すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

印象に残った絵

図書館から借りていた本の返却期間が来たので「怖い絵」以外に借りた本、「カラヴァッジョ巡礼」「謎解きフェルメール」をちょちょらと読み、大急ぎで返却した。さて「怖い絵」全3巻の中で印象に残った絵は伝グイド・レーニ作「ベアトリーチェ・チェンチ」だ。フェルメール作の「青いターバンの少女」の元となったとも言われるこの作品は、実は私は知らなかった。しかし一目見たその時から少女の何とも言えない表情に惹き付けられた。彼女は父親殺しの罪で処刑される実在の人物であるが、これは処刑と決まってから描かれたのだろうか?拷問も受け、もはや逃れられぬと悟った諦めとも疲れたとも見えるその顔は、何とも哀れを誘う。頭にターバンを巻いているのは斬首に際して斧が髪の毛で滑るのを防ぐためである。フェルメールの作品も同様にターバンを巻きこちらを振り向いている構図であるが、目がぎょろっとしてお世辞にも美人とは言えない。(まあ、ブスとは言わないが)第一私にとっては世評の様にはこの作品にそんなに魅力を感じない。ラピスラズリを使った青色が印象的だとか、そんなのには全然関心が無い。それよりも「ベアトリーチェ・チェンチ」のぐいと見ているものを引き込むような魔力とでも言おうか、ある種の迫力に感動する。また「青いターバンの少女」はトローニと呼ばれる描き方で実在のモデルはいないともされるが、ために私には存在感が薄く、何か人間臭さのようなものが感じられないのだ。まあ私ごとき素人がおこがましくも天下のフェルメールを批評するなんてもってのほかなのだが。(笑)ともかくも私は断然「ベアトリーチェ・チェンチ」の方が好きで久し振りに印象的な作品に出会えました。

伝レーニ作「ベアトリーチェ・チェンチ

フェルメール作「青いタ−バンの少女(真珠の耳飾りの少女)」