薬王山 医王寺

薬王山 医王寺は、東京都葛飾区柴又にある寺院。
南葛八十八ヶ所の第57番札所、柴又七福神の恵比寿が祀られています。

 応永拾四年七月七日時の将軍足利義満公が、奇病(赤目病)が下総国一円に発生し住民が全滅の危機にさらされているのを聞きおよび、時の後小松天皇に悪病退散の祈願寺の建立を上奏し、京都仁和寺の僧観見和尚に薬師瑠璃光如来を奉持させ、柴又村の当地に建立したものである。
 赤目病とは、両目が最初充血し、悪化するにつれ「目やに」が出てやがて瞳が白く濁り「下まぶた」が垂れ下り赤くはれ上がり、最後には失明してしまう恐ろしい奇病で原因は不明であったと云う。当時の目の病いに苦しむ村人たち、近郷近在より参詣に訪れたと聞く。此の奇病にかかった村人が昭和二十年頃を最後に、以後赤目病患者は当地より消えたのである。
 当山では、境内より湧き出る清水(現存しない)と護符と茶目薬を室町時代より昭和中期まで眼病祈祷札と共に出していたが、終戦薬事法の定めにより今は出していない。だが現在でも、眼病を護る仏として参詣に人々が訪れている。

「境内案内より」