『さようなら、ギャングたち』、『虹の彼方へ』に続く、高橋源一郎の3作目の長篇小説。1985年、角川書店より初版発行。現在は講談社文芸文庫で入手可能。なおこの作品の原型となる「すばらしい日本の戦争」は1981年に群像新人賞の最終選考に残ったが、瀬戸内晴美以外の選考委員からは不評であり、賞を逸した。
参考文献:講談社文芸文庫版『さようなら、ギャングたち』所収の年譜(栗坪良樹・編)などから。
ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)
独断と偏見による傑作文學百冊。 PC内で随時更新している個人的傑作文學の一覧表を引用しました。順位表ではなく傑作群を題名の五十音順で記述したものです。題名と著者名を引用するだけではおもしろくなく失礼ですので、一作ごとに簡単なコメントをつけます。小説、戯曲、詩歌、評論、箴言集あたりを中心に百作までしぼりました。基本的に一作家一作としましたが、誤謬があったらすみません。哲学書は哲学史的にみれば、プラトンからデリダまですべて挙げなくては意味がないので、対象外としておきます。場合によっては、随時更新、追加してゆく可能性もあります。 ――2020年1月2日題名に括弧をつけて讀みやすくしたうえ、発表後に讀…
五時四十分起床。高校の校舎が迷宮になっている。そんな夢を見た。廊下のあちこちが五叉路になっていた。 仕事。某案件のWebコンテンツ。クイズの問題と答え、そしてその解説や補足をセットでつくるのだが、一問つくるのに半日くらいかかってしまう。おもしろいのだが、資料を見ている時間のほうが圧倒的に長くなる。 夕方、ウォーキングへ。キンモクセイは花の大半が散り、残り香が微かに漂うくらいになった。 高橋源一郎「オオカミの(1)」(「群像」2023年11月号掲載)。以前「群像」に掲載された同タイトルの読み切りと、最後につながった。あの読み切りが事実上の第一話なんだろうな。 群像 2023年 11 月号 [雑誌…
寄稿いたしました。 図書館と本についてです。 blog.tinect.jp なぜおれは図書館で本を借りることを恥ずかしく感じるか。そんな話。 いや、できることなら、おれは読む本すべて所有したい。おれの本にしたい。でも、そんな金がない。しょうもない人生。 で、いきなり、自分が所有している本で無人島に持っていきたい本ベスト5(2023年版)。 『高丘親王航海記』澁澤龍彦 『さようなら、ギャングたち』高橋源一郎 『夜の果てへの旅』セリーヌ 『カイエ』シオラン 『死をポケットに入れて』チャールズ・ブコウスキー いま、ぱっと思いついたもの。仏教本一冊くらい入れたかったとか(鈴木大拙となると『日本的霊性』…
★★★★☆ 内容 小説の読み方を紹介し、その後、様々なタイプの小説に対して具体的に実践しながら論じていく。 感想 著者による小説の読み方が紹介されていく。序盤に挙げられていた小説を