YAMDAS現更新履歴

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2010-06-28

[] オーケストラ!  オーケストラ!を含むブックマーク

オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

公開日から結構経つので客も少なかろうと直前に映画館入りしたら、結構入っていて、後方端に座ることとなった。そして、これが敗因に……

本作のような「今はうだつのあがらない主人公が仲間を抱きこんで周りをだまくらかす」話がワタシは大好きで、しかも『イングロリアス・バスターズ』ですごくよかったメラニー・ロランが出ているので楽しみだった。

よくできた映画だったと思う。しかし、ワタシはこの映画を十分に楽しむことができなかった。ただそれは映画が悪いのではなく、ワタシに責任がある。

すごく低次元な話で、本作は白バックに字幕が入る場面が多く、字幕が読みにくかったのだ。またそのせいで後で?と思うところがあったし。映画館には必ず眼鏡を持っていくワタシであるが、視力が落ちてるんだなぁ、と痛感した。ロシアとフランスが舞台になる本作の場合、字幕に頼らず聞き取りでは分からんし。

十分に笑わせ、またそれだけに終わらない映画である。団員が持ち込む SIM フリーの携帯電話や、スポンサーを探す際の「音楽なんてネットならタダだ」といった台詞など小道具もうまい。

ただやはり本作のハイライトは最後の演奏場面であり、これはどうよという出だしから盛り上げていく演出がよくできている。メラニー・ロランの凛とした演技が本作でも見れて嬉しい。ただ後日談を演奏場面に重ねる演出、あれはどうしようもなくダメだと思った。

オーケストラ!

オーケストラ!

[][] ASCAPがフリーカルチャーへの戦争を宣言?  ASCAPがフリーカルチャーへの戦争を宣言?を含むブックマーク

LWN.netSlashdot など各所で話題になっているが、日本で言えばやはり JASRAC が一番近い存在といえる ASCAP(American Society of Composers, Authors and Publishers:米国作曲家作詞家出版者協会)が、Creative Commons、Public Knowledge、そして電子フロンティア財団といった団体と戦うための寄付を会員に求めているとのこと。

CC や EFF といったフリーカルチャー団体を敵視するのは、彼らが我々の「著作権(Copyright)」を傷つけるために「コピーレフト(Copyleft)」を推進しており、連中は消費者の権利を謳っているが、実際は単に我々の音楽にお金を支払いたくないだけなのだ、と主張している。

なんだかなという感じである。CC ライセンスはコピーレフト的なものだけじゃないし、現行の著作権法に反するものじゃない。JamendoMagnatune に登録されている音楽はすべて CC ライセンスだが、別にそれは飽くまでミュージシャン側の選択あってのものなのに。

Creative Commons も早速、「ASCAP が CC のことを誤解して、著作権を傷つけているとか言ってて大変遺憾。CC ライセンスは単純明確に著作権に則ったライセンスなのに」とコメントを出している。そりゃそうだよね。

[] プロ向けレシピのコラボレーションを目指すChef's Resources  プロ向けレシピのコラボレーションを目指すChef's Resourcesを含むブックマーク

Rebecca Blood さんのところで Chef's Resources というレシピ共有サイトを知る。

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レシピ共有サービス自体はまったく珍しいものではない。日本なら Cookpad があるし、海外ではネット上に散らばるレシピ情報をどのように検索するかという段階に入っている(参考:料理レシピーのセマンティック検索Yummlyが始動-食通のための究極のサイトを目指す)。

Chef's Resources がユニークなのは、まずはじめにプロ向けをはっきり謳っているところ。そして、同時にサイトが EditMe という Wiki サービスで構築されており、コラボレーションを促しているところ。

プロ向けなのだから、レシピを書く側もそれなりの料理人になるだろう。そうした層でコラボレーションによる質向上は可能か、一つの実験といえる。

[] 今年のグラストンベリーフェスティバルをBBCで楽しむ  今年のグラストンベリーフェスティバルをBBCで楽しむを含むブックマーク

歴史、規模とも世界最大規模の野外ロックフェスティバルであるグラストンベリーフェスティバルが今週末開催されたが、今年は40周年記念というのもあってか、BBC がグラストンベリーに400人を派遣して特設サイトでライブ中継する力の入れようである。

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財政難の折り、BBC の力の入れ方には批判も大きいようだが、ロックファンとしては素直に楽しめるところを楽しむことにする。ちょうどありがたいことに id:nofrills さんがグラストンベリー・フェスをネットで Glasto on the web というエントリを公開している。ワタシもこの記事を参考にグラストンベリーをネットを介して聴かせてもらっている。

初日トリのゴリラズのステージにはミック・ジョーンズ&ポール・シムノンというクラッシュ勢に加え、ルー・リード親父なども参加した豪勢なステージだった模様。

Plastic Beach

Plastic Beach

なお、児島由紀子の「ロンドン通信」によると、最新号の NME は当然グラストンベリー特集で、グラストンベリーにおける歴史的名演を20選んでいる。

第1回のメインアクトである T.Rex が1位なのは主催者であるマイケル・イーヴィスの趣味だろう(40年前から観ているスタッフは NME にはいないだろう)。逆に、7位から12位まで6つが1994年のアクトが選ばれてるのは、もちろんこの年がブリットポップ最盛期ちょい前の一番良いときだったというのもあるだろうが、現在 NME で発言権のある人間が、ティーンエイジャーのときに初めてみたグラストンベリーがこの年だったからなのではないかとワタシは睨んでいる。

グラストンベリー [DVD]

グラストンベリー [DVD]

LIVE FOREVER [DVD]

LIVE FOREVER [DVD]

[][] 今年のSXSWでBest Music Videoに輝いた作品が面白い  今年のSXSWでBest Music Videoに輝いた作品が面白いを含むブックマーク

真実一郎さんの tweet で、SXSW 2010 において Best Music Video に輝いた Cinnamon Chasers の "Luv Deluxe" を知った。

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一人称の視点で撮られていること、主人公のインモラルな行為が含まれることなど Prodigy の悪名高い "Smack My Bitch Up" のビデオを連想した。ただこちらはこれみよがしに露悪的な感じではなく、旅先で知り合った男女が辿る三通りの可能性、しかもいずれもバッドエンドになるところが何とも悲しくてよかった。

