週末の記録



土曜日の朝は雨。お昼すぎから銀座に出て「落語研究会 昭和の名人 参」。東劇は全席自由&入替無しなので、四本立てのオムニバスのような本作の場合、どの時間に行ってもいいので気が楽だ。上映途中に(いちおう演者が替わる際にささっと)劇場に入ったの、何年ぶりだろう。簡単な記録を下に。
雨の上がった銀座を歩いて、西銀座デパート内の煙草が吸える貴重なお店・ブリッヂにてビーフシチュー。パンにピラフにポテトサラダと小腹満たしには十分すぎる、喫茶店!という感じの嬉しいセット。
その後、ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開初日の「クリスマスのその夜に」。感想を下に。



快晴の日曜日は、まずミッドタウンで「ハッピーエクスチェンジング」のカードを投函。規定のハガキにメッセージを書いて預けると、ラップランドのサンタクロース中央郵便局からオリジナル消印を押して届けてくれるもの。写真は施設内の専用ポスト。
館内をぶらついて茅乃舎でお買い物、同居人は「お誕生日」ハガキでアゴだしの見本をもらう。いつも使ってるのは野菜だしだけど、試飲したら美味しかったので。帰り際、外に出たところの巨大なサンタブーツの前で一枚。足下?の白いシクラメンが可愛い。



神宮外苑に移動して、恒例のいちょう祭り。いつもより一週間ほど遅いこの日が、ちょうど見頃という感じ。天気も最高でいい気分。
何か食べようと奥に向かうと、お店の数も人手も例年の数割増しで歩けないほど。被災地からの出店が多く、あたり一面いい匂い。仙台の牛タンや東北風モツ煮込みに、毎年食べてる長崎の「いわしげんこつ」などを購入。どれも美味だった。
その後は渋谷に出て、同居人の携帯電話の買い替えを検討したりハンズで買い物したり。久々に人間関係でお茶してから、早めに帰宅した。

落語研究会 昭和の名人 参


シネマ落語の第三弾。プログラムは、桂吉朝「不動坊」/三遊亭円楽助六伝」/古今亭志ん朝三方一両損」/金原亭馬生鰍沢」。
東劇は入替無しなので、適当な時間に行って、円楽の部から観る。今回もとても楽しかった。


円楽は同居人いわく「テンポが悪くて苛々する」のも分かる(笑)けど、愛嬌がある。最後の独白の場面では、やはり涙が光っていた。
志ん朝の「三方一両損」は音源で聴いてたけど、内容が違うのか、何なのか、面白すぎてびっくりした。私がこの噺を好きだからというのもあるかな。
馬生の「鰍沢」も最高。ずっと羽織を脱がず。私の知ってる他の演者に比べてシンプルであっさりした内容なんだけど、要所で大熱演。卵酒の描写にはいかにも酒飲みらしさを感じ、可笑しかった。
最後が初体験の吉朝だったわけだけど、彼の部だけ平成の映像ということもあり?吉本新喜劇を観てるみたいだった(「お笑い」に近い、という意味)。私が唯一知ってる上方の(元の)「不動坊」である枝雀のとほぼ同じ形なんだけど、すごく現代的。「鉄瓶」に「かんぬきを掛けて…ってどっから出るんだ!」のくだりとか、今考えたら不思議なくらい爆笑してしまった。上方では、お滝さんが自分の方から「結納金として35両くれる方」をはっきり求めたり、幽霊役の講釈師に企みに加わる「理由」があったり、登場人物が皆現金なのがいいなと思う(笑)

クリスマスのその夜に



公開初日、ヒューマントラストシネマ有楽町にて観賞。「キッチン・ストーリー」「ホルテンさんのはじめての冒険」(感想)などのノルウェーベント・ハーメル監督による、クリスマスの一夜の群像劇。


日本での宣伝文句は「おうちに帰ろう」。その通り、エンディングに流れる曲の歌詞は「私はこの先どうなるのか/でも愛してくれる家族がいる/うちに帰ろう」。
ここでの「うち」とは、自分で築いた家庭というより「故郷」というニュアンスぽい。実際作中では久々に故郷に足を向ける人物が出てくる。しかし映画は、将来のために自らのルーツを後にするエピソードで終わる。振り返ってみると、描かれているのはどれも、人生の様々な場面において、「幸せ」、あるいはともかく何かに向かって一歩を踏み出す人々の話だった。


冒頭、テレビでクリスマスのニュースを見ていた男の子が家を抜け出し、とある危機に陥る。彼を狙う銃の引き金に指が掛かったところで場面は変わり「本編」…おそらく数年後の、舞台となるクリスマスの夜へ。どういう状況なのか?あれは「誰」なのか?と悶々としながら観ていると、何とラストにその正体と意味が分かるという仕掛け。面白いけどちょっとずるい。


本作は群像劇といっても、一見オムニバスのようだ。また例えばクリスマスつながりで、ド派手な「ラブ・アクチュアリー」などと比べると、知ってる顔はないわ(おそらく本国ではそうじゃないんだろう)、作中世界の大都市も有名人も出てこず地に足着いてるわ、「コメディ」要素は限りなく控え目だわ(「控え目」ながら無いわけじゃないのがポイント)、あの人とあの人にこんなつながりが!というカタルシスもないわ、とあくまでも上品。それでいて「どうしようもない」ことがさらりと盛り込まれている。


一組のカップルがやたら早い時間から「クライマックス」を迎えている、すなわちセックスしているので、これはと思ったら、やはりそういう「事情」がある。作中のベッドシーンは彼らのものだけだけど、男女ともに、少なくとも体型は「普通」ぽい。偏見だけど北欧映画って、「普通」ぽい役者さんが出てくるのがいい。「ミレニアム」だって、愛人関係にあるミカエルとエリカの容姿があれだからこそ好きだったものだ。