「名古屋から革命を起す」河村たかし
名古屋から革命を起す! (家族で読めるfamily book series―たちまちわかる最新時事解説)
- 作者: 河村たかし
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2009/10/23
- メディア: 単行本
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「日本減税発祥の地ナゴヤ」
という垂れ幕を市庁舎に垂らした、あの河村たかし市長の本。
書いたっていうより、しゃべったって感じだなあ、名古屋弁全開で。
「ワシがナゴヤで実践しようとしとるアイデアは、政治のあり方を根底から変える、庶民革命といってもいい政治改革だで、ひとつこれからじっくり語らせてちょ。」
と市長も言うておるから、名古屋弁で要約させてちょ。
- 要約
1 減税なきところに行政改革はない
今回の総選挙では、民主党の言うたことがよかったから票が入ったと言うより、歴史的敗北をした自民党が自滅したと見た方がいい。
なぜなら、麻生前首相は就任したときから3年後には消費税を増税すると言うておったでしょう。商売でたとえてみれば、商品が売れんようになった、家計が苦しゅうなったと言うときに、「値上げします」言うたらどうなるか。「それは気の毒に」言うてたくさん買うてくれる客がどれだけいるか。商品が今までと変わらんのに、価格だけあがったのでは誰も買おうとしないのが普通。ところが自民党は「財源がありませんから」と、「増税します」と言うた。要するに、自民党は商売で苦労したことがない人ばかりだったちゅうことですわ。
ワシに言わせてもらうなら、改革といえば税金を下げること以外にない。
2 日本が財政危機というのは大ウソ
しかし、減税をしますなどというと、必ず誰かが言うセリフがある。
「今、名古屋市の財政難は深刻な状況にあると思います」
というヤツじゃ。
ワシから言わせれば、それこそトロクサヤァー、何を言っておりゃあすかですよ。
危機的な財政状況にあるならば、どうして公務員の給料がこんだけええんですか。どうして国会に行くと議員会館、あんなに立派にしとんですか。
経済学的に言うなら、なんで国債の金利が低いのかということですよ。つまり、日本の国債にはまだまだ信用があるから利率が低いということを意味しとる。
日本社会の最大の問題点は、税金を払う側の国民はどえらい苦労しとるのに、税金で食っとる側の議員や公務員は極楽という、一種の八百長社会だというところにあるんだがね。
3 市長と議員はもともと不要な仕事
名古屋市長の給料はワシの前まで年2,750万円だったがや。それを市長になったときの公約通り、800万にした。これだけあれば普通の生活はできますよ。税金で金儲けしたらいかんわ。
もともと市長と議員というのは、いらん仕事なんです。公共サービスいうたら行政がやっとるんですよ。たとえばワシが死んだとしても、名古屋市は何の問題もないですよ。
地下鉄は動いとるし、水道はでるし、電気はつく。
それではなんでワシを始め議員がおるかといえば、国家の安全保障問題をべつとすれば、税金を安くするためにおるんですよ。
そこで、まず実行するのは、市民税の10%減税。それと、減税をしたら名古屋市を挙げて「三万人大作戦」をやろうと考えとる。名古屋市の3万人の職員が全員で、一人が一人ずつ、あるいは一人が一社を名古屋に引っぱってこようという、個人誘致と企業誘致の大作戦なんですわ。
今計画しとるのは、新幹線の駅に大きな写真をボーンと出したろかいということだがね。
「名古屋市民税10%減税。どうぞ名古屋で商売やってちょ」
「赤ちゃんを産むなら名古屋で!」
この大作戦が成功すれば、税収が増える。そうするとまた減税できますからね。さらに人が増えて街は栄えるようになります。
4 政治はウソがつける仕事
政治というのはウソがつける仕事だがね。
簡単な話が、選挙の時に公約して、当選してからそれを実行しなくても罪にはならない。
しかしワシは当然のことながら、公約だけは絶対に守ると決めとる。そのうえワシの言うとることは正論だで、最後には必ず勝つという自信がある。
ワシの理念は「減税なきところに行政改革はない」。
結局、いくらムダをなくすというて努力しても、減税しなかったら役所の中を金が動き回るだけでなくなるわけではないでしょう。
世の中にはろくでもないおとっつぁんと結婚して、挙げ句に離婚して、月に4万程度の年金でくらしている人がぎょうさんおるで。われわれ公務員は、そういう境遇のおばちゃんがようやくの思いで手にした給料から支払った税金で飯を食っているわけですから。
ワシは給料を800万にしたことで名古屋市民と同じになったという気持ちが非常に楽にしてくれるから、人から何か言われたとしても「ワシに文句あるの?」言うてますよ。なんか文句ありますか言うて、ワシとあなたとは対等なのだから、いつでも変わってあげようかっちゅう気持ちになりますわ。それから自分をほぼボランティア的な存在にしたということから、生きる名誉をいただいたという気持ちがある。
市債も発行せず、必要な市民サービスも切らん。それで減税するといったらムリのように聞こえるかもしれんけど、名古屋市は企業でたとえれば60年間無競争で税金を独占してきた企業で、総収入の1.5%ばかりを削ろうとしているだけのことですから、なんとかなるでしょう。減税を実現したらこんどは住民分権の地域委員会、さらにはまだまだある庶民革命のアイデアを矢継ぎ早に繰り出して実現させていこう思うとるところです。
- 考察
いやあ、あんまりにもすごいアイデアなもんで、なんも言うことないがや。
河村市長の思うようにやってちょ。
頼んだがや。