このビデオを監督している Saman Keshavarz という人は、キヤノンのデジカメの CM も有名らしい。

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あと Cinnamon Chasers の曲は iTunes Store で購入できるよ。

2010-06-24

たぬきちなんて糞くらえ。これこそ地方在住ロスジェネのリアルリストラ戦記だ たぬきちなんて糞くらえ。これこそ地方在住ロスジェネのリアルリストラ戦記だを含むブックマーク

ワタシは以前から「たぬきちさん、頑張れ! なんてこれっぽっちも思いませんね」と公言していて、そもそもぬるま湯大企業にいたバブル世代の高給取りが希望退職募集にひとしきりはしゃいだ挙句誘いに乗って多額の退職金をせしめて勝ち逃げする話が何で「リストラなう」なのかさっぱり分からない。

だから書籍化の話を知ったときも「ああ、そうですか」、書籍へのコメント収録で揉めたという話を聞いても「そんなもんでしょう」としか思わない。大いに儲ければよろしい。出版不況(笑)の現在、素晴らしい話じゃないか。ただ、Parsley さんが書く、「たぬきち氏に限らず、大手版元の編集者も、実際に本屋さんで買う一般消費者の感覚とはかけ離れていることが、今回の件で浮き彫りになったんじゃないか」という指摘から逃れられないだろう。

* * * * *

Twitter で @ という非常に直接的なアカウント名の人からフォローされてのけぞったのはいつだったか。ワタシは Twitter では(多くの Twitter 有名人の勧めに反して)フォロー数はできるだけ抑えるポリシーなので、知らない人をフォローすることは少ないのだが、この人はその数少ない例外である。

当時氏はリストラされ、転職活動の真っ最中だったが、住んでいる地域といい、エンジニアとしての業種といい、年齢といいとても他人事に思えず、その一進一退を息を詰めるようにして読ませてもらった。

その氏が、再就職に至るまでの苦闘をはてなダイアリーにまとめている。もっともこれも Twitter で清書したものの転載なのだが、以前からこの貴重な証言はブログに残してほしいと思っていたので(しかしデリケートな話であり、他人が要求できる筋合いにない)、とてもありがたい。皆さんにもご一読をお勧めする。

これは(ワタシ自身はこのくくりが大嫌いなのだけど)ロスジェネとやらに分類される世代のリストラと再就職の一つのリアルな記録である。個人的には、リストラの一環として転居を強いられることが多い地方在住者の証言として貴重だと思う。

いわゆるブラック企業じゃなくてもこうしたことは普通に起こっている。これを読んで「ここでこうしておけば」といった感想を持つ人もいるに違いない。しかし、それは筆者も百も承知だろう。大手出版社様ならあるようないたれりつくせりのケアなど望むべくもなく初めて経験する苦境に叩き込まれて途方に暮れるなというほうが無理だろう。

上にも書いた通り、ワタシ的にはいろいろと他人事に思えず、この方の tweet を見て戦慄を覚えたことも一度や二度ではない。失礼を承知で書かせてもらうと、自分が独身でよかったとも思った。少なくとも前門の再就職、後門の嫁状態になることはない。

……もっとも、ワタシの場合は単に女性から相手にされなくて結婚できないだけなんですが。

何はともあれ選択肢を見極めた上で再就職されたことを心からお祝いします。id:job_change さん、いろいろとお忙しいと思いますが、一息つきましたらよろしければ連絡いただけませんでしょうか。一杯奢らせてください。

「高嶺の花」を「高根の花」と書いて日本語を乱す新聞業界 「高嶺の花」を「高根の花」と書いて日本語を乱す新聞業界を含むブックマーク

2010年6月23日の日本経済新聞夕刊を読んでいて、何じゃこりゃと思った。

f:id:yomoyomo:20100623212400j:image

「高根の花」って何だ? 「高嶺の花」だろが! ……と怒りにまかせて Twitter に吐き出した。

すると多くの方々から反応があった。校閲者のミスでは? というのはワタシも思ったことだし、松永英明さんの「ATOK使えば間違えないのにMS IMEを使っていた」からではないかという冗談交じりの指摘には笑ってしまったが、MS-IME 使用者としてマイクロソフトの名誉のために書いておくと MS-IME で変換したって「高根の花」なんて候補は表示されない。日経新聞の記者の国語力は MS-IME 以下なのかと思ったが、一概にそうとも言えないらしい。

「高嶺の花」の「高根の花」への書き換えは、新聞業界の取り決めを踏まえて行われているようだ。

それは理解した。しかし、それでも書かせてもらうが、その方針は糞である。

完全に定着している用法を勝手にテメエらの談合で置き換えるのは間違っていると思うし、少なくともこの方針に従う新聞に、今後一切「日本語の乱れ」的記事を垂れ流す資格はない。お前らが自ら日本語を乱しているだろうが。

あとyukatti さんの tweet で知ったが、元朝日新聞「天声人語」執筆者の栗田亘氏は、以下のように書いている。

 新聞の一方的な都合で、日本語を改変することもある。「高嶺の花」を「高根の花」と表記するのも、新聞の都合。「嶺」は常用漢字にない、という理由だった。

 個人的には、虫酸が走る言い換えであった。ゆえに私は、新聞記事では「高嶺の花」という言葉そのものを使わなかった。

ページが見つかりませんでした | あらたにす

これは一つの見識だと思う。ただ、自分たち新聞業界の人間が、自らの手で日本語を汚しているという意識を栗田氏にも持ってほしかった。自分一人が使わなければよしというものではないだろう。

[] Skype創業者が手がけるTwitter的ソーシャル音楽サービスRdioが楽しみだ  Skype創業者が手がけるTwitter的ソーシャル音楽サービスRdioが楽しみだを含むブックマーク

Skype の創業者が立ち上げたオンライン音楽サービス Rdio のことは TechCrunch で知ったが続報がなく忘れかけていたのでこの記事はありがたい。

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Rdio は Twitter 的ソーシャル機能とオンライン音楽ストリーミングサービスが面白い化学反応を起こしているとのことで楽しみである。

