ハクサイ第1号・光合成

昨日の日経新聞に、東芝が人工光合成で世界最高の変換効率を達成する材料を開発したという記事がのりました。太陽光エネルギーを燃料エネルギーに変換する効率が1.5%で、これは植物の藻類の効率に匹敵し、実用化に一歩近づいたというのです。

自称“Scientific farmer”が知る光合成は、太陽光のエネルギーを使って二酸化炭素と水から糖(グルコース)を得る植物の働きのこと。東芝の技術は、半導体に太陽光を当てて水から酸素と水素イオンをつくり、触媒を使い二酸化炭素と水素イオンで一酸化炭素をつくるものです。


これって二酸化炭素を還元するだけだし、地球上の生命体のうち唯一の生産者である植物が行っている「光合成」とは、だいぶ様相が違うように感じます。火鉢の木炭が不完全燃焼すると簡単に危険な一酸化炭素ができるのですが、大量の一酸化炭素を安定的につくるのはなかなか難しいということかも知れません。
二酸化炭素から一酸化炭素をつくる。つまり地球温暖化の原因物質である二酸化炭素が私たちの暮らしに必要なエネルギーにかわるという点は画期的な研究です。来週兵庫県淡路市で開催される人工光合成の国際学会で発表されるようですが、こうした研究が進むことを大いに期待したいと思います。




記事では、パナソニックの技術に触れていますが、こちらは太陽光で二酸化炭素と水から有機物を人工的に生成する「人工光合成システム」です。つまり有機物をつくる点が植物の光合成に近いのです。こうしてみると「人工光合成」といっても結構、幅があることがわかります。植物が行っている光合成を人工的に実現するなんて、とても無理だろうと考えているわが家のケールも、この技術を人工光合成と呼ぶことには賛成してくれるかも知れません。

東京工業大学石谷治先生の「人工光合成」の研究を紹介するサイト?にこんな絵が出ていました。植物の光合成と人工光合成がどう違うのか。わかりやすく紹介しています。日頃馴染みのない、レニウムという金属の周りに炭素や酸素などの原子をもつレニウム錯体というものを使って、二酸化炭素一酸化炭素に変換するのだそうです。植物の葉緑体にあるクロロフィルも錯体の仲間だというのですから驚きです!

ところで昨日は、ハクサイ3個を収穫しました。重さが3キロ、4キロ、3キロ、合計10キロ。外葉をはずして全部で、9キロといったところでしょうか。8月中旬に種まきした小さな種子が芽を出し、地中から吸い上げた水と大気中の二酸化炭素、そして太陽エネルギーの力でここまで育つわけですから、自然のチカラに感動です。人類は、生産者である植物の力で生命をつないでおり、いくら科学が進歩しても、これは変わらないでしょう。
何だかんだと言っても、野菜づくりはお天道様次第。今年は10月の気温低下が早かったせいで生育に影響がでたようですが、キムチづくりにはこれで十分。いよいよ今年第1回目のキムチづくりを行います。去年が12月10日ですから、これまででもっとも早い。

きのうは、上野の第1物産によって、トウガラシ細びきと粗びき、そしてオキアミを買ってきました。

収穫したばかりのハクサイに包丁を入れるとバリバリと割れてしまうので、半日ほど日陰において、しんなりさせてから6つに。けさのハクサイですが、この状態で夕方まで陰干しします。

これができあがり、バリバリのハクサイがしんなりとしています。

4%の塩で塩漬け。スムーズに水があがれば、明日の夜か月曜にはキムチづくりを行います。ここまでは、妻の作業で私は記録係!



鹿児島から6月に運んできたツワブキにようやく花が咲きました。