ウォーエンブレム考(1)

 久々に統計エントリ。私がウォーエンブレム好きなのは、このブログご覧いただいている方はご存じだと思いますが、今年の2歳はちょっと当たりっぽい感じもあるので、私が持っているイメージが正しいかどうかの検証も兼ね、データを取ってみました。


1)ウォーエンブレムはダート、は本当?


 世間のイメージの最たるものがこれですかね。ウォーエンと言えばダート種牡馬。実際、私の出資馬ピースエンブレムも全勝ち鞍ダートですので、そう思っても良いのですが、余りそういう印象無いんですよね。実際のところはというと…

コース 出走数 勝利数 勝率 連対率 単回収値 複回収値
392 44 11.2% 20.7% 94円 96円
ダート 263 40 15.2% 24.0% 91円 70円

 ウォーエンブレムの勝ち鞍が芝>ダートって認識持ってる人、居ましたか? 回収値も芝の方が良い。まあ、分母の問題もあるんですけど。勝率はダートの方がずっと良いですからね。勝率と単回収値が逆転してるってのはつまり、ダートでは人気になりやすいってことで、世間のイメージが「ダート向き」「ダートに変わって狙い目」となっていることが分かりますね。

 もう一つ、ダート向きと思われている要因が「強い馬はダート馬」というイメージだと思います。これも事実でしょうか。上級条件の成績を見てみます。

クラス 出走数 勝利数 勝率 連対率 単回収 複回収
芝準O 41 03 07.3% 09.8% 088円 045円
芝OP 28 01 03.6% 07.1% 008円 198円
芝重賞 39 04 10.3% 12.8% 172円 082円
ダ準O 57 06 10.5% 12.3% 124円 081円
ダOP 20 03 15.0% 15.0% 058円 039円
ダ重賞 24 02 08.3% 16.7% 032円 042円

 これは中央だけの成績なので、交流重賞シビルウォーが4勝)を入れると重賞勝ちは芝4<ダート7と逆転します。まあ、あとは6連勝のウォータクティクスや息長く走ったキングスエンブレムのイメージも強いのでしょうね。芝重賞は全て3歳、ダート重賞は全て古馬。息の長いダート馬、古馬になって強くなるダート馬、というのが正確な印象でしょうか。ここでもオッズには気をつけておきたいです。ウォーエンブレムのダートで儲けるのは実はかなり大変、というのはずっとこの馬の馬券を買ってる私の偽らざる実感。かといって、芝も穴を開ける呼吸というのはなかなか難しいです。この辺は後で細かく見ます。

 まあともあれ、単純に強い馬はダートというわけではないことは分かるんじゃないでしょうか。実際、ダートではまだG1勝ってないわけですし。ダート馬は重賞級に限らず、格上相手に一発かますような競馬はほとんどなく、順番が来たら勝つけど上限有りという感じです。一方芝では、ちんたらした上がり競馬だと取りこぼしも多いですが、ロングスパートレースになると実力以上の成果を発揮する傾向にある気がしますね。まあ、この辺も後で細かく…。



2)芝は牝馬、ダートは牡馬は本当?


 これも良く言われますね。端的に考えれば芝はショウナンアルバの1勝を除き全て牝馬、そしてダートは全て牡馬という重賞成績のイメージだと思いますが。全レース、及び印象に残りやすい新馬・OP(+重賞)を調べてみました。

条件 性別 出走数 勝利数 勝率 連対率 単回収 複回収
新馬 027 05 18.5% 37.0% 064円 065円
新馬 017 02 11.8% 29.4% 115円 111円
新馬 008 02 25.0% 62.5% 191円 100円
新馬 003 01 33.3% 33.3% 093円 046円
OP芝 048 02 04.2% 06.3% 049円 141円
OP芝 020 03 15.0% 20.0% 228円 098円
OPダ 044 05 11.4% 15.9% 043円 040円
OPダ 000 00 00.0% 00.0% 000円 000円
全鞍芝 284 32 11.3% 20.1% 073円 082円
全鞍芝 117 13 11.1% 23.1% 140円 127円
全鞍ダ 214 32 15.0% 24.3% 093円 073円
全鞍ダ 051 09 17.6% 23.5% 090円 063円

 出走数が牡馬2〜3:牝馬1の比率なので、勝利数などは概ねその範囲に収まってますが、勝率・連対率には総合成績は大差ありません。じゃあその印象はどこかというとやっぱりOPですね。牝馬はダートのOP出走なし(最高成績は1000万勝ち、というか1000万勝ったキュートエンブレムとピースエンブレムの2頭以外は500万勝ちすらありません)。そりゃ、牡馬ばっかり勝ってる印象残るはずです。それと、牡馬の芝OP成績がかなり悪いですね(というか、勝ちきれない)。まあ、ここは印象通りと言っていいでしょうが、OP以外の条件では余り性別は気にしない方が良さそうです。しかし、ウォーエンを新馬からダートに使う厩舎は少ないんですね。

 あと特徴的なのは、牝馬の芝勝ちが1頭を除き全て2歳3歳なこと。これもOP馬のイメージと被りますね(芝の重賞勝ちは全て世代限定戦)。唯一の例外も500万下ですので、芝で上級条件で戦えるのは(今のところ)3歳までといった感じです。あとで馬券のところでも触れますが、古馬になった牝馬は芝では全消しくらいのつもりで。


 長くなったのでこの辺で回を分けます。脚質や上がりについて、調教師について、騎手について、あとは馬券の話など次回に。

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