自分のプレイリストが重要なのでそれを作るのがモチベーションとなる、実際の友人がいなくても音楽という共通項でソーシャルネットワークが広がっていくというのがポイントか。いろいろ不安要素もあるが、アーリーアダプター層を掴みそうなのはよいね。

これにナップスタージャパン終了で受けた傷を癒してくれるのを期待できるかどうか……

[] アキレスと亀  アキレスと亀を含むブックマーク

アキレスと亀 [DVD]

アキレスと亀 [DVD]

『アウトレイジ』がよかったので、これまで観てない北野武映画を観ておこうシリーズその1。

この数年ロクな評判を聞かなかった彼の映画では悪くないという評価をいくつか聞いた『アウトレイジ』の前作にあたる本作をば。

本作は、裕福な家に生まれ、芸術について見識はないが理解はある父を持ち、なまじ素養があったために芸術にとりつかれてしまった男の物語である。

予告編映像から受ける印象と異なり、主人公の子供時代が半分近くしめるのだが、編集が良いのかだれない。『3-4X10月』以来の主役を演じる柳憂怜の青年時代もよかった。ビートたけし演じる中年期となるとコントの連続になるのだが、樋口可南子演じる妻の存在が、コントの相方というだけでなく物語を(興行的な意味でも)つなぎとめていると思う。

本作はまぎれもない芸術家残酷物語なのだが、その過程であっさりと人が死んでいく酷薄さがこの監督らしい。彼が本作を手がけた動機として、誰もが夢を持つことを善とする風潮に対する苛立ちがあったと語っているが、それは「何を撮れば良いのか分からない」という北野武自身の迷いと重なって見えるのを果たして本人は意識していたか。

あと、本作のラストをもって「そしてアキレスは亀に追いついた」というのは正直よく分からなかった。

2010-06-22

[] 今なら1000円未満で買える名作映画を紹介しまくることにする  今なら1000円未満で買える名作映画を紹介しまくることにするを含むブックマーク

Amazon からいくつかメールが来て気付いたのだが、今週末25日に発売になる20世紀フォックスの映画が、現在割引で1000円未満になっている。

調べてみると相当に数が多いのだが、折角なので世間的認知は置いておいて、ワタシ自身好きでお勧めできる映画を紹介しまくることにする(よって『タイタニック』などは入らない)。

以下、おおよそ時代順に並べてみる。

アメリカン・ニュー・シネマと呼ぶにはノスタルジックでロマンチックな名作だが、この映画で一番良いのは、B. J. トーマスが歌うバート・バカラックの名曲「雨にぬれても」だよね。

マッシュ [DVD]

マッシュ [DVD]

ロバート・アルトマンの代表作にしてカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。現場では監督が一番クレイジーで、主演のドナルド・サザーランドとエリオット・グールドは真剣にアルトマンの解任を映画会社に要求しかけたという。女性蔑視的な描写が意図的とはいえ気になるが、ブラックユーモアの傑作である。

何だかんだ言って、『ロッキー』は盛り上がるよねぇ。淀川長治が、シルベスター・スタローンが卵を10個だか飲む場面を真似してお腹を壊しちゃいましたとか言っていたと記憶するが、この映画の公開当時既に氏は還暦を過ぎており、無茶をしたもんだ。

今回、シリーズ最終作も安値で再発となる(ワタシの感想)。世間で言われるほど良い映画とは思わないが、シリーズを汚したまま終わらなくてよかったと思う。

ワタシ自身オリバー・ストーンはあんまり好きじゃないのだが、これは認めざるをえない出来である。トム・ベレンジャーの悪役ぶりが見事だった。

この最初の二作はよく出来たハリウッド的娯楽映画だよね。アラン・リックマン、ウィリアム・サドラーというワタシが好きな役者さんが悪役をやっているのもポイントが高い。

かつてワタシはこの映画について、「この映画の唯一の欠点は面白すぎること」と書いたが、その気持ちは今も変わらない。映像の絵画性といい音楽といい一級品の映画。

誘拐というメインプロットといいちょっと猟奇入った感じといいコーエン兄弟らしい映画。スティーヴ・ブシェミとピーター・ストーメアの凸凹コンビ、ひたすら情けないウィリアム・H・メイシーも絶妙だが、コーエン兄弟が描きたかったのは地に足の着いたとても聡明な女性なのだと思う。それを演じたフランシス・マクドーマンドはアカデミー賞で主演女優賞、コーエン兄弟は脚本賞を獲得した。

ロバート・カーライルは『トレインスポッティング』と本作でスターとなった。ストーリーがよくできていて、男たちのキャラクターも立っている。これぞ英国映画と言いたくなるコメディ映画の傑作。久しぶりに観てみようかな。

例によってお下劣で悪趣味なファレリー兄弟の最高傑作。この映画を初めて観たとき、いきなりジョナサン・リッチマンが歌いだしたのに驚き、思わず泣きそうになったものであある。

デヴィッド・フィンチャーの代表作だしすごい映画なのだけど、個人的にはあと一歩乗り切れないものを感じる。彼の映画では『セブン』のほうがワタシは好き。その理由は、ブラット・ピットが本作の看板のはずなのに、エドワード・ノートンの演技の達者さばかりが目立つため。

ワタシの感想ポール・ジアマッティ大好き。彼みたいなダメ中年男がヴァージニア・マドセンのような美女と恋仲になるなんて、(水野晴郎の口調で)いやー、映画って素晴らしいですねぇ。しかし、これの邦題が『サイドウェイ』で、その日本リメイクが『サイドウェイズ』って納得いかない。

あと今回の再発分で、観ようと思いながらまだ観ていない映画は以下のあたり。

『フレンチ・コネクション』は昔テレビで観たことあるはずだが、今となっては記憶の彼方なのでこっちに入る。久しぶりに観ないとな。

以上の DVD は6月25日発売予定で、予約割引はそれまでなので購入するならお早めに。

2010-06-21

[] クラウドソーシング対コラボレーション:どちらが優れた結果をもたらすか  クラウドソーシング対コラボレーション:どちらが優れた結果をもたらすかを含むブックマーク

うーん、微妙な文章だな。これはタイトルにある通り、クラウドソーシングとコラボレーションを対立軸としてみて、いずれにも利点はあるのだけどうまくいかない場合もある。で、どうすればよいかという文章である。

