加藤一二三伝説にまた一ページ?

 情報が若干錯綜しているようでもあります。
「野良猫に餌やりやめて」将棋の加藤九段、住民が損賠提訴(読売新聞)

 東京都三鷹市の集合住宅の住民17人と管理組合が、同じ集合住宅に住む将棋の加藤一二三(ひふみ)九段(68)を相手取り、野良猫への餌やりの差し止めと、慰謝料など645万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁八王子支部に起こしていたことが分かった。


 訴状によると、加藤九段は約15年前から、自室の玄関前や周辺で野良猫に餌をやり始めた。


 ほかの居住者は、猫の排せつ物や鳴き声に悩まされ、餌やりをやめるよう求めたが、加藤九段は応じなかったという。一方、加藤九段は、2002年に自室前で見つけた猫の親子に餌をやり始め、自費で猫を去勢したなどと主張している。
(2008年12月11日03時04分 読売新聞)

 大きく餌やりを始めたのはいつかというところで食い違いがありますし、加藤九段の餌やりと住民の被害の因果関係がどこまで認められるものなのか、簡単な揉め事ではない匂いが…
提訴:東京・三鷹の住民が将棋の加藤一二三九段を−−野良猫餌付けで被害毎日新聞

 将棋の元名人の加藤一二三九段(68)=東京都三鷹市=が自宅マンションそばで野良猫を餌付けしたため、ふん尿をまき散らされるなどの被害を受けたとして、マンションの他の住人や管理組合が加藤九段を相手取り、餌やり中止と慰謝料など約650万円の賠償を求める訴訟を東京地裁八王子支部に起こしていたことが分かった。


 訴状などによると、加藤九段は93年ごろから、野良猫を餌付けした。多い時には10匹以上が餌を求めてマンション付近に集まるようになり、ふん尿をまき散らし、住人所有の車に乗って傷を付けるなどの被害が出た。事態を重視した管理組合は、餌付けしないことを求めた決議や要請を行ったが、加藤九段は応じなかったという。


 加藤九段は「三鷹市などとも相談のうえ、環境が悪化しないように配慮してきました。私の考えは法廷で明らかにしていきます」と話している。【内橋寿明】
毎日新聞 2008年12月11日 東京朝刊)

 それにしてもこの要求された賠償金額(650万円)はいったい何でしょう?
 相手がそれなりの有名人だから「吹っかけた」以外の何ものでもないような気がしてしまいます。


 荒川区の「迷惑餌やり禁止条例」は今月の5日に区議会の建設環境委員会で可決され、本会議で採決されるのは明日12日だそうです(リンク)。
 この加藤九段のケースは民事上の損害賠償請求制度によるものでしょうが、確か損害賠償の請求には請求先に「債務不履行責任」か「不法行為責任」が認められる必要があったはず。三鷹市には「餌やり禁止」の条例は無いはずですので、焦点は原告住民による「不法行為責任の立証」にあると思われます。
 加藤九段の餌やりが住民の権利ないし利益を違法に侵害したことを立証する段において、途中に不特定の野良猫が介在していますから、損害の因果関係をはっきり証明するのは非常に困難なのではないでしょうか?
 続報を待ちたいと思います。

追記

 野良猫に餌やりでトラブル 訴えられた将棋・加藤元名人の「言い分」 産経新聞


−−近隣住民が嫌がる中、なぜ餌をやり続ける
 「猫にも『先住権』があり、餌をやらないと死んでしまう。地球には犬も猫も小鳥も、花や植物も同じように生きている。人間のしゃくに障るからといって、この世から消してよいはずがない」


−−かつて、タイトル戦で「音がうるさい」と旅館の滝を止めた元名人が、猫の騒音で訴えられた
 「人の感じ方は人それぞれだが、他人に対する攻撃は針小棒大になるのが世の常」


−−なぜこのような事態に
 「私と妻、娘の家族3人で鋭意“パトロール”を続けているが、ここ数年9軒のお宅で糞尿をした形跡は一度もないし、迷惑をかけていない。通行人からは『非常に和む。これからも世話を続けてください』といわれている。原告の言い分は理解できない」


−−事実上の飼い猫のようだが、猫たちに名前はつけているのか
 「非常に微妙な問題で、お答えできない。裁判で明らかにする」


−−集合住宅の全世帯を敵に回したが
 「1対9だからといって、9が正しいとはかぎらない。私は長年、信念を持って猫の世話をしてきた。行政の指導も仰いでいる。今後も粛々と猫の世話を続けるだけ」

 信念の人?らしいインタビューがありました。
 

 おそらく裁判で争われるのは「猫の命をどうすべきか」といった大きな問題ではなくて、特定の猫が近隣住民に迷惑(実害)を与えたという証明と、加藤九段がその特定の猫に給餌していたのか、もしそうならばその給餌と被害に相応の因果関係が認められるか、といった限定された問題が俎上に乗るのだと思います。
 ただ、加藤先生の信念(あるいは信仰者としてのそれ)が吐露されるならばそれも聞きたいという感情は当然湧きますね…。


 (関連:罪無き者ほど冷酷に

今朝の感想

 三日続けて夜はスーパーのタイムサービスで半額になったサンドイッチ・お総菜を食べ、二日続けて7時過ぎに起きるという寝穢いありさま。カダラはおよそぼろぼろになった気分です。朝も起きて間がないと頭が働きませんから、何か書こうとしても昨日みたいに怪しげなジョークが浮かぶくらい。夜も料理を作る気力もない状態で帰って少しお酒などいただいて寝てしまうぐらい。少し気分転換が欲しい今日この頃です。


 起きたばかりのあたりでNHKのニュースで「人が見た光景 脳活動から再現」なんていう興味深い映像を見たのですが、確かに大脳視覚野の活動状態と脳内の「映像」に一定の相関があればこうしたことはできるにせよ、それはいくら精度を高めても早晩限界がくる程度のことじゃないかとネガティブに思ってしまいました。失われている情報が多すぎです。(ある程度の可能性は認めますが…)


 あと、ストックホルムでのノーベル賞授賞式の画像もちらっと見ましたが、小林さんの娘さんがデジカメを構えて写している姿がとても気になり、ああやっぱり和服でデジカメを写す姿は似合わないものになるなあと変な感想が頭を占めます。ただあれは、脇をあけて両肘を張りカメラを目の前30センチぐらいに置いて写すからみっともないのであって、脇を締めカメラのファインダー部分を直接覗く姿なら少々様になるのではないかとか、特に和服姿の女性ならそれを片手でやってみせればよりチャーミングになるんじゃ…とか変なことしか思い浮かびませんでした。


 いずれまだ眠いです。でも出勤ですorz。