歯、ふただび

今日はやたらとアクセス数が多いと思ったら、こちらからリンクされていたのですね。恐縮です。

えーと、「宮崎アニメにおける歯」が気になったのは、夏目房之介がむかし何かのエッセイで「登場人物の歯を奥歯まできっちり描くという手法は、鳥山明が『Dr.スランプ』連載中に発明して、それから急速に普及した」と書いていたのがきっかけです(同じことを指摘するコメントが、すでについていますね)。そのつもりでチェックしてみると、たしかに80年代後半以降、「奥歯を描く」漫画が急に増えている気がします(一条ゆかりもやっていたのには驚いた)。

で、「トトロ」以降の宮崎アニメの「歯」もその延長線上にあるんじゃないかな、と思った次第です。漫画にしてもアニメにしても、そんなに網羅的にいろんな作品に接しているわけではないので、あまり具体例を挙げられないのですが。

風俗描写

野良犬(黒澤明、1949年)[amazon]

このころの三船敏郎はガムを「ぺっ」と吐き捨てるように、短く叩きつけるように科白を喋る。おかげで細かいところが聞き取りにくくて困った。大体の設定は事前に知っていたので、ストーリーを追うのに苦労はしなかったのだが、科白が聞き取れないとなると、注意は風俗描写のほうに向かってしまう。あの野球のシーンは、本物の試合をロケしたものなのかな、等々。

早坂文雄の音楽(の使いかた)はなかなかに面白い。このひとの名前は現代音楽関係の文献で目にする機会は多いのだが、実際の作品は黒澤映画のなかでしか聴いたことがない。「現代音楽の作曲家が娯楽映画の劇伴を手がける」という風潮は武満徹の死後、ほとんど息絶えてしまったね。オレの知らないところで重要作が作られているのかもしれないが。

From Nerima to Adachi

深夜特急』、読了。「練馬区から足立区まで、電車を使わずに路線バスを乗り継いで行く」というくだらないことを思いつく。東京23区のなかで、まったく足を踏み入れたことがないのが足立区なもんで。今週末あたり、本当に実行するかも。