講師しました。

2月23日、縁あってニフティさんの「サービスイノベーションフォーラム」という社内勉強会で講師など務めさせてもらいました。場所は大森の本社。40名ほどのみなさんが聴いてくださって。

お申し出を受けた時は一人で二時間と伝えられましたが、“ソーシャル〜”がテーマでニフティ社内でも関心が高まっていると聞いてたこともあり、「Social Media Experience」という素敵なブログメディアを運営されているフカヤアユミさんをお誘いしたら幸いok。ニフティさんもok。とてもありがたく、また自分にとっての楽しみも増しました。

プログラムは、先ずソーシャルなネットのサービスについて自分が話した後、フカヤさんからソーシャルメディアのお話をしていただき、併せて一時間強、残った時間でワークショップという構成を提案し、それもokいただきました。やったことがないことでも何でもやってみるといううれしくもありがたい姿勢です。ワークショップでは五名くらいのグループを組んで、設定したテーマについて議論し、発表してもらうことになりました。

当日

朝、修正やトラブルが重なってしまい、会場ギリギリ着。結局、作ることに終始して他の準備が出来なかったのが祟ってうまく話せず、予定の30分をオーバーしてしまい、超反省。
とりあえずスライドをupしておきます。2010年を簡単に振り返り、注目のサービスを70近く紹介して、2011年の方向を考えるような流れになってます。

元々アニメ・フル活用で50MBあったのを5MBまで圧縮したもので、画像など劣化してますがご勘弁ください(ページは多少削ったり、直したりしています)。

続くフカヤさんの講演は“エンゲージメント”をキーワードに適切なケースを盛り込みながら企業のソーシャルメディア活用をわかりやすく伝えたもので、ニフティのみなさんにもかなりお役に立ったと思われます。具体性のある質疑応答の盛り上がりがその証しですね。あらましが「Social Media Experience」にも掲載されてるのでリンクさせてもらいました。

ワークショップではソーシャルメディアの業務活用をテーマに八つのグループの全てで活発な議論が展開されました。発表の時間では思わず拍手したくなるようなおもしろいアイデアが続出して終了。

経験上、短時間でも意識が高い人たちが集中すればよい議論ができることはわかっていたとはいえ、お世辞ではなく素直にお見事と言えるものでした。最終的に全グループからの発表まで終えられた運営もお見事でした。

その後

ニフティさんは元々人材のポテンシャルは高いのだし、予算や設備なども十分に整っているのだし、もっともっと素晴らしいサービスが生まれておかしくないと思ってます。フカヤさんもお書きですが、翌朝にはfacebookページが出来てましたし、ね。今後の展開に期待してます。

因みにフカヤさんはループス・コミュニケーションズ代表の斎藤徹さんとfacebookの本を共同執筆中で、4月中旬に出版予定とのこと。そちらも大いに楽しみです。


〈110420追記〉
フカヤさん共著の『Facebookブランディング』、4月18日発売になりました。よい意味で予想外に実用向けで、概念や理念中心の他のfacebook本と一線を画した良書と率直に讃えたいと思います。ぜひ多くの人に手に取ってほしいと思います。

二つのイベント

23日と24日、似たような二つのスピーチイベントに参加した。“似たような”というのは、どちらも英語だけで行われたこと。スピーカーも参加者もほとんど9割以上日本人なのに、スピーチも質疑応答も英語だけ。どちらも定員は百名前後で入場無料。

Vabel Conference 2011

23日(日)のイベントは「Vabel Conference 2011」。平日の就業時間後、楽天タワーで。テーマは「テーマレス」。しいて言えば世界の課題の解決。六人のスピーカーが自由に各々の課題意識とその解決方法について話していた。会場との質疑応答も一度以外全て英語だけだった。

主催者はVabelというNPO。世界の教育と貧困の問題を解決しようと活動している団体だ。今のフィールドはインドとか。午後いっぱい、六本木の政策研究大学院大学で。

1000 English Speakers

24日(月)は「1000 English Speakers」。こちらもテーマはないといえばない。副題が「英語プレゼン大会」。英語でプレゼンするのが第一の目的だ。

主催者は湯川鶴章さんらが運営するIT系ブログメディアの「TechWave」。元々「IT業界の英語力の底上げ」をミッションとして掲げていて、千人の英語でプレゼンできる人材を生み出したいという思いから始めたとのこと。だからといって英語力を競う場にするのではなく、世界に打って出たいという熱意がある人たちに集まってほしいと。登壇した10人の英語の出来もプレゼンも様々だったけど、熱い思いが伝わってくるものばかりだった。

