青山ユニマット美術館

美の20世紀〈2〉シャガール (美の20世紀 2) シャガールを中心に、エコール・ド・パリの面々の絵画が集められている。説明文がていねいで、結構読み込んでしまった。シャガールは幻想的な絵画を描く人物という印象だったのだが、ロシア生まれのユダヤ人で、革命後はドイツに逃れ、そのドイツもナチズムが台頭し、フランスへ拠点を移し、さらには米国に逃れる。一時、ゲシュタポに拘束され、米政府の働きかけで解放されたらしいから、革命と戦争の20世紀の暴力を体験した人出もあったわけだ。そうした凄惨さが、あの幻想的な絵画の裏側にあったのかと思う。この美術館、現在は、アンドリュー・ワイエスの企画展も開催されている。外から見ると、小さいけど、収録されている絵画は充実していて、楽しめた。穴場的な美術館。
 http://www.unimat-museum.co.jp/

ワタリウム美術館

日本文化私観 (講談社学術文庫) 青山にある美術館。現在は、ブルーノ・タウト展を開催中。青山ユニマット美術館は小振りだが、ゆったりとしているが、こちらは小さくて狭い。1階に受付があり、2階から4階までが展示室というのは、ユニマットと同じ構造なのだが、こちらは2階から3階には階段があるが、あとはエレベーター(1基)の移動というところが不便。でも、ブルーノ・タウト展自体は面白かった。日本文化の紹介者というイメージだったが、集合住宅など建築家として運動を展開してきた人でもあったのだ。ドイツから日本に来て、さらにトルコで建築設計に活躍し、客死する。コスモポリタンだったのだなあ。と同時に、第1次大戦後の日本は、海外から建築家を招き、原稿を依頼するなど結構、グローバルだったのだ。
 美術館、地下1階の書店はデザイン、美術、写真などの書籍で充実していた。1階はミュージアム・ショップだが、こちらはデザイン文具が充実している。
 http://www.watarium.co.jp/museumcontents.html