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レッチリの全盛期のアルバムが800円台で安売り中

Amazon で980円以下で売っている CD を紹介する「Amazon980円劇場」のコーナーだが、円高のおかげで980円どころか800円台でロックやジャズの名盤がどばーっと売られている。

その中で、できれば近めの作品をということで、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアルバムを取り上げることとする。彼らの全盛期、つまりジョン・フルシアンテが在籍時のほぼ全アルバムが該当するのはありがたい。

MOTHER'S MILK-REMASTERED

MOTHER'S MILK-REMASTERED

当時ミクスチャーロックと言われたロックやファンクやラップをごった煮にしたハイパーなサウンドと、ジャケットに端的に表現されているバカっぽさを世に知らしめた躍進作。

このアルバムの音の立ち方を今も愛し、この頃に戻ってくれよと思う昔からのファンは今も多いが、実はワタシはその意見に与しない。

最新作など聴くと、やはりこの当時より音楽的な表現力は遥かに増していて、つまりは彼ら(特にアンソニー)はこの当時より遥かに成長してるんだよね。だから今までトップバンドでいられたわけで。

Blood Sugar Sex Magik

Blood Sugar Sex Magik

言わずとしれた大ブレイク作。ワタシにとっても初めてリアルタイムに買ったアルバムで、やはり一番好きなアルバムである。前作ほど突っ走り過ぎずセールスポテンシャルを上げたのは、本作からずっと彼らのプロデューサを務めるリック・ルービンの手腕か。

Californication

Californication

ジョン・フルシアンテがナーバスブレイクダウンで離脱し、その後名前も思い出したくないギタリストとどこか空虚なアルバムを作ったりして、もうダメかもしれないと思いかけていたときに届いたジョン復帰のニュースと、それに添えられたライブでの彼の凄みを増したルックスを見て、もう彼しかいない、と静かに納得したのをよく覚えている。

それでも "Scar Tissue" を初めて聴いたときの動揺、そして感動は今でも生々しく覚えている。紛れもなく復活作だが、このアルバムの音は99年当時の個人的に辛い思い出と一体化しており、今でも聴いていて複雑な気持ちになる。

By the Way

By the Way

制作当時にチャドがニューアルバムの音を聞かれ、"Very John" と答えた話からも分かるようにジョンの手腕が隅々まで活かされたアルバムで、おそらくビートルズを念頭に置いたポップさは見事で、ワタシ的には『Blood Sugar Sex Magik』と同じくらい楽しく聴けるアルバム。


さて、上にもちょっと触れたが、彼らの新譜についても書いておくと、最初聴いたときはこれはどうにもダメだと正直思った。

ジョンがいないのは仕方ない。ジョンのように弾けとも思わない。しかし、ギターが遠慮し過ぎで聞き手に迫ってくるような音がほとんどないのはダメだろう。

……と最初の評価はかなり低かったが、何十回も聴くうちにかなり良いアルバムに思えてくるから不思議である。考えてみれば、何十回も聴くにたえるアルバムを作れる時点で彼らの底力はすごいのだ。溌剌と弾きまくるフリーのベースも、『母乳』の頃と比べたらやはり格段に表現者としての幅を増したアンソニーの歌もワタシは好きだ。

I'm With You

I'm With You

MTVが伝える音楽史『I Want My MTV』

Hotwire Japan で知った、MTV についての400本を越えるインタビュー集が面白そうだ。

I Want My MTV: The Uncensored Story of the Music Video Revolution

I Want My MTV: The Uncensored Story of the Music Video Revolution

この書名は、MTV 批判を歌いながら MTV アワードを受賞した Dire Straits"Money for Nothing" の歌詞からきている(はずだ)。

Hotwire Japan の記事にあるビリー・スクワイアの話が笑えるが、確かに MTV は功罪ともにあり、例えばジョー・ジャクソンはそれに反発して PV の制作を拒否したが、結局レコードセールスが落ちただけだったと後に嘆き、そのポリシーを撤回する。

やはりここはゴドレイ&クレームの作品といった正の遺産に目を向けたいところだね。

ポール・マッカートニーが料理のレシピ本市場に参入?

「ポール・マッカートニー、料理のレシピ本市場に参入!」という記事を見て、おいおいウソだろうと思いきや、本当だった……

Meat Free Monday Cookbook. Contributions from Paul McCartney ... [Et Al.]

Meat Free Monday Cookbook. Contributions from Paul McCartney ... [Et Al.]

しかし、これは飽くまでサー・ポールと彼の娘のステラとメアリーが文章を寄せているというだけで、ポールの得意料理のレシピの本というわけではなさそうだ(多分)。サポートサイトもできているね。

書名から分かるようにこれは肉を使わない料理の本で、大分前に彼とリンダ・マッカートニーは菜食主義に転向したんだよね(一方でステージ衣装に革製品も使われてるような気がするのだが、そこらへんいいのだろうか……)。

それはともかく、最近のポールというと三度目の結婚がニュースになったが、今回は強欲な女に財産を毟り取られる心配はなさそうで何よりである。

それではサー・ポールも出演する宣伝動画をどうぞ。リンダの名前が冠せられているのね。

チャールズ・ブコウスキーが彼の本を禁書にした図書館に出した手紙

1985年に『ありきたりの狂気の物語』をサディスティックなどの理由で禁書にしたオランダの図書館にチャールズ・ブコウスキーが出した手紙が取り上げられている。

私は作家として、作品の中に私が見るものを言葉で撮影しているだけなのです。もし私が「サディズム」について書くとするなら、それはそれが存在するからであって、私がそれを発明したわけではありませんし、作品の中でいくらか悲惨な行為が起こるのは、そうしたことが我々の人生で起こるからなのです。邪悪なものが多いとしても、私は邪悪に与する者ではありません。

(中略)

検閲は、現実を隠す必要のある人たちの道具なのです。彼らが恐れるのは、現実を直視できないことだけなので、私は彼らに怒りを爆発させることはできません。私はただ恐ろしいほど悲しみを感じるだけです。幼少期のしつけの中で、彼らは我々が存在するという事実そのものから遮断されたのです。彼らは、多くの道が存在するのに、一つの道を見るよう教えられただけなのです。

てっきり四文字言葉で罵倒してるのかと思いきや、なんと丁寧でまっとうな意見なんだ!

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

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