露骨な見せしめをする自民党

 下に書いた「節操のかけらもない自民党」の続きだが、これほど露骨な見せしめもないだろう。次の記事である。
<佐藤、片山両氏を党が処分 委員会採決無断欠席で>http://www.asahi.com/politics/update/1204/005.html

 自民党片山さつき佐藤ゆかり衆院議員が、衆院経済産業委員会の法案採決を無断欠席したことをめぐり、同党は4日、2人を同委員会の委員から外し、党の許可が必要な国会開会中の海外渡航を1年間禁止するなどの処分を決めた。
 同党によると、委員会欠席で海外渡航禁止の処分を出した例は過去になく、採決を欠席したことなどを重く見たという。坂本剛二国会対策副委員長は4日の記者会見で「欠席は反党行為で、断じて許し難い」と述べ、異例の処分であることを強調した。
 佐藤氏は委員会に欠席した際、自民党本部に中川秀直幹事長を訪ね、地元支持者が復党反対の署名を提出するのに立ちあっていた。
 坂本氏によると、佐藤氏は先月10日の財務金融委の法案採決も無断欠席したため、同党で追加の処分を検討するという。


 大変に重い処分である。いわゆる「小泉チルドレン」の中でも有名で、かつ(はっきり言えば)女だから与しやすしということで、この二人が狙われたのではなかろうか。二人がここでへこんでしまえば自民党執行部の思うつぼであり、復党に反対する党内の勢力は勢いをくじかれることになる。片山・佐藤両氏はへこんでしまえばそれまでであり、まさに「使い捨ての刺客」だったことを自ら証明することになろう。


 言うまでもなく、私は自民党支持者ではないので、両氏がへこもうがめげようが、知った話ではない。しかし、かりそめにも議員として、また政治家として、それではあまりに情けないのではないだろうか。権力をかさに着て脅してくる連中に対して、女だからといってなめられていて良いのか。また、いわゆる「チルドレン」にしたところで、他人事ではない。この二人が簡単にやりこめられてしまえば、「明日は我が身」であることを思うべきだろう。


 この露骨な見せしめがまかり通るようであれば、自民党は単に民主集中制の党であるだけでなく、人間を使い捨てにする政党であることをも自ら証明することになろう。そして、いわゆる「刺客」ら「チルドレン」は、人間を使い捨てにする政党に仕え続ける以上、全体主義に奉仕する奴隷でしかないことになる。


 それにつけても、議員の世襲は政治から駆逐されなければならない。