「死ぬときに後悔しない医療」(はてな年間100冊読書クラブ 69/100)

死ぬときに後悔しない医療 (小学館文庫)

死ぬときに後悔しない医療 (小学館文庫)

  • 「万が一のときの対応」を、伝えておくことが必要

テレビ番組「エチカの鏡」で有名になった本
「死ぬときに後悔すること25」の著者が書いた、
本業の緩和医療について書いた本ですね。
「治癒の見込みが無い患者が、最期の時間を過ごす」
ホスピスで働く緩和医療医は、死を見届けることが多くなります。
本書無いでも、様々な患者さんの実例が、取り上げられていますね。
ガンの告知、延命措置‥万が一の時のための対応について
家庭内で話し合われていなかったため、
望まぬ延命処理で苦しみながら死んでいった患者さんの例などが
取り上げられているのを見ると、
家庭内できちんと意見を交換しておく
必要性を感じたりしてしまいますね‥
また、治療の術が無くなって、何十人何百人もの患者さんの
死を見届けてきた、緩和医療医としての著者の
精神力もまた、凄いものがあると思いました。
あまりに沢山死を見届けていると、
医者としての自分の能力の無力さに絶望してしまうとか、
そういった心情に、なりそうですからね‥

  • 緩和医療」は、あくまでも「緩和」に過ぎないのですね…

例えば、体内にチューブを一杯差されて、
痛み苦しみながら死んでいくことを考えると、ぞっとする思いです。
著者が提唱するような「安らかな終末期」を迎えられるように
準備は整えておきたい、という感じですね。
といった感じで、残念ながら緩和医療で寿命が延びるとか
不治の病が完治するとか、そういったことは無く、
「あくまでも患者さんに、安らかな最期を迎えて頂く」という
ことに過ぎないのですね。
本書には、死んでいく患者の事例が沢山収録されているため、
考えたくなくても、自分の死について、色々考えてしまいました。
私も、死ぬときには、悔いを残さないようにしたいと思います。
また、痛みで苦しみながら死ぬというのは、勘弁ですね。
こう考えると、病院で死ぬよりは、
慣れ親しんだ自宅で、ある日ひっそりと静かに逝きたいものですね。
やっぱ、お金よりも健康が大事ですな‥(笑)