しかし、最初のほう、クラウドソーシングと群衆の知恵(wisdom in crowds)を同一視しているように読める。以前、集団的知性(Collective Intelligence)と群衆の知恵(Wisdom of Crowds)の違いが話題になったことがあるが、クラウドソーシングと群衆の知恵は同じ概念を指してるのか? 第八回Wikiばな「Wikiと集合知」があったってのにこんなところでつまづいてちゃいかんだけど……

クラウドソーシングにはコラボレーションの力が欠け、一方でコラボレーションの弱点が、それがアイデアの質の限界となる。それならどうしたらよいか。ここで提案されるのは両者のハイブリッド。

  1. 集まって問題と目的を議論
  2. 全員に明確な割り当てを行う:決められた締め切りまでに特定数のアイデアをもってくる
  3. 問題について個々で取り組む
  4. アイデアを示し、行動計画を決めるために再び会合を持つ

実際に会うというのが必要なら、ネット上のコラボレーションの場合、どこまでやって代替となるのだろう。

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)

[] 起業家がOK Goから学べる6つの教訓  起業家がOK Goから学べる6つの教訓を含むブックマーク

EMI というメジャーレーベルから離れた OK Go だが、新作ビデオを見る限り勢いは衰えてないようだ。

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それにしても彼らは偉いよね。前回のピタゴラ装置とは対照的な手法を使い、しかも前回以上にバカバカしいくらい手間のかかったビデオを作っている。しかも、そのビデオがただ奇をてらったものではなく、楽曲のグルーヴをちゃんととらえたものになっている。

ReadWriteWeb で Audrey Watters が書く、起業家がアーティストが新しいテクノロジーを受け入れ、伝統的な音楽業界に挑戦している例としての OK Go から学べる教訓は以下の6つ。

  1. 見た目のよい広告ではなく、優れた製品に注力する
  2. 一つのことをやりぬく。最高の仕事をする。その繰り返し
  3. まず計画を立てる。そしてそれを正しく理解するまで練習する
  4. 投資家に抵抗するのを恐れない
  5. ファンをあなたのブランドのエヴァンジェリストにする
  6. そして最後に思い出すこと:あなたの姉のガレージで作ったものが世界を変えるかもしれない

以上の教訓は主に彼らの音楽というよりビデオから導き出されているのがアレだが、詳しくは原文を当たってくだされ。

Of the Blue Colour of the Sky

Of the Blue Colour of the Sky

"so"を文頭で使う用法はシリコンバレーから広まった? "so"を文頭で使う用法はシリコンバレーから広まった?を含むブックマーク

これ面白いね。この文章は、

So, this is about the word “so.”

というセンテンスで始まっているが、このように "so" を、日本語にすれば「つまり」「さて」「えーっと」「そう」という感じで文頭に使う用法は現在広く使われている。そして、この用法が頻繁に使われるようになったのはシリコンバレーが最初らしい。

マイケル・ルイスの『ニュー・ニュー・シング』に、コンピュータプログラマが質問に答える際に "so" で話を始めることが多いことについての言及があるらしい。そして、それはテクノロジー産業は従業員に移民が多いことが影響しているとか。

この文章にはもう少し突っ込んだ "so" の分析がある。ネタ元は Boing Boing

ニュー・ニュー・シング

ニュー・ニュー・シング

2010-06-17

[] アウトレイジ  アウトレイジを含むブックマーク

北野映画を映画館で観るのは実は初めてだった。

オレたちひょうきん族」を見て育ったワタシにとってビートたけしは端的に言って「神」に近い存在だったが、映像作家としての北野武は必ずしも相性が良くない。なかなか評判が良い本作についてもどう感じるか正直不安だった。

で、すごく良くできた暴力映画だった。

本作について言われる登場人物全員が悪人という点は、ワタシからするとだから何? という感じで、こんな世界に住んでいてそれは前提条件であって、実は善人とか、実は人を裏切れないとかなら映画が始まる前に始末されてるっての(まぁ、警察まで悪徳というのは問題なんですが…)。

本作の良さは、それを前提とした上で様式美と表現したくなる威圧表現、暴力表現が堪能できること。歯医者の場面などユニークな暴力描写とその後に来るユーモアの組み合わせもあるが、右手をすっと伸ばし拳銃を構える型がきれいに撮られていたな。

そして、本作はタイトルバックが印象的だが、黒塗りの車が実に官能的に撮られている。特に終盤車を使った惨殺場面、そして夜が明けやはり黒塗りの車が死体を確認する朝の場面など車とセッティングが見事な画を形作っていた。

ワタシは過激な暴力描写は苦手で、そうした意味で本作は何度も繰り返し観たいとは思わない。しかし、唐突な展開による衝撃よりも、仁義とか関係なくどうでもいいような面子の問題が収拾のつかない殺し合いになるストーリーをまとめあげる手腕には満足感を覚えた。

役者では結構ヘコヘコしていた國村準がよかった。

[] ブブゼラ嫌いに朗報? あの音をリアルタイムにフィルタするプラグイン  ブブゼラ嫌いに朗報? あの音をリアルタイムにフィルタするプラグインを含むブックマーク

サッカーワールドカップが盛り上がっているが、南アフリカで応援に使われる民族楽器ブブゼラが話題になっている。

ただワタシ的には、基本的に、じゃかわしいわい! うるさいよおめえはよ、という感じであまり好意的になれない。

同じ感想の人は多いと思うが、それに対する対抗策として、リアルタイムにブブゼラの音をフィルタリングするプラグイン VuvuX を知り笑ってしまった。

ネタ元は opensource.com

[] 鳩山由紀夫はどうでもよいとして、改めてデレク・シヴァーズの仕事を取り上げる  鳩山由紀夫はどうでもよいとして、改めてデレク・シヴァーズの仕事を取り上げるを含むブックマーク

鳩山由紀夫前首相の謎の tweet にある「裸踊り」が Derek Sivers の TED 講演「社会運動はどうやって起こすか」を指していたと判明した。で、お前何が言いたいの?

