うちの濡縁の下の段ボール箱に、18日の晩から猫が来ています。段ボールは引っこ抜いた雑草を溜めておくためのもので、草のクッションの上に黒い(でも一部白)ふてぶてしい猫が丸まっています。度胸がいいというか、人が近づいても懐中電灯に照らされても全く動じません。夜見ると黒い塊として入っていて、朝になるともういません。


 今までうちの庭にはほとんど猫が来ておりませんでした。たまに見かけることもありましたが、私が見つけて近づくとすぐに垣を越えて逃げました(二、三ひきぐらい)。なにより庭(狭小)にはうちのデブわんこがいましたから、それで近づかないのだと思っていました…。
 だから最初に見つけたときにはもうびっくり。しかも犬も何も反応しません。これはもう少し前からいたのか?という疑念も湧かないではないです。


 最近の寒さでたまりかねたのでしょうか、にゃあとも鳴かない可愛げのない猫ですが、さすがに追い立てるのに忍びず、そのまま放置して夕べで四日目です。こういう中途半端な対応はいけないだろうなと思いつつ、段ボールを片付ける踏ん切りもつきません。
 それに何よりうちの犬は猫が好きなんです。私が数日家を空けるときなどに犬を預かっていただいているお宅で猫がいまして、この猫が最初にうちのわんこにあったのが子猫のときでもあり、少しも犬を怖がらず、いつの間にかうちの犬とおともだちになってしまっています。で、うちの犬は犬のおともだちをつくるのが下手な不器用ものですが、猫とみるとおずおずと近づくようになりました。でも大抵は逃げられるか毛を逆立てられてしまうのですが…。


 もし、何日か前からこの猫が来ていて、うちの犬との間で黙契ができあがっているとするなら、春までこのままでもいいかな…なんてちょっと思ってしまっている自分が怖いです。ずるずる居付かれるかも。悩みどころです。ブッタには知り合いなのか問うてみますが、一向に事情を語ってはくれません(当たり前)。
 家のことは老わんこ優先という鉄則ができあがっていることでもあります。私が何か考えるより、犬に選択させてその反応で決めてしまおうか、と問題から逃げかけているわたしです。
 ちなみにエサは与えておりません。奇妙な間借り猫は今晩も来るでしょうか?

スキウタ考

 夕べ9時台にNHKでちらとやっているのを見ましたが「スキウタ」特集というかアンケート結果の発表ですか、どなたもあまり言われないのですが、最近の紅白歌合戦の危惧される面の集大成になってきたなあというのが感想です。
 選考どうなる?NHK「スキウタ」上位紅白各100曲発表

「第56回NHK紅白歌合戦」で聴きたい曲を視聴者が投票する「スキウタ」アンケートの結果がまとまり21日、同夜放送の番組で紅白各組の上位100曲が発表された。該当する歌手名は非公表としたが、SMAPの歌が5曲、Mr.Childrenが4曲と人気を見せつける一方、常連の“落選”も発覚。制作側は「バランスの良い結果が出た」と自信を見せたが、今後の出演交渉には難問が山積みで、来週予定される出演者発表は波乱、サプライズも含め注目される。


戦後60年の名曲が揃った。バランス良い結果になったと思う」と遠藤正雄エグゼクティブプロデューサー。故越路吹雪さんが歌った昭和29年の「愛の讃歌」から、引退した山口百恵さんの「プレイバックPart2」、女優の吉永小百合レコード大賞受賞曲「いつでも夢を」(橋幸夫とのデュエット)、SMAPの最新ヒット曲まで、様々な世代、ジャンルが出揃った。(後略・強調は引用者)
 (SANSPO.COM


 どこが危惧されるかというと「懐メロ化」です。いえ「懐メロ」が嫌いというわけではないのですが、紅白の位置づけというものが決定的に変わってしまうだろうなという気がするのです(実はここ十年もほとんど見ていないのですが 笑)。
 例えば昭和35年の紅白なら高度経済成長期に差し掛かるころの日本の、昭和58年ならバブルを目前にした社会の、そして平成3年の紅白ならバブルが崩壊しはじめた頃の、それぞれの日本社会の世相というものが多かれ少なかれ反映された、そうした「時代の鏡」として紅白歌合戦はあったと思うのですよ。


 たとえそれが徒花でも、その時々を輝いた歌はいくらもあります。紅白は共時的にその瞬間(というか一年)を写し取るという意味をもっていたと(振り返って)思います。引用で強調した一節のように、その年の人気の歌にこだわらない「懐メロ化」がここまですすめば、あと何年かして「平成17年の紅白」はこうだったという思い出され方はできなくなってしまうでしょう。その時の旬の徒花を焼き付けることもできなければ、この番組の重要な意味の一つが消えてしまうということになると考えています。


 目先の「視聴率」に拘るあまり、せっかく続いてきた年年の世相の反映という大きな意味を(考えなしに)捨てるのであれば、もう番組名称から何から変えた方がよくありませんか? もう紅白歌合戦は死んだということで…その方がすっきりすると思います。
 通時的な選曲の紅白など、ただ単に年末にやる「思い出のメロディー」以外の何ものでもありませんから。

 年年歳歳 花相似タリ
 歳歳年年 人同ジカラズ