迫力の勧進帳

またかの演目が連なりながら今月は一足違う作品が多い。その割には院本物が少ないせいか肩も凝らない。朝イチの加茂堤と賀の祝はどうしても前座だし。

中でも吉右衛門の弁慶は未だに声は枯れているもののすさまじい気迫。四天王に甥の染五郎が出ているが、お父上と比べていかがですかと聞きたくなってしまうような。なのに私は何故か勧進帳の始まりに裏日本の寂しいアスファルトと電柱が頭に浮かんで来たのはどうしてだろうか?

昼のお目当て、二人道成寺も相変わらずというか一層美しい。特に菊之助ってこんなに美貌だった?と呟きたくなる程。夜は四天王ですから驚き。まさか玉三郎七之助と二人道成寺を踊る事はないと思うが、福助と踊ったのはなんだったっけ?

三人吉三玉三郎が若手と。やはりまだまだバランスが悪い。

歌舞伎座に平日というと歌舞伎そばかちょうし屋。私は両方試す。今月は昼休みが遅めなので久しぶりに歌舞伎そばのおじちゃんから声をかけられた。おじちゃんがいない夕方に行っても私が来た事は伝わっているらしい。かつてはクラッシックコンサート前の腹ごしらえにもちょくちょく来ていたから当たり前かな?でも嬉しい。(勿論私の名前は知らない筈だが私の呼び名を今日はちらりと聞いた)

歌舞伎座建て替え中にどうするか聞いたらまだ決まっていないからどうしようもないとか。先日朝日と産経に掲載された歌舞伎座建て直しプランもあの状態なら伸びる可能性あり?石原都知事の銭湯宣言だけど、銭湯そのものが関東大震災後に銭湯を夢のある空間にと、お城っぽくしたのだから当たり前だ。

ちょうしやはコッペパンにありついたはいいが、間を真ん中で切って有るために歌舞伎座の床に二回もパンを落としてしまった。きちんと手づかみしない私のダブルミス。やはり出来立てのちょうしやのかつやコロッケパンは最高に旨い。

私が歌舞伎そばとちょうしやを知ったのは、三階さん、という変わった歌舞伎関連の本のおかげ。あの本の歌舞伎座周辺食べ所ガイドは非常に良かった。