今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

王様のためのホログラム


なんだか、緩〜い映画でした(^_^;)


過去に有名企業の役員として人件費の安い中国への進出を断行した結果、会社の商品技術を中国企業に勝手に使われてしまい、結局、アメリカ本国の会社に多大な打撃をもたらしてしまったことがある主人公。


時折、その時の後悔が胸を締め付ける。


転職先の企業ではサウジアラビア進出のプロジェクトを任され、悪戦苦闘中。時間の流れも文化的側面もアメリカのそれとは全く違うサウジでの日常。


話し合うべき相手となかなか会えず、何事も王様の裁可を仰ぐお国柄のため、その王様の都合を巡って、いい様に振り回されてしまう。


過去に大企業の役員であったかもしれないが、現在は過去の事案を悔やんだり、離婚係争中の妻とのやり取りに辟易したり、板挟みになる娘に対して何も出来ない自分にうんざりしたり、何をやっても上手くいかない。


そんな何事も上手くいかない中年男。直接見ることもできず、手を伸ばしてやっと触ることができる背中に出来た瘤は、彼のどうにもならない現状の象徴のようだ。脂肪腫だと言うが、手術の必要があるらしい。


異国で、異文化に放り込まれ、しかも手術まで…もう踏んだり蹴ったりな彼の日常だが、仕事場まで送ってくれる運転手の青年に、アメリカ人にはジョークで済んでも、サウジでは事情が違うと学んだり、サウジで珍しい女医さんに手術を受け、サウジにも世間の流れに抗って頑張って生きる女性がいることを知ったり、彼なりに目を見開く出来事がいっぱいだ。


ビジネスにおいては、中国企業に敗れて撤退することになったが、彼はサウジに留まり、新しい人生を見つけだそうと新たな一歩を踏み出す。


中年男の再挑戦にきっと、運転手の青年や女医さんも、さらにはビジネス相手だった人たちも手を差し伸べてくれるだろう。


疲れた心を癒し、前向きにさせてくれる映画だけれど、王様もホログラムもほんのワンシーンの登場で、いったい何のオチなのかと。。。


正直、何が言いたいのかよく分からないけど、疲れた時には立ち止まっても良いんだと言ってくれてるような映画。でも、行った先では、その国のルールをわきまえてねっていう注意付き(汗)!!


飛び回ってる王様の意向で、なかなか決まった通りには動かないけど、それもまた1つのあり方で、別な時間の流れの中に浸ることで、心の洗濯が出来ることもあると言ってるようだ。


さて、王様に売り込みをかけてるホログラムを紹介するシーンで、実体ではなく、ホログラムとして登場するのが、ベン・ウィショー。間違いないよね?と何度も見直し、彼に目が釘付け。エンドロールで彼の名前を探そうと気づいた時にはキャストロールは終わってた(;>_<;)


なんで、ホログラム?ホント、なんだかよく分からない映画だ。。。(笑)


でも、サウジで自分なりの人生を見つけて再出発してそうな主人公に乾杯。