一方で

共通点が多かった一方、異なる点も少なくなかった。
「Vabel Conference」のスピーカーはすでに名を成した第一人者ばかり。森美術館の南條館長に始まって、トリは茂木健一郎さん。それに対して「1000 English Speakers」の方は(失礼ながら)知名度があると言えるのは頓智井口尊仁さんくらいだったと思う。ほぼ全員が世に出ることを目指す若い世代。もちろん年齢層は「Vabel」の方が高かった。会場は逆に若くないと目立つくらいだったけど。

テーマレスとはいえ、アートから社会問題まで内容も幅広かった前者とITやビジネスに焦点を当てたような後者。時間配分は「Vabel」が一人20分で「1000」は5分。じっくり聴かせるか、熱さを感じてもらうか。
「Vabel」の六名は英語力を含めて素晴らしく、真摯に誠実に会場の多くの若いみなさんに向き合って思い思いの強いメッセージを伝えてくれていたと思う。「1000」の10名も概ねよかった。チャレンジ精神に満ち溢れていた。

もっとも、「Vabel」では、設定がうまくいかなくてスピーチの順番が入れ替わったり、終了時刻を1時間近くオーバーしたり、運営が多少バタバタした印象も残ってる。その分じっくり聴けたとも言えるけど、次の予定があって途中で退出した人もいたかも知れないし(時間管理は大切)。
「1000」ではプレゼン開始から5分立った時に銅鑼を鳴らすだけでなく、終了1分前にアラーム鳴らしてほしかったかな、細かいけど。運営上の課題は初めての企画に付きもの。反省点は次回に向けてきっと改善されるはず。

そして

これら二つのイベントに続けて参加して感じたのは、先ず主催者のとんでもない熱意。各々の強い思いが起点になって、百人前後が参加する大きな場が成り立ったのだと思う。特にVabel代表のHaegwan Kimさんは少々勢い余ってつんのめってるる感じも含めてよかったなあ。ブログもとても面白くて、感心しきり。

そして、そのような中心の強力な磁場に引き付けられるようにして集まった多くの協力者の存在。VabelのKimさんはまだ20歳そこそこにも係わらず、世界中を回って数々のインタビュを繰り返し、その間に出会った人たちが今回も応援してくれた。会場の手配もスピーカーの一人でもある黒川清・制作研究大学院大学教授によるもの。ボランティアの学生スタッフも懸命に働いていた。
TechWaveも同様。楽天のみなさんも、その思いに共感したからこそ、よろこんで会場を貸し出し、運営に協力したのだと思う。

参加者も大勢集まった。どちらも申し込み多数で募集を途中で打ち切ったほどの関心度。それだけ世界を意識する人達、特に若い人達が増えて来たわけだ。いや、意識するまでもなく、自然にそうなって来たんだなあ。
近頃、国外への留学や駐在の希望者が減っているという調査結果など目にする機会があるけれど、決して今の若い世代を一括りにして“内向き”だのとレッテルを貼ってはいけない。これらのイバントがよい証だ。近頃出会う若い人達からもリアルにそう感じている。

最後に

二つのイベント、共に継続してほしい。その意志はお持ちのようだし、「1000」の方は今回のようなイベントとは別に、毎月一回、渋谷のustreamスタジオで英語プレゼンのブラッシュアップの場を設けてる。ありがたいことだ。

そして同様の素敵なイベントがさらに増えてほしいとも思う。ネットの上ですでに多くのことが実現されているけれど、やはりリアルに出会い、集まることの力は決っして失われはしない。

自分もまた参加するだけでなく、協力する、さらに運営することも目指したい。その意味でも非常に参考になった。大感謝。

〔ご参考〕

千葉フェライン|看板掲出プロジェクト2001

フクアリに来たことがあるならメインスタンド・ホーム寄りのフェンスに貼られた黄に緑の「ALL YOU NEED IS FOOTBALL」の看板を見たことがあるかも知れません。

これは、昨年、犬サポ有志数十名の協賛によって生まれたものでした。「エルゴラ」にも取り上げられたので読んだ人もいるかも。
いちおう、自分も参加しました(シーチケの席の真下にあるのは偶然です)。

そして、今年はWebサイトを用意して、より広く協賛を募ることになりました。

一口5千円は決して小さくない金額ですが、サイト内の文章をお読みの上、よろしければぜひご協力・ご参加ください。

「フェライン(Verein)」とは、ドイツ語で「会、協会、連合、団体」といった意味の言葉で、地域に根差した組織として活動しているものが多くあります。
この「Verein」という言葉を指す意味が、我々が考えている「地域のサポーターにもなる」という考えに最も当てはまる名称であると考えました。
長期的な視点で、またJリーグ全体の視点で考えた時、クラブだけではなく、地域全体が「クラブ」を中心として活性化すべきであると、我々は考えています。そのために出来ることを、多角的に行っていきたいと考えています。


協賛された方には、今年は“犬系絵師”の巨匠二名によるコラボクッズも用意されているそうです。

よろしくお願いします!

