“ナイト・ストーカー”の異名で知られるアメリカのシリアルキラー、リチャード・ラミレス(1960~2013)について記す。 ■生い立ち 1960年2月、リチャードはテキサス州エルパソのメキシコ移民の家で7人きょうだいの末っ子(五男)として生まれる。鉄道会社に勤める父親は敬虔なカトリック教徒で勤勉に働いたが、家庭内では妻子に暴力を振るった。 リチャードは2歳の頃、タンスによじ登ろうとして転落し、前頭葉損傷の大怪我を負った。さらに5歳の頃にはブランコが頭に直撃したことをきっかけにてんかんの発作を起こすようになった。虐待被害やこうした頭部への衝撃・損傷は、多くのシリアルキラーに見られる共通の兆候だと解…