸の意向が岸田氏の判断に影響した。 

21日の外相会談で岸田氏は、ロシア要人の北方領土訪問に遺憾の意を伝える一方、平和条約締結交渉の再開を呼び掛ける考え。22日には岸田氏とシュワロフ第1副首相が共同議長を務める日ロ貿易経済政府間委員会も開かれ、両国の経済問題を協議する。

エネルギー輸出への依存が強いロシアは最近の原油安で経済事情が厳しく、日本との経済対話には前向き。しかし、北方領土問題に関しては「交渉するつもりはない」(モルグロフ外務次官)といった発言が相次いでおり、プーチン氏来日に向けた環境整備がどこまで進むかは不透明な部分も残る。(2015/09/19-17:56)

岸田文雄外相は18日、原田親仁・駐ロシア大使の後任に上月(こうづき)豊久官房長(58)を起用することを決めた。近く発令する。

安倍晋三首相とプーチン大統領による北方領土問題の交渉を進めるため、省内屈指のロシア通である上月氏を起用することにした。

上月氏は昭和56年に外務省に入省し、日米安全保障条約課長、ロシア課長、ロシア公使、米ボストン総領事などを経て欧州局長に就任。平成26年7から官房長を務めている。

モスクワでの大使館勤務が長く、ロシア人脈も多い。「理論派で強気の交渉スタイル」(外務省幹部)とされる。

大使就任後は、日露首脳間で合意している年内のプーチン氏の来日実現に向けて、環境整備に取り組むことになる。

安倍政権は、北方領土の帰属問題を解決し、平和条約を締結することを掲げており、北方領土交渉は最重要任務となる。エネルギーや医療分野などでの経済協力を進め領土交渉を後押しすることが求められる。

2015-09-11 (Friday)

鈴木貴子衆院議員の秘書 傷害容疑で逮捕 / 岸田外相 20日訪露を検討

警視庁大崎署は11日、傷害容疑で鈴木貴子衆院議員(民主)の政策秘書(41)=東京都品川区=を逮捕した。

逮捕容疑は、8日午後11時10分ごろ、同区内の路上で男性(62)を投げ倒すなどして胸などに全治3〜4カ月の重傷を負わせたとしている。赤松容疑者は「(男性に)けがを負わせた認識はない」と否認しているという。

同署によると、赤松容疑者と男性は面識がなかったが、同区内の同じ飲食店で飲酒していた際、口論になり、「話をつける」と外に出てけんかになった。

同署で詳しい経緯などを調べている。

鈴木議員は、新党大地代表の鈴木宗男・元衆院議員の長女。

岸田文雄外相は、ロシアのメドベージェフ首相による北方領土訪問を受けて先送りしていた訪ロについて、今月20日とする方向で調整に入った。政府関係者が11日明らかにした。日ロ両首脳間で合意したプーチン大統領の年内来日に向け、準備を急ぐ必要があると判断した。

「日本人なら切腹して静かに」=首相択捉訪問、抗議に不快感−ロ副首相

岸田氏の訪ロは、大統領来日の地ならしが目的で、ラブロフ外相との間で領土や経済に関する2国間協議を詰める。シュワロフ第1副首相と共同議長を務める「日ロ貿易経済政府間委員会」も開催する予定だ。 

当初、岸田氏は8月末の訪ロを調整していたが、同月22日にメドベージェフ首相が択捉島入り。日本政府は抗議し、岸田氏は訪ロを延期した。しかし、これ以上延期すれば「大統領の来日自体が難しくなる」(日本政府関係者)と判断。岸田氏は、安全保障関連法案の審議状況なども見極めた上で、最終的に訪ロ日程を決める考えだ。(2015/09/11-22:10)

2015-09-09 (Wednesday)

日露首脳 国連総会時の会談調整

政府は9日、安倍晋三首相が今月末に米ニューヨークでの国連総会に出席する際、中韓両国と首脳会談を個別に行う方向で調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。首相は、8月に閣議決定した戦後70年談話について、自らの真意を説明するなどして、中韓両国との関係正常化に道筋を付けたい考えだ。

