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2010-06-09 文字組版演算の基本 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

文字組版に必要な演算が苦手という方が多いが、とりあえず簡単に基本的なことだけ……。

(図中の行送りの基準の表示はIllustratorの場合だが、その他の基本的な考え方はInDesignでも同じ)

  • 図中の字送りの矢印が文字のセンターからセンターを指していますが、写植時代はそれでもいいのですが、DTPでは文字の頭から次の文字の頭とするのが妥当です。トラッキングAdobeの和訳では“字送り”)などを考えても選択文字の後ろが調整され、その基本単位は選択文字の1/1000emだということと考え合わせると理解いただけるでしょう(送り量としては同サイズ同士では基本的に同じなのですが…異級数となると異なります)。(2016.09.30 追記訂正)

図とダブルが

ベタ組の場合

字送り方向の長さ、つまり行長は 文字サイズ×字数

行送り方向の幅あるいは高さは 文字サイズ+行送り×行間数(=行数−1)

で計算する。


f:id:works014:20100609135918j:image:w530


トラッキングを使用した均等アケ組及びツメ組の場合

行長は 文字サイズ+字送り量×字間数(=字数−1)

で計算でき、その字送り量は

文字サイズ×(1000+トラッキング量)÷1000

で計算できる。


f:id:works014:20100609135919j:image:w530


逆に、例えば20Qを字送り19Hで処理したい場合は、


上の式に当てはめて

19=20×(1000+X)÷1000

として、順に

19÷20=(1000+X)÷1000

19÷20×1000=1000+X

19÷20×1000−1000=X

つまり

X=19÷20×1000−1000=−50

となり、

-----

トラッキング量=字送り量÷文字サイズ×1000−1000

-----

という式で表される 求められる。

小数点以下は、マイナス値は切り上げ/プラス値は切り捨てるといいだろう。


なお、「字送り方向」を「字詰め方向」と表記する場合もあるし、「行高」を「行幅」と表記する場合もある。

InDesignではCS4から「行幅」という表記を「行高」と変更したようだ。参照頁


また、InDesignでは「環境設定_単位と増減値_ポイント/パイカの大きさ」のデフォルトで「PostScript(72ポイント/インチ)」(=DTPポイント)が設定されいるようだが、旧字体(72.27ポイント/インチ)」(=Americanポイント)もオプションで用意されている*1金属活字の大きさに合わせるにはイイのかも知れない(Illustratorには用意されていない)。


以下はオマケ(せっかく作ったので……)


f:id:works014:20100609135920j:image:w530


(以下、公開当日15:12頃ほか追記)

さらに蛇足だが……

上の文字組みはIllustrator上のテキストエリア内に作成したモノだが、エリアサイズを(一般的な)欧文ベースラインより下の部分に相当する(20Q×0.12=5mm×0.12=)0.6mm 少なくしても収まっている(11.25−0.6=10.65)*2。しかし、さらに0.002mm 少なくすると溢れてしまった*3


f:id:works014:20100609150945j:image:w530


なお、テキストエリア内文字でない場合は、フォント自体のバウンディングボックス値が参照されるため、情報パネルや変形パネルの数値は計算通りとはならない(Wの数値は換算誤差?)。


f:id:works014:20100609153955j:image:w530


参考頁:フォントのバウンディングボックスサイズ_Memo

*1:つい最近知った。twitter上での @koikekaisho さんの「ポイントはap? それともDTPpoint?」というご質問から……私はポイントを使わないので……

*2InDesignではこの時点で既に溢れる

*3:0.001mmでは大丈夫だった

前田年昭前田年昭 2013/02/28 14:24 質問ですが,InDesignでの本文組版では均等アケ組み/均等ツメ組みではトラッキングは使わない(ゼロのまま)で,基本設定で文字サイズと字送りを設定するのが適切と思いますが…。もちろん,正確な組版演算を前提にしたうえででの話。

works014works014 2013/02/28 15:19 >前田さま まいどです。
>基本設定で文字サイズと字送りを設定…と仰っているのは、フレームグリッドで均等送りを実現するということですね。それは当然、その通りです。
ただ、テキストフレームの場合にはその技が使えませんので、トラッキングに頼るしかないという場面も多々あります。
そういう場合にはちゃんと計算しておかないと、最終行の字送りのみが……という結果をもたらしますので、解説しておいたと理解していただければ幸い。

前田年昭前田年昭 2013/02/28 19:53 はい,了解です。基本の組版演算をおろそかにして目見当でボックスを拵え,そのつじつまをトラッキングであわそうとする,クォークあがりの若い方の仕事を見るきかいがあり,どないなっとんのやと思た次第。