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鳩山はどうでもよいとして、Derek Sivers の仕事はワタシも何度も取り上げてきたので、便乗して宣伝させてもらう。

彼の文章をいくつか訳してもいるので、そちらも読んでいただけると嬉しい。

ちんさや復活を息を殺して待っている ちんさや復活を息を殺して待っているを含むブックマーク

先日、宴席で Wikipedia「ちんさや 〜 電脳系FMラジオ」のページができており、それにワタシの名前が書かれていることを教えてもらい、まったく知らなかったので驚いたものである。

公式の番組終了から一年以上経ち、未だ Wikipedia のページの記述を充実させる労を厭わないファンがいるのはすごいことだ。

浅原プロデューサは水面下で番組復活に向けて行動を起こしているわけだが、こういうのはいくつもハードルがあることは理解できるので、期待をぐっとこらえ、息を殺して待つことにする。

「ちんさや」は本当に自由度の高いラジオ番組で、なぜか一介の林さやかさんのファンに過ぎないトーシロのワタシにちんさんからアポなしでいきなり電話がかかってきて(!)ゲスト出演したり、同じくアポなしでワタシが FM 福岡に押しかけて(!)ゲスト出演したというとんでもない番組だった。

折角なのでもう少し事情を正しく書くと、実は電話出演の前日に浅原さんからゲスト出演の依頼があり、そのときは辞退させてもらった。何故かというと、その日ワタシが交通事故にあっていたからで(!)、だから電話があったときもそれほど驚かなかったのだが、そのときのちんさん、浅原さんとの電話のやりとりで、なぜか「来週スタジオに来い」と言われたと思い込み、翌週 FM 福岡に観覧のつもりで出向いたら番組に出演させられた次第である。

番組終了直前にはちんさん、浅原さんとおっさん三人で寿司屋で飲みながら「林さんには活躍してほしいよねぇ」と語り合ったものである。

それにしても浅原さんすごいなぁ。

人名を冠したソフトウェア開発の19の法則 人名を冠したソフトウェア開発の19の法則を含むブックマーク

昨日なぜか3年前に書いた「人名を冠したソフトウェア開発の19の法則」Twitter で話題となり、はてなブックマークもがーっと増えたりした。

折角なので、おかしくなっていた G-Tools のリンクを修正し、Wikipedia へのリンクも追加させてもらった。

2010-06-14

[] YAMDAS更新(ジェラルド・M・ワインバーグ『パーフェクトソフトウエア』)  YAMDAS更新(ジェラルド・M・ワインバーグ『パーフェクトソフトウエア』)を含むブックマーク

yomoyomoの読書記録ジェラルド・M・ワインバーグ『パーフェクトソフトウエア』を追加。

パーフェクトソフトウエア

パーフェクトソフトウエア

全然関係ないが、「はやぶさは最後の最後まで期待に応えた形になった」というのはすごく日本人好みな表現だと思う。いずれにしても素晴らしいことだ。

[] いま「海賊行為研究」が熱いのか?  いま「海賊行為研究」が熱いのか?を含むブックマーク

ワタシも Wired Vision ブログなどで取り上げてきた『The Pirate's Dilemma: How Youth Culture Is Reinventing Capitalism』の翻訳を八田真行が始めた模様。

正直、今までやってなかったんかいとも思うが、それはともかく以前無法者が所有権法を向上させてきた歴史を解き明かす『Property Outlaws』という本を紹介したが、今こういった海賊行為の研究がホットだったりするのだろうか。

そう思ったのも、少し前に電子フロンティア財団の Fred von Lohmann が Adrian Johns の『Piracy: The Intellectual Property Wars from Gutenberg to Gates』という本を取り上げていたから。

Piracy: The Intellectual Property Wars from Gutenberg to Gates

Piracy: The Intellectual Property Wars from Gutenberg to Gates

これは題名通り、グーテンベルグの頃から現代まで海賊行為の歴史を辿るもので、さすがに昔の話はちと退屈みたいだが、1920年代の英国におけるラジオの勃興の話あたりから俄然面白くなるみたい。

で、調べてみたら、この本の著者の Adrian Johns の今年末に出る予定の新刊は、『パイレーツ・ロック』の影響というわけでもないだろうが、ズバリこの話題を中心に据えたもののようで、これは面白そうだ。

[] デヴィッド・バーンのTED講演「いかに建築が音楽の進化を助けたか」  デヴィッド・バーンのTED講演「いかに建築が音楽の進化を助けたか」を含むブックマーク

新作『Here Lies Love』がなかなかかっこいいデヴィッド・バーンからメールが来たので何かと思ったら、TED で講演を行ったとのこと。

はてなダイアリーには TED の動画ははりつけられないかと思ったが、TED は YouTube にも動画を公開してるのね。

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講演の内容は、初期の活動の場だった CBGB にはじまる建築(ここではただアーキテクチャ、と訳すべきか)と音楽との関わりあいで、そういえば彼は建物を楽器にするサウンドインスタレーションもやってたっけ。

Here Lies Love

Here Lies Love

『その数学が戦略を決める』文庫化記念、イアン・エアーズのレッシグブログへの寄稿発掘 『その数学が戦略を決める』文庫化記念、イアン・エアーズのレッシグブログへの寄稿発掘を含むブックマーク

その数学が戦略を決める (文春文庫)

その数学が戦略を決める (文春文庫)

この手の本が文庫化とは珍しいような。そうでもないのか? 山形浩生氏の高笑いが聞こえてきそうだ。

『訳者解説 新教養主義宣言リターンズ』の『その数学が戦略を決める』訳者解説に、この本の著者イアン・エアーズがローレンス・レッシグのブログのゲストブロガーを務めたことが書かれてあったので調べてみたら、Jennifer Gerarda Brown と共著で Straightforward という本を書いたときの話だった。

プロモーションしている本の内容が同性愛に関するもので、『その数学が戦略を決める』とはかなり異なるが、『三つのA - 認知, 謝罪, 行動』などこれはこれで面白く感じた。

[][] ジョニー・キャッシュの代表的ライブアルバム2枚(いずれも刑務所慰問)  ジョニー・キャッシュの代表的ライブアルバム2枚(いずれも刑務所慰問)を含むブックマーク