中国の習近平国家主席とは、昨年11月と今年4月に会談しており、実現すれば3度目となる。政府は「既に2回会談しており、ハードルは高くない」(首相官邸筋)としており、中国側と両首脳のスケジュールをすり合わせている。

首相は当初、今月3日に北京で開かれた抗日戦争勝利70周年記念式典の前後に訪中することを検討したが、中国側と折り合いが付かず断念。国際会議の場を念頭に、両国間で調整を続けていた。

一方、韓国の朴槿恵大統領とは就任以来、短時間の接触はあるが、正式な会談は実現していない。韓国側は、いわゆる従軍慰安婦問題の進展を条件としており、今回も立ち話程度にとどまる可能性がある。その場合は、10月末にも韓国で開催される見通しの日中韓首脳会談に合わせ、2国間会談を模索する。

政府は、ロシアのプーチン大統領との首脳会談の機会も探る。メドベージェフ首相らロシア政府高官が北方四島を相次ぎ訪問したことで、日ロ関係は急速に悪化。安倍首相は、大統領に直接、北方領土交渉の促進を働き掛けたい考えだ。

米国のオバマ大統領とは、個別の首脳会談は見送る方向。複数国による会議などを利用し、接触を図る。 (2015/09/09-18:35)

2015-09-07 (Monday)

露ソコロフ運輸相 北方領土を訪問

【モスクワ時事】ロシアのソコロフ運輸相が7日、北方領土の国後島と択捉島を相次いで訪問した。日本外務省関係者が明らかにした。空港や港湾施設の視察が目的とみられる。政府要人では、8月22日にメドベージェフ首相、9月1日にトカチョフ農相がそれぞれ択捉島を訪れたばかり。

外務省は在日ロシア大使館に対し、「領土問題に関するわが国の立場と相いれず、日本国民の感情を傷つけるものであり、極めて遺憾」と電話で抗議した。菅義偉官房長官も記者会見で「国民の感情を逆なでする」と批判した。

一方、同大使館はタス通信を通じ、「日本側の申し入れを一蹴した。ロシアの閣僚は職務に基づいて『ロシア領』を自由に移動できる。諸外国のいかなる許可も必要ない」と反論した。

メドベージェフ首相は8月、北方領土を定期訪問するよう閣僚に指示した。事実上の支配を誇示し、領土問題で日本をけん制する狙いがあるとみられる。政府要人が頻繁に訪れるのは極めて異例で、日ロ関係が決定的に悪化する恐れも出てきた。 

プーチン大統領の年内訪日を控える中、日本側は対ロ戦略の再考を迫られている。モルグロフ外務次官は2日、インタファクス通信に「(領土問題を)協議するつもりはない。70年前に解決済み」と強調。ロシア外務省は「公式見解」と確認した。(2015/09/07-19:18)

2015-09-06 (Sunday)

遠のくロシア大統領来日

北方領土交渉の停滞打開に向け、安倍晋三首相が目指すプーチン・ロシア大統領の年内来日が厳しさを増してきた。メドベージェフ首相や閣僚が日本の反対を無視して北方四島を相次ぎ訪問。ロシア政府の強硬姿勢の前に、政治対話の雰囲気は消し飛んだ。ウクライナ情勢を受けた米国主導の対ロ制裁に加わりつつ、対話は継続しようとする日本の戦略は行き詰まりつつある。

「岸田文雄外相の年内訪ロまではいけるだろう。ただ、大統領来日は成果が用意できない」。日本政府関係者はこう語り、プーチン大統領の年内来日は望み薄と指摘した。

ロシアのスクボルツォワ保健相が色丹島に上陸した7月以降、日ロ両政府は批判の応酬を演じている。今月3日にはモルグロフ外務次官が北方領土問題に関し「協議するつもりはない」と発言。外務省の林肇欧州局長は4日、アファナシエフ駐日大使を呼び、「首脳間の合意と異なる発言であり、受け入れられない」と抗議した。

