岩村忍「暗殺者教国」

 イスラム教の一派、イスマイリ派(イスマーイーリ派)のさらに一派のニザリ派(ニザール派)は別名、暗殺教団といわれる。暗殺者を意味する英語の「assassin」の語源は大麻の「hashish」にあり、この一派が教徒を大麻によって夢幻の天国にいざない、天国への道として暗殺をさせたことに由来するといわれる。そんな伝承に興味があったところ、古本で見つけて、読みはじめた。で、結論から言うと、ちょっとわかりにくかった。岩村氏はモンゴルの専門家であり、あとがきにもあるように、モンゴルの将軍、キドブハへの興味から、暗殺教団へと向かっていった。そのせいかどうか、モンゴルの話とイスラムの話と暗殺教団の舞台であるイラン・シリア紀行などが入り乱れ、新書のわりに雑ぱくな印象を受けた。話が行きつ戻りつしつつ、イスラム系の名前がまた馴染みがなくて、覚えにくいので、今ひとつ、すんなり飲み込めなかった。
【参考】
ウィキペディア、グーグルで「暗殺教団」をみると
 wikipedia:暗殺教団  google:暗殺教団