「Jリーグ、運営方法の抜本的見直しへ 近く新組織設立」って?

明けましてこんばんは。

新年早々サッカー観戦から始まった2011年でした。:p
改めて今年もヨロシクお願いいたします。

ところでつい先ほど早速気になるニュースが飛び込んで来。
いちおう朝日だし、書いたの忠鉢だし、ガセではないとも思われ。

すでに実行委員会で承認され、2月の総会で正式に決まる。
マーケティング委員会」の名称で4月にも本格的に活動を始める見通しだ。

asahi.com | Jリーグ、運営方法の抜本的見直しへ 近く新組織設立

「検討課題」として以下挙がってる。他にもあるんだろうけど。

  1. 2ステージ制の復活
  2. 参加基準の高い新たなリーグ設置や3部制の導入
  3. 話題性や収益性を重視した新たなカップ戦の創設
  4. リーグ開幕・閉幕の時期

過去話題というか議論になったネタがほぼカバーされてる感じ。波紋デカそうな。
いちおう簡単にコメントしてみると…

  1. → 盛り上げるか?飽きられるか?チーム造りも変わって来る。で、国際基準ってヤツからはどうだろう?
  2. → 例のプレミアリーグやらJ3やら? どういう編成になるか、影響大。J3はアマチュアの扱いや地域区分をどうするか。
  3. → 追加は日程上無理だろうから、ナビスコ杯を止める前提か?
  4. → 盛夏を外し、厳冬期を避けられるならアリか。 「秋冬制」とは言わないで。

さてどんな展開になるだろう?
サポ側の声を吸収・反映する場も設けられるとよいのだが。
合理的・具体的で真っ当に議論が進むことを願ってる。

「Quora」の回答に驚かされた。

Quora」というQ&Aサービスサイトがある。名前が表しているように高品質な回答で評判だ。回答者は全て実名。それも専門家だったり当事者だったり。質疑応答をわかりやすく深めるための仕組みを併せ、従来のものとは段違いな一線を画してる。


ユーザー登録は少し前にしたものの使う機会がなかったけど、Googleでいくら探してもどうしてもわからないことがあったので、最後の望みと試してみた。

それは、ある単語の複数の言語での翻訳を一括して同時に出来ないか?というもの。例えば、"wine"はフランス語で"vin"、イタリア語やスペイン語で"vino"、ドイツ語で"vein"だが、他の言語でどう言うか。「google翻訳」等で一つ一つ調べることは出来るけど、手間や時間を省けないか。きっと、そういうサービスがあるはず!…と思っていたのに見つからない。

そこで「Quora」の質問窓に"Are there any services..."と入力し始めた。単語が加わるに連れて次々と類似の過去問が現れる。気持ちよいほど流れるように。終いに"Are there any services that can translate a word into multiple languages?"と全て入力し終わると、ほぼ同じ意味の質問が最上位に表示された。先ずここまでで素直に凄いと思う。




そしてその質問を開いてみる。回答は三件。




注目すべきは最新の三つ目の回答。アプリを作ったというのだ。文章ではなく、実物での回答。何より驚いた。

Created one for you yesterday. The app is available for use now at http://akshay-mathur.99k.org/

改めてそのアプリ。

シンプルなインターフェイスだが、ほしかった機能は完璧に備えている。いやはや何ともありがたい。早速"wine"で試したら、53ヵ国での表現が瞬時に現れた。




ベトナム語の"vang"がいい感じ。メモに留めておく。

ページの最下段に

Please comment about the translator on my blog

とあったので開いてみた。彼の「blog」を開いたら

5 people were following the question but there was no answer for more than 2 months :(
Hence thought of creating a simple HTML/JS app that can translate text to many languages without taking pains of selecting name of the languages one by one in Google's interface.

と書かれていた。つまり、なかったから作ったと。もう感謝である。

専門家や熟練者、さらに当事者どころか、回答をアプリを作って返せる人までいる。
「Quora」のクォリティの高さを目の当たりにさせられた気分だ。

回答や回答者だけでなく、facebookの元CTOら創業チームが超一流そろいで、企業としての評価も高い「Quora」。そのクォリティを今後も維持できるかどうか、時に利用しつつ、今後の展開も注目し続けたい。

SOURと川村真司さんたちのKickstarter

『日々の音色』のPV

SOURという三人組のバンドがある。今はなきHMV渋谷の試聴機で『WATER FLAVOR EP』というミニアルバムを聴いたのが始めての出会いだった。気に入ったのは『うたかた』という曲だったけど、世に知られているのは『日々の音色』とそのPVだと思う。


