電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

「クローズド・ノート」

行定勲監督、雫井脩介原作(未読)。教師を目指し大学に通う香恵(沢尻エリカ)は、引越しの先で前の住人である小学校の伊吹先生(竹内結子)のノートを発見する。そして香恵はバイト先に万年筆を買いに来たイラストレータの石飛(伊勢谷友介)と出会う…。予告編からはヌルイ恋愛ものかと思いきや、意外と物語も構成も凝っている。ラストも予想出来るし、展開もストレート過ぎるが感動的には仕上っている。予告編でもバレバレだけど、叙述的なトリックも映像で上手く表現出来ている。前半に出て来た友達やその恋人などの人間関係、万年筆などのモチーフが後半に余り活かされていないのは残念。沢尻エリカはややぎこちなく、竹内結子は過剰演技だがまあ許せる範囲。伊勢谷友介は画家の変人っぽさが素で上手く出ている印象。さすがに芸大院卒(ハチクロでも森田役)。
http://closed-note.com/index.html

「めがね」

荻上直子監督脚本。春、南の浜辺の町にタエコ(小林聡美)は大きなトランクを持ってやってきた。小さな宿ハマダの主人ユージ(光石研)、そしてサクラ(もたいまさこ)、高校教師ハルナ(市川実日子)と出会う人は奇妙な人ばかりだった…。「かもめ食堂」(id:zom-1:20060320#p1)の方が個人的にはより好きだが、映画としての完成度は高い。萩原直子監督(学科の後輩、面識ナシ)は早くも小津安二郎の様なスタイルを完成させているような気がする。小津と一緒でそれが万人に受けるかどうかは分からないが。監督としての広い可能性も観たいが、唯一無二のこの芸風は守って欲しい気もする。女優陣の抜群の存在感に比べると男優陣の光石研加瀬亮はやや薄いか。脇役としては犬のコージ(ケン)が微妙に画面の隅っこでいい味を出しているので注目。相変わらず食事シーンは多くて、美味しそう。(memo:梅はその日の難逃れ)
http://www.megane-movie.com/