At Folsom Prison

At Folsom Prison

Complete Live at San Quentin

Complete Live at San Quentin

ジョニー・キャッシュの代表的ライブアルバム2枚が安くなってたのでAmazon980円劇場としてご紹介。

いずれも1960年代後半に収録されたライブアルバム、しかも2枚とも舞台が刑務所というのがすごい。いずれのアルバムにもカール・パーキンスやジューン・カーターが参加している。

『At Folsom Prison』は1968年のアルバムで、フォルサム刑務所におけるライブを収録したもの。この年キャッシュはジューン・カーターと結婚するが、このライブ当時はまだ結婚前じゃなかったかな……と書いていると、彼の伝記映画を観てないのがバレるね(笑)

『At San Quentin』は1969年、サン・クエンティン州立刑務所でのライブ。

個人的には『At Folsom Prison』のほうが好きなのだけど、刑務所慰問ライブであるこの2枚を聴くと、罪の音楽としてのカントリーを感じさせながら、同時にカントリーという枠を超え、ブルース、ゴスペル、ロック、フォークといった音楽と渾然となった「ジョニー・キャッシュ・ミュージック」というべきレベルに達しているのが分かる。

それにヒッピーやらフラワームーブメントで盛り上がっていた1960年代末に、刑務所を慰問してドスの効いた歌声を披露していたというのがかっこいいじゃないの。彼はホント声がいいのよねぇ。

2010-06-10

[] WIRED VISIONブログ第75回公開  WIRED VISIONブログ第75回公開を含むブックマーク

WIRED VISION ブログに「インターネットは我々に何を与え、奪うのか 〜 クレイ・シャーキーとニコラス・G・カーの新刊」を公開。

ぶち狂った長さだった前回には及ばないものの、通常の二倍近い長さで、これは新刊を二冊紹介したため。毎週書いていた頃なら間違いなく二週に分けている。

今回はかなり粗い文章なのだけど(だって入手していない新刊についての文章なもんで)、書いてるうちにかなり盛り上がってしまい、結果的にかなり長くなった。ただちょっと誤記が多いので、後で修正を編集部にお願いする予定。

この文章を書いているときは知らなかったが、青土社の公式 Twitter アカウントでカー先生の新刊の邦訳情報が告知されていた。

来月出るのか。早いな!

みんな集まれ! ネットワークが世界を動かす

みんな集まれ! ネットワークが世界を動かす

Cognitive Surplus: Creativity and Generosity in a Connected Age

Cognitive Surplus: Creativity and Generosity in a Connected Age

クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換

クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換

The Shallows: What the Internet Is Doing to Our Brains

The Shallows: What the Internet Is Doing to Our Brains

ダニエル・ピンクの新刊『モチベーション3.0』は、邦題はアレだが売れるのではないか ダニエル・ピンクの新刊『モチベーション3.0』は、邦題はアレだが売れるのではないかを含むブックマーク

「インターネットは我々に何を与え、奪うのか」で紹介した Wired の記事でクレイ・シャーキーと対談をしていたダニエル・ピンクだが、その記事でも紹介されている昨年出た『Drive』の邦訳が来月出る。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

ちょっと邦題がアレだが、訳者に大前研一をかつぐなど講談社もかなり売る気になっているとみた。

原書の評判もなかなか良かったし、これは売れるのではないか。本の内容は、ものすごい数のはてなブックマークを集めた「やる気に関する驚きの科学」が参考になる。

そういえばここでもダニエル・ピンクの仕事を以前紹介したことがあったなと検索したら、「マンガで書かれたアメリカ初のビジネス書」だった(笑)。これの邦訳も講談社から出ている。

[] 人気のプログラマー向けテキストエディタがSourceForgeから離れる理由  人気のプログラマー向けテキストエディタがSourceForgeから離れる理由を含むブックマーク

海外でプログラマに人気(Wikipedia によると、今年はじめの時点で累計2,100万本以上ダウンロードされている)のテキストエディタ Notepad++ が、ソフトウェア配布先である SourceForge を捨てるとのこと。

その理由は、今年はじめに SourceForge が合衆国法に従い、キューバ、イラン、北朝鮮、スーダン、そしてシリアという5つの国からのアクセスを拒絶するようになったことで、Notepad++ は(SourceForge にホストされている他の FOSS 同様)アメリカ合衆国の所有物ではなく、特定の国からのアクセスを拒絶するのは差別であり、FOSS の原則に根本から反するものだという抗議の意思表示らしい。

恥ずかしながら、SourceForge がそういうアクセス拒否を行っていること自体知らなかった。

オープンソースの定義には「個人やグループに対する差別の禁止」という項目がある。オープンソースの定義はライセンスに適用されるものだと思うが、件の SourceForge の方針はこれに反するものとも言える。ふーむ……

ネタ元は Hacker News

[] 平川哲生さんの『川の光』がDVD化  平川哲生さんの『川の光』がDVD化を含むブックマーク

川の光 [DVD]

川の光 [DVD]

平川哲生さんの『川の光』については初放送時に感想を書いているが、遂に DVD が今月末出る。

そのときも書いたが、ワタシははじめ平川さんのことを「@ としてすごく面白いことをつぶやいてる方」として認識し、その内容の豊かさにワタシよりも年上かと思っていたら全然年下で、驚いたものである。

とにかくこの方の紡ぐ言葉が面白くて、同居人の言うことまで面白いとなると、悲しい生活を送っているワタシなど自分が情けなくなってくるわけだが、今回平川さんのサイトを改めて辿って読むと、氏がウェブに文章を書き出したのは、ワタシよりも古いんだな! 早い話、この方は天才なのだ。

これからも平川さんが本業であるアニメーション演出家として、またできれば文筆家としてもご活躍されることを願ってやまない。

[2010年6月12日追記]:平川さんご本人の tweet(その1その2) で知ったが、『川の光』はアメリカ国際ビデオ・フィルム祭で Gold Camera 賞、上海テレビ祭で海外アニメ部門の銀賞を受賞した。ダブル受賞すごい! おめでとうございます。

boku_enboku_en 2010/06/15 12:01 「早い話」というのが本当に早すぎて、私の方がついていけてませんがw、ありがとうございます。精進します。

yomoyomoyomoyomo 2010/06/15 23:13 いえいえ、そんなことはないよー。改めてダブル受賞おめでとうございます。

2010-06-07

[] 告白  告白を含むブックマーク

告白 【DVD特別価格版】 [DVD]