7月以降、北方領土をめぐる抗議は5回目。特に、8月22日にはメドベージェフ首相が択捉島に入ったことで、大統領来日の準備のため同月末で調整された外相訪ロは延期を余儀なくされた。 

領土問題でロシア政府の強硬姿勢は一貫しており、日本政府関係者も「今までと言っていることは変わっていない」と冷静だ。ただ、挑発的とも言える最近のロシアの対応が、日本政府の神経を逆なでしているのも事実。ロシア経済は欧米の経済制裁や原油安で苦境にあえいでおり、こうした現状へのいら立ちが制裁に加担する日本に向けられているのは間違いなさそうだ。

日本政府は、領土問題を動かすには首脳外交以外にないと見定めており、当面の焦点は、今月下旬のニューヨークでの国連総会に合わせて調整している日ロ首脳会談だ。ただ、大統領も対ロ制裁を続ける安倍政権に不信感を抱いているとされ、日本政府関係者は「大統領訪日を引き続き調整することを確認するだけで終わるのではないか」と多くは期待していない。(2015/09/06-14:35)

2015-09-04 (Friday)

岸田外相 モルグロフ外務次官の発言でロシア政府に抗議へ 他

岸田文雄外相は4日午前の閣議後の記者会見で、北方領土問題をめぐりロシアのモルグロフ外務次官が「(日本と)協議するつもりはない」と発言したことを受け、ロシア政府に抗議すると表明した。この後、アファナシエフ駐日大使を外務省に呼び、林肇欧州局長から抗議の意思を伝えた。

外相は同次官の発言について「両首脳の合意やこれまでの交渉経緯に反する」と批判。その上で「公開論争でなく、建設的な対話を望んでいる。ロシア側には日ロ関係前進のため建設的な対応を強く求めていきたい」と語った。 

また、ロシア外務省のザハロワ情報局長が次官発言を「外務省の公式の立場」と主張したことに対し、菅義偉官房長官は会見で「非建設的で事実に反する。双方が受け入れ可能な解決策を作成すべく交渉を加速させることで首脳同士が一致している」と指摘した。(2015/09/04-11:02)

【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は4日、関税減免などが受けられる「自由港」制度について、10月12日に極東ウラジオストクに導入後、周辺地域へ順次拡大する方針を明らかにした。また、「自由港では(事前申請なく)8日間の査証(ビザ)をその場で受け取れる」と説明し、経済や観光の活性化に期待を示した。

プーチン大統領は北京での抗日戦争勝利70年記念式典に出席後、ウラジオストクへ移動。同地で3〜5日の日程で開催中の投資に関する国際会議「東方経済フォーラム」で発言した。ウクライナ情勢など外交問題にも触れたが、年内訪日を控えて停滞する日ロ関係には言及しなかった。 

自由港制度は、極東発展を「21世紀の最優先課題」と公言する大統領が昨年12月に提案し、今年7月に関連法が可決、成立した。

大統領によると、自由港の当面の拡大地域は、北朝鮮国境に近い沿海地方ザルビノからウラジオストクを経てナホトカに至る日本海沿岸。メドベージェフ首相は8月22日、サハリン(樺太)の主要3港も指定する地元の提案を支持している。

一方で大統領は、北方領土を含む極東への移住を希望する国民に土地を無償分与する計画について「2016年に開始しなければならない」と強調。法案を速やかに提出するよう政府に指示した。計画はロシアの北方領土支配のさらなる固定化につながりかねず、日本側に懸念の声がある。

大統領はこの後、中国の汪洋副首相と会談。「中国の友人が極東のプロジェクトと可能性に関心を持つよう期待する」と表明した。(2015/09/04-20:41)

2015-09-03 (Thursday)