人と人との繋がりが生む楽しさを、オリジナリティ溢れる手法で表現した映像は、YouTubeの再生回数でトリプルミリオンを達成。昨年度の文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞をはじめ、数多くの賞を受賞した。日本だけでなく海外でも。

運よく参加できた今年2月のメディア芸術祭受賞記念プレゼンテーション+ライブでは、映像に合わせての生演奏やNYから飛んで来た制作チームを交えた苦労話など楽しむことが出来た。いやあ、面白かった。


ちなみに、そのユニークな手法は、インドネシア、フィリピン、アイスランド(公認)、イスラエル、チリ、ブラジル、そして米国と世界各地に影響を与えるほどだった。中でもPEPSIのケース(↓)は物議を醸したとも。

新曲『映し鏡』のPVとkickstarter

そのSOURが12月8日に3rdアルバム『アンサンブル』を発売する。そして収録曲『映し鏡』のPVを制作しようとしている。しかし、その予算は十分ではないらしい。
そこで彼らがエントリーしたのが「Kickstarter」というNY発のマイクロファンディングサービス。クリエィティブなプロジェクトが個人からも資金を募ることができるサービスだ。


Kickstarterは、投資というか寄付というかその中間、金銭的なリターンはないけれど魅力的な特典を得ることが出来る。今回は$10でPVの先行試写、$50ではさらにmp3での曲の提供やメンバーのサイン入りフライヤー、等々。
まわりの誰もがあなた自身を反映したものと歌う『映し鏡』に併せてどんな映像作品になるか、とても楽しみだ。そういうわけで自分も協力!

「'T' shirts + Calendar "Every day is special"」展

その『日々の音色』のアートディレクターであり、今度の『映し鏡』のプロジェクトでも中心を担っている川村真司さんが、今、東京・青山のUTRECHT/NOW IDeA/aMouleで個展を開いている。
「T」の文字を模したまさにTシャツと毎日が世界のどこかの国の祝日という「Every Day is Special」を11月7日まで展示中。シックで雰囲気のあるTシャツたちでした。カレンダーも素敵! 散歩のついでに覗いてみてはいかがでしょうか?


P.S.
そういえばマンディ満ちるさんが「ArtistShare」というサービスを使って同じじゃないけど似たことをしていたのに参加したことがあったのを思い出した。2005年の『Routes』と2008年の『Nezus』。あれも満足度高かったなあ。

GrouponがeBayになれるかも知れない理由

GrouponはeBayにはなれない?

一週間ほど前、TechCrunchで「GrouponがeBayになれない理由」という記事を読んだ。理由のどれもが肯けるものだったが、その一つとしてリアルの営業要員が必要なことがビジネス拡大のボトルネックになることを挙げていた。

しかし、Grouponにはいくつか問題がある。第一に、スケーリング ― 扱う市場ごとに多くの営業員が必要になり、すでに2000人以上が雇われていると思われる。しかし、本当の問題は、ビジネスを守るためのネットワーク効果を完全に欠いていることにある。

GrouponがeBayになれない理由|TechCrunch


ぐるなび」にしてもそうだけど、新店舗の開拓であれ、従来顧客との関係維持であれ、そこには営業が必要になる。ビジネスを世界に展開するならば各国各地に人員が必要になる。Grouponが日本でのパートナーというか買収先としてQpodを選んだ理由の一つにのもリアルのビジネスに強いことを挙げていたと思う。"Online-to-Offline"のビジネスにはオフラインの力が重要なのだ。

Groupon 2.0

しかし、Grouponはその解を見つけたようだ。“ネットワーク効果”を自らのものにするための。

Groupon is quietly testing a self-serve deal platform for merchants to manage real time offers for consumers named Groupon Stores. According to Groupon, this is the future of the company:

Groupon Reveals Its Future Lies In Self-Serve | BUSINESS INSIDER


このBUSINESS INSIDERの記事によると、24日、Grouponは「Groupon Stores」というサービスを準備中とのこと。それは店側がGroupon同様のサービスを自ら提供できるようになるプラットフォームであり、Grrouponが自社の営業要員を増やすことなくビジネスを自動的に増殖・拡大できるようにする仕組みである。

同誌は、Grouponの利用を希望するクライアント(店)の待ち行列の解消、?クーポン数の増加による各ユーザーへのサービスの最適化、?店側から顧客への働き掛けによる新規ユーザーの増加、?店側のGrouponへの一点集中による競合の振り落としという四つの利点も挙げている。リスクも四点指摘しているけれど。

他の報道では"Groupon 2.0"なんて言葉も使っていた。
Grouponはさらに進化し、eBayのような存在感を示すようになるのだろうか。

そしてGrouponフォロワーたちはどう対抗するのだろうか……日本でも。