告白 【DVD特別価格版】 [DVD]

中島哲也監督の作品を映画館で観るのは『嫌われ松子の一生』『パコと魔法の絵本』に続いてで……というより新作が出たら映画館で観ることに決めている監督さんである。かなり良いという話を聞いていたので、公開初日の朝イチから観てきた。結果……絶句というか、凄かった。

まさかいないとは思うが、『松子』や『パコ』の流れから「泣ける映画」とか勘違いして観に行くと大惨事になるので、是非カップルで観に行って気まずい思いをしてください(笑)

湊かなえの原作は未読なので、それと比較した話は書けない。原作の書評も過去いくつか読んでいたが、中学校の女教師が事故死したとされる愛娘が実は自分の教え子に殺されたと告白する、という基本設定以外忘れていた。本作のような作品は事前知識をいれずに観たほうがよいと思うし、ワタシの場合それがよかったと思う。

本作でも中島哲也らしい人工的な映像美は見事である。ただ色彩豊かだった『松子』や『パコ』と対照的に本作は冷たくどんよりとしたグレーが支配的で、しかし邦画にありがちな貧乏臭さは皆無である。不穏なオープニングから最後まで本作は映像的な毒を強く感じる。

前述の通り、ワタシは原作を読んでないので、女教師の森口が犯人を特定するまでが長いのかなと勝手に思っていたがそれはあっさりと語られ、森口は映画から退出する。その後、教え子の美月による彼女への呼びかけの形でストーリーが語られるので、以後は少年たちが主で森口は物語を俯瞰する絶対者の立場なのかなと思ったら、そうではなく彼女は再び登場し、犯人の少年たちへの復讐を完遂しようとする。

その森口を演じているのが松たか子で、彼女の棒読みに近い淡々とした口調は、第二次性徴期に達し、とても教師一人では威圧できない生徒たちが好き勝手に振る舞う中で培われた感じがよく出ていると思った。オープニングの教室の場面は観ていてめまいがしそうだったが、しかしここは下手すれば陳腐になってしまいそうなハードルの高いところでもあり、それを彼女のこの孤独さを湛えた語りが牽引している。

しかし、彼女や木村佳乃といったワタシより年下の女優さんが母親役を演じるのをみると(しかも木村佳乃は中学生の母親役!)自分も歳をとったなぁと思っちゃう。

本作でも『松子』で多用されていた、同じ映像について複数の登場人物に別の角度から語らせる手法が大きな効果をあげているが、『松子』のときよりそれから受ける印象は遥かにブラックで、結果として登場人物の誰にも心から共感できない傑作ができあがっている。

ただ本作で下村についての描写がコミカルになるところがあり、中島監督らしい演出とも言えるが、本作においては余計だったと思う。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

『ニューヨーカー』が選ぶ今後注目の40歳以下作家20人のリスト 『ニューヨーカー』が選ぶ今後注目の40歳以下作家20人のリストを含むブックマーク

大和田俊之さん(id:adawho)の Tweet で知ったが、New Yorker が注目の「40歳以下作家20人」を選んでいる。40歳以下ということは、ワタシと同世代の人も多いわけだ。

この手の "20 Under 40" リストはこれまでもあったが、アメリカを母国としない人も入れ、また男女の比率が半々なところがポイントらしい。

海外文学好きな方は、この人たちをチェックしておいたらどうかしら。

ご覧の通り、ほぼ全員について Wikipedia のページが作られていたが、日本語版にページのある人は皆無で、これは寂しい話である。

Amazon を調べてみたが、リスト入りした著者の本で邦訳があるのは以下の10冊足らずだった。

ヒストリー・オブ・ラヴ

ヒストリー・オブ・ラヴ

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

さすらう者たち

さすらう者たち

スターウォーズ・キッドは高校の同窓会に行くのだろうか? スターウォーズ・キッドは高校の同窓会に行くのだろうか?を含むブックマーク

これはすごく良い話だと思うし、Ghyslain Raza 氏がスター・ウォーズ・キッドというあだ名と何の関係もないところで確固としたキャリアを歩み、幸福を掴めたら素晴らしいことである。

Ghyslainの苦労がどれほどのものだったか私には想像するしかないが、われわれの多くは小さいときにいじめの被害にあっているからそれがどんなにつらいか知っている。

あのスターウォーズ・キッド、いじめを克服して弁護士をめざす | TechCrunch Japan

本当にそう思うなら、今更件の動画をエンベッドしなけりゃいいのに。

スターウォーズ・キッドが、いじめを立派に克服し、その経験から人生を成功に導く道に立てたことは本当にうれしい。ちなみに、 LinkedInのページが本当なら、私をいじめた奴はオハイオ州のとあるKroger〔スーパーマーケット〕で働いているらしい。

あのスターウォーズ・キッド、いじめを克服して弁護士をめざす | TechCrunch Japan

このくだりを読んでどうしても思い出すのは全米のギークが涙した告白「私が同窓会に参加しない理由」である。果たして Ghyslain Raza 氏は高校の同窓会に出席するだろうか……しないだろうな。

[] やたらとアクションが騒々しいドラマーのライブ動画  やたらとアクションが騒々しいドラマーのライブ動画を含むブックマーク

まぁ、観てもらうのが手っ取り早い。演奏しているのは ZZ Top の "Sharp Dressed Man" のカバー。

D

なんなんだ、こいつは(笑)

なんかのた打ち回りながら叩いているが、リズムキープは一応できている。ドラマー版ジャック・ブラックというか……

ネタ元は Digg

Greatest Hits

Greatest Hits

2010-06-03

[] YAMDAS更新(ソーシャルネットワークユーザのプライバシー権利章典)  YAMDAS更新(ソーシャルネットワークユーザのプライバシー権利章典)を含むブックマーク