露モルグロフ外務次官 日本とは「領土問題で協議せず」と発言

【モスクワ時事】ロシアのモルグロフ外務次官は2日、インタファクス通信のインタビューで、日本と平和条約交渉に臨む用意はあるとしながらも「クリール諸島(北方領土と千島列島)問題で協議するつもりはない」と述べ、日本の領土返還要求をけん制した。

8月22日のメドベージェフ首相の択捉島行きなど、ロシア政府要人が北方領土を訪問するたびに日本政府は抗議。ロシア側が態度を硬化させたとみられる。プーチン大統領の年内訪日を控え、領土問題の「ゼロ回答」を示唆し、交渉のハードルを上げた。

モルグロフ次官は、9月2日がロシアの対日戦勝記念日であることを念頭に「この問題は70年前に解決済みだ」と主張。「南クリール諸島(北方領土)は第2次大戦の結果として、法的根拠に基づき、わが国の領土になった。ロシアの主権と管轄権に疑問はない」と強調した。 

一方で「日ロ協力を全方面で前進させる中、双方に受け入れ可能な解決策を見いだすべきだとの理解の下、われわれは平和条約交渉を建設的に継続する用意がある」と基本姿勢を繰り返した。

安倍晋三首相とプーチン大統領は2013年4月、モスクワでの日ロ共同声明で、北方領土交渉の再開で合意した。その後、日本はロシアのウクライナ軍事介入を受けて対ロシア制裁を発動し、日ロ関係は停滞。メドベージェフ首相の北方領土訪問が追い打ちをかけている。(2015/09/03-06:03)

【モスクワ時事】ロシア外務省のザハロワ情報局長は3日、定例記者会見で、モルグロフ外務次官が日本との平和条約交渉で「(北方領土問題を)協議するつもりはない」と発言したことについて「外務省の公式の立場だ」と確認した。その上で「何も付け足すことはない」と述べた。

モルグロフ次官はロシアの対日戦勝記念日の2日、インタファクス通信とのインタビューで「この問題は70年前に解決済みだ」と主張。「南クリール諸島(北方領土)は第2次大戦の結果として、法的根拠に基づき、わが国の領土になった。ロシアの主権と管轄権に疑問はない」と強調した。

日本側は「両首脳間の合意やこれまでの交渉経緯に明らかに反しており、断じて受け入れることはできない」(菅義偉官房長官)と批判していた。 (2015/09/03-22:54)

2015-09-02 (Wednesday)

サハリンで対日戦勝パレード

【モスクワ時事】ロシアは事実上の対日戦勝70年記念日の2日、サハリン(樺太)の州都ユジノサハリンスク(豊原)で軍事パレードを行った。国営テレビが伝えた。ソ連軍を「解放者」とみなし北方領土支配の根拠とする「第2次大戦の結果」を誇示し、日本の領土返還要求をけん制する目的もありそうだ。

プーチン大統領は1日の中ロの国営通信社とのインタビューで、日本への名指しを避けながらも「欧州でもアジアでも大戦の歴史を見直す動きが見られる」と批判した。

パレードには、1日に北方領土の択捉島を訪問したトカチョフ農相も合流。初めて陸海空軍がそろって参加し、ユジノサハリンスクで午前10時(日本時間同9時)から兵員700人以上、軍事車両24両、航空機14機のパレードが行われ、コルサコフ(大泊)沖では午後1時(日本時間正午)から艦艇5隻のパレードを実施。夜には花火が打ち上げられる。 

軍事パレードは、極東ハバロフスクでも8月29日に催され、兵員1000人以上が行進した。この際、スロビキン東部軍管区司令官は「解放軍であるソ連兵に勝る者はいない。満州(中国東北部)、サハリン、クリール諸島(北方領土と千島列島)方面の作戦の成功は、日本軍の敗北を決定付けた」と演説した。

プーチン大統領は2日、対日参戦の基地となった極東ザバイカル地方チタを訪れ、ソ連兵の慰霊施設で献花。この後、北京入りし、3日の中国の抗日戦争勝利70年記念行事に出席する。習近平国家主席と「歴史の改ざんに反対する」という立場で共闘し、ロシアの愛国心高揚を図る。

ロシアはメドベージェフ首相が大統領だった時代の2010年、日本が降伏文書に調印した9月2日を「第2次大戦終結の日」に制定した。首相は8月22日、自身3回目の北方領土訪問を強行したばかりだ。(2015/09/02-09:14)

2015-09-01 (Tuesday)

露トカチョフ農相択捉島を訪問 / 北方四島墓参第二陣 ロシア認めず中止 / 拿捕漁船の11人帰還

【モスクワ時事】ロシア農業省によると、トカチョフ農相が1日、北方領土の択捉島を訪問した。政府要人としては、8月22日にメドベージェフ首相が択捉島を訪れたばかり。農相は水産工場を視察した。

首相は先に閣僚に対し、北方領土を四半期に1度、定期訪問するよう指示したとされるが、それが実行に移された形。ロシアが今後も政府要人を北方領土に頻繁に訪れさせて事実上の支配を誇示し、領土問題で日本をけん制する場面が増えそうだ。

ロシアは7月に「クリール諸島(北方領土と千島列島)社会・経済発展計画」(2016〜25年)を閣議決定した。北方領土を含む極東への移住を希望する国民に土地を無償分与する制度も近く始める。農相の視察はこれらの実現に向けたものとみられる。

プーチン大統領3期目では12年9月、当時のフョードロフ農相が択捉島を訪問した。トカチョフ農相は大統領の信頼が厚く、今年4月に南部クラスノダール地方知事から登用された。 (2015/09/02-00:48)

外務省の林肇欧州局長は1日、同省でアファナシエフ駐日ロシア大使と会い、同国のトカチョフ農相が北方領土の択捉島を訪問したことに抗議した。

林局長は、農相の択捉訪問について「領土問題に関するわが国の立場と相いれず、受け入れられるものではない」と強調。これに対し、アファナシエフ大使は、北方領土はロシアの領土とする同国の従来の立場を主張したという。 (2015/09/01-20:24)

北方四島の元島民らによる北方領土墓参事業で、8月31日から9月2日まで予定されていた2015年度第2陣が中止されたことが分かった。ロシア政府が認めなかったためだという。菅義偉官房長官が1日の記者会見で明らかにした。

事業主体である北海道によると、元島民ら約50人が歯舞群島の多楽島を訪れ、墓参する予定だった。しかし、元島民らは31日に国後島古釜布(ユジノクリリスク)で必要な手続きができず、引き返した。これを受け、外務省の林肇欧州局長は1日、アファナシエフ駐日ロシア大使に抗議した。

菅長官は「手続きに際し、ロシア側が一方的に、日本として受け入れることが困難な内容の修正を求めてきた」とし、外交ルートでの調整が調わず、道が墓参の中止を決めたと説明した。その上で「従来通りの墓参ができるよう、ロシア側に強く働き掛けていきたい」と語った。 

元島民らの訪問は、今年5月にもロシア側の都合で一時中止されている。ロシアはメドベージェフ首相が8月22日に日本政府の中止要請を無視して択捉島に上陸するなど、北方領土の実効支配の動きを強めているが、菅長官は「ロシア側の意図は測りかねる」と述べるにとどめた。(2015/09/01-19:46)

北海道広尾町のサケ・マス流し網漁船「第10邦晃丸」(29トン)が漁獲量超過を理由に7月中旬にロシア国境警備局に拿捕された問題で、伊東正人船長(60)ら乗組員11人が1日早朝、とどめ置かれていた北方領土・国後島沖から北海道根室市の花咲港に戻った。拿捕から約45日ぶりの帰還で、乗組員は「安心した」と表情を緩ませた。

漁船は7月上旬からロシアの排他的経済水域(EEZ)で操業。同17日、根室市・納沙布岬の南東約50キロで国境警備局の検査を受け、ベニザケの漁獲枠を472キロ超過したとして拿捕された。

漁船は、夜明け前の午前4時すぎに花咲港に到着した。