日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

糠平をあとにして

夕べの深酒が利いて、起きたのは7時半ごろ。快晴。ほんとうにもう、抜けるような青空で、こういうのを十勝晴れというらしい。『ナイタイ高原牧場』というところに行ってみたい気もするけれど、昨日自転車も堪能したので、ま、いいや。また来たいなあ、と思うようになってきたし。
朝飯を食い、のんびりして、ちょっと朝から温泉へ。元湯館というところへ。ここの温泉街はダム湖ができたことによってともなって沈み、移転して今の場所にあるはずなので、元湯というのがどの時点からの元湯なのかはわからないけれど…


露天風呂に入って、青空を見上げて、目の前の渓流と緑を楽しみ、静かにお湯に浸かっている。月曜日にこんなことをしていていいのかしらん…と思いながら、それにしても、ああ、極楽極楽…。さて、バスに乗って糠平をあとにします


1日に4本しかない路線バスで、本当に北海道らしい、牧場や農場が続く風景の中を、私だけを乗せたバスが進む。途中から高校生が大勢乗ってきたけれど、とにかく、帯広まで1時50分!もかかる道のりをバスで走破。北海道にいると、2時間くらいはなんとも思わなくなってきますね…
帯広に来るのは10年振りかなあ。まえの時は冷たい雨が降っていてあまりよく覚えていなかったのだけれど。ここから釧路行きの普通列車に乗って、池田町に向かいます。列車は1両のディーゼルカーだったのだけれど、高校生で溢れんばかり。池田町から戻るディーゼルカーも満杯だったし、せめてもう1両くらい、増結する余裕はないんかな…

池田町ワイン城

池田駅で下りると、駅前にこんなオブジェがあったりして、ああ、ここはワインの町なのだ、と印象付けてくれる

そして、駅からもよく見えるランドマークに向かう


これが池田の通称ワイン城。なんだかふざけた外観ですが、地下にはワインの貯蔵庫もあるし、ちゃんと働いている建物なのですよ。屋上に上れば、遠くまで一望できる十勝の大地

この建物にはワインショップやレストランがあるんですが、昼飯をレストランですませて、びっくり

すべて北海道の食材を使っているという、この立派な昼ごはんは、なんと680円!北海道恐るべし…。ワインをつけても880円でした。あとから見学ツアーで説明してくれた人によれば、暫く前までレストランを町営でやっていたけれど、民間に委託したらすごく良くなって、さすがですねえ…なんて言ってましたが
その後、ワイン城の見学ツアーに参加。参加者は 5人だけだったので、ブドウ・ブドウ酒研究所の方が、ワイン畑からはじまって、大変丁寧に解説してくれました。


こちらは、寒冷地用に交配して開発された、「清舞」「山幸」という品種。寒さに強いように、元から使われていた品種に、山ブドウを交配。おかげで寒さに強くなったけれど、交配のもとになった品種「清見」は、それほど寒さに強くない品種


だから、冬の寒さをしのぐために、土に埋めなければいけないのだ、とのこと。このあたりのブドウ作りは、同じような気候のドイツに学んでいて、赤字に苦しむ町がワイン作りで再生するまで…という題材で作られたプロジェクトXが、建物のなかでずっと放映されていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88X%E5%85%A8%E6%94%BE%E9%80%81%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88
第178回ですね。
説明してくれた方は、ワイン作りはとにかくブドウです、ということを、口をすっぱくして解説してくれたのだった。その後、ブドウを搾る機械、酵母を混ぜる様子、貯蔵タンクなどを見せてくれた後、貯蔵庫へ

赤ワインは、樽の中で熟成された後、瓶詰めにされて、さらにゆっくりと熟成が進むのですね。池田町のワインは、元々、山ブドウで作るワインから出発していて、酸味のある本格的な赤ワインへの志向が強い。解説してくれたお兄さんの言葉にも、そういう思いがあふれ出んばかりだった。昨今はワインブーム、ポリフェノールブームで赤ワインも楽しまれているけれど、それ以前なんかだと、圧倒的に飲みやすい白ワインが…とくに見学に来る若い女性には…人気だったろうから、忸怩たる思いがあったのかもしれないなあ。
見学ツアーのあとは、『山幸』という品種を使ったワインを試飲させてもらいました。山ブドウが強く出ており、非常に酸味の強い、珍しいワイン。ワインだけで楽しむんじゃないんです、食事と合わせてこその赤ワインです、とここでも強調されました。
実際、池田町の人たちは、食事のときによくワインを飲むらしい。町民用の安価なワインもあって、売店でも売られていた

10リットルで6821円。安い。ここの売店で、山ブドウから作られた赤ワインと、28年モノのブランデーを購入したのでした
ワイン上のすぐ脇には観覧車があったのだけれど、動いていなかった。お客さんが来たときだけ動かすのかなあ…

あと、このワイン城の敷地内には、ドリカムの吉田美和が池田町の出身ということで、舞台衣装を展示したギャラリーがあったりします

帯広に戻って

池田町から帯広に、ふたたび普通列車

さて、帯広といえば…

バターサンドで有名な六花亭であります。駅前の目抜き通りにある六花亭の本店は、バターサンド御殿とでも呼びたくなるよな立派な建物。六花亭は、割合、お文化方面へも出資しているみたいですね…
そんな本店の2階のカフェでするお茶も、店員さんが馬鹿丁寧で、優雅で結構なのですが、1階のお店の脇にはイートインコーナーがあって、無料のコーヒーで、その場で買ったケーキやお菓子が楽しめます

この写真、六花亭の袋に変なタグがついていますが、これは『本店で買った』ということの証明につけてくれます。こういうところ、わかってらっしゃる
それから、帯広豚丼も名物とのことなので、夕飯は豚丼にして

結局、最後は食ってばかりになったたびも、帯広空港までバスで出て、最終便で羽田に戻って終了したのでした。ちなみに、花畑牧場帯広の近所にあるんですが、空港にも生キャラメルは売っていませんでした…