Technical Knockoutソーシャルネットワークユーザのプライバシー権利章典を追加。Kurt Opsahl の文章の日本語訳です。

Kurt Opsahl って誰やねんという感じだが、要は電子フロンティア財団(EFF)の人ですね。

この文章も Facebook のプライバシー問題が契機とな間違いないだろう。

大森望さんの1994年の電子書籍論 大森望さんの1994年の電子書籍論を含むブックマーク

大森望さん自身の tweet 経由で、1994年の SF マガジンの連載「SF翻訳講座」における電子出版、電子書籍に関する文章を読んだ。

16年前のハードウェアのスペックの話は隔世の感があるが、それでいて変わってない話もいろいろあってちょっと複雑な気分になる。

 活字の本は、読むための機械も電力も必要ないし、携帯性も抜群。いってみればソフト/ハード一体型の読書専用機で、しかもその形態は数世紀にわたって磨き上げられ、極限までユーザー・フレンドリーなインターフェイスを実現しているわけだから、ソフト的にもハード的にも、とてもいまの電子本じゃ相手にならない。

 にもかかわらず電子本をしつこく支援しつづけるのは、物理的な大きさを持つ「本」が量的にすでにパンク状態に達しているからにほかならない。流通がどうの、絶版がどうのといわなくたって、16本あるうちの本棚に入りきらずにあふれだし、廊下や畳に山積みになる本の量を見れば一目瞭然。空間の量は有限なのに本は無限に増殖する。要らないと思って古本屋にたたき売ったり段ボール単位でだれかにあげたり実家に送りつけたりした本があとで必要になって買い直すなんてのは日常茶飯事、さらには混沌の中からさがす努力を考えると買ったほうがはやいなんて状況もしばしば生じるわけで、こうなるともう開いたページからたちのぼるほのかな香りが……とか悠長なことをいってる場合ではないのである。

オンライン出版関連アーティクル抜粋(SF翻訳講座より)

長々と引用してしまったが、この最後に書かれていることは、当時も今もすごく重要なことである。ワタシにしても電子書籍に期待するポイントはいくつかあるが、これは間違いなく最も大きいし、この視点を忘れてはいけない。

マーガレット・サッチャーモンティ・パイソンの「死んだオウム」ネタを披露する貴重映像 マーガレット・サッチャーがモンティ・パイソンの「死んだオウム」ネタを披露する貴重映像を含むブックマーク

これは笑った。1990年のイギリス保守党大会で、マーガレット・サッチャーモンティ・パイソンの最も有名なスケッチである Dead Parrot の一節を披露している貴重映像である。

D

サッチャーが首相を辞任したのは1990年11月で、この動画の最初に 10/12/90 に録画とあり、これが1990年12月10日だとすると、退陣直後の映像ということになる。……と思ったが、同じ画面に Prime Minister と表記されているから、件の表記は1990年10月12日で、まだ彼女は在任中か。

何で「鉄の女」がパイソンをと思ったが、当時自由民主党(もちろんイギリスのね)が新しいマスコットにオウムを選んだことにかけていて、サッチャーが "This is an ex-parrot" と言っただけで会場大受けである。

その後もサッチャージョン・クリーズ先生の台詞を続け、最後はこれまたパイソンの "And now for something completely different" でしめくくっている(笑)。こういうのにあたるネタって日本だと何になるだろう。

しかし、それから20年経ち、保守党がその自由民主党を連立政権を組むなんて当時は夢にも思わなかっただろうね。

なお、これがオリジナルの「死んだオウム」スケッチ。

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tana-yの再開を密かに喜ぶ tana-yの再開を密かに喜ぶを含むブックマーク

しばらく休止状態だった個人サイトが更新を再開すると嬉しいもので、はてなアンテナから外さなくてよかったと思うわけだ。

最近ではおよそ二年ぶりに更新を再開した tana-y がそうだ。再開して一週間続いているから、これはちゃんとした再開と考えてよいのだろう(そう思いたい)。

画像+三つの段落の文章という鉄壁のフォーマットがまったく揺らがないのに唸ってしまう。大好きだ。

[] 17歳の肖像  17歳の肖像を含むブックマーク

以前から楽しみにしていた映画で、他の映画と間違えそうな邦題はちょっとイヤだが、期待通りの出来で満足だった。

昨年ヒッチコックの『フレンジー』を観たときも思ったのだが、ブリティッシュな顔が並ぶだけでワタシ的には気持ち良くなるみたい。本作では四角四面な主人公の父親役の顔が文字通り四角四面で最高だった。

本作の舞台は1961年のロンドン郊外で、端的に言えばビートルズ以前のイギリスである。

主人公はオックスフォード大学への進学を目指す16歳(作中17歳になる)の利発な女学生で、その彼女が30代の大人の男性と出会うのだが、その出会いの場面からしてすごく素敵で、そのときのワタシ的にうっとりとした感じがずっと続いた。

大人の男性の手引きでジャズクラブ、高級ワインなどそれまで知らなかった世界を体験し、あこがれの地であるパリを訪れる主人公――そうするうちに学校での勉強、大学への進学に疑問を持ち始めるという展開は、物語の題材として他にでもいくらでもあるだろう。

本作を際立たせるところに、当時の風俗描写の丁寧さがある。脚本も巧みで、ニック・ホーンビィというとロックミュージックと分かちがたい人と思っていたが、そういうのにまったく頼らなくてもこれだけの脚本が書けるのかと感嘆した。

本作に描かれる時代背景として、女性が大学に進学しても大した選択肢がなかったというのもある。主人公の校長との会話が象徴的だが、大学に行って教師になったとしてもきつく退屈なだけじゃないかと詰め寄る主人公に対し、「公務員にもなれる」というしょぼい選択肢しか提示できない無様さを今の日本人は笑えるだろうか。また一方で、自分は本作における小論文教師のような毅然とした態度を示せる大人足りえているだろうかとも考えた。

やがて主人公は大人の男性に幻滅し、現実に立ち戻ることになる。その結末にしてもやはり凡庸といってよいのかもしれないが、本作の一貫して節度のある演出は観ていて心地よかったし、本作の場合、主人公を演じるキャリー・マリガンがとても魅力的で、彼女の存在自体が本作をドライブさせていたように思う。

wh_cmwh_cm 2010/06/03 01:14 And now for something completely differentは、「だめだこりゃ、つぎ、いってみよー」でどうでしょうか。

yomoyomoyomoyomo 2010/06/03 01:29 それが合いますね。やはり日本ではドリフでしょうか

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