ブレブレ鳩山健在!政界引退撤回 党内から「表に出ないで…」

民主党鳩山由紀夫前首相は24日夕、訪問先のベトナムハノイで記者団と懇談し、首相退任時に次期衆院選には出馬しないとしてきた自らの去就について「議員を続ける方向に気持ちが傾いてきている」と述べ、政界引退の方針を事実上、撤回した。6月の首相退陣後、頻繁な外国訪問で存在感を発揮しているが、民主党内からは「また、発言がブレた。そもそも地元・北海道補選の最中に外国訪問とは」(民主党関係者)との批判も出ている。

 鳩山氏は首相退陣後、すでに中国(6、8月)、ロシア(8、9月)、米国(9月)、韓国(10月)と4カ国を計6回訪問していたが、今回のベトナム訪問では平野博文官房長官ら約10人の側近を引き連れ、原子力発電や新幹線など日本のインフラ技術を担当閣僚らに売り込んだ。

 12月にはサッカーのワールドカップ日本招致活動のため、国際サッカー連盟本部のあるスイス訪問を検討している。

 こうした中での引退撤回発言。理由について鳩山氏は「民主党の状況が思わしくない。自分なりの役割を投げ出していいのかという、いろいろな声をもらっている」と説明。その上で「自分の判断を前向きに変えないといけないかなと思う」と強調した。

 ただ、鳩山氏は首相就任前に「首相として仕事をした後、影響力を残すことは控えた方がいい」と指摘。退陣表明した6月には「首相を辞めた人が影響力を行使しすぎてはいけない。私は次の総選挙に出馬しない」と明言し、次期衆院選に出馬せずに政界を引退する考えを示していた。

 それだけに、野党が「言行不一致」との批判を強めるのは必至。さらに、国会では自らの政治資金に関する帳簿提出問題がぶり返している。

 鳩山氏は北海道5区補選の敗北についても、「政府全体が真剣に敗因を分析しなければいけない」と“総括”を要求。選挙中、現地に応援入りしなかった首相について「勝ち負けを度外視して全力投球すべきではなかったか」と批判した。

 しかし、民主党ベテラン秘書は「地元の補選最終盤に外遊する感覚もどうか。そもそも、鳩山氏に対する風あたりは強く、表に出れば出るほど民主党の支持率を下げる。しばらく、裏方に徹してほしい」と漏らした。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101025/plt1010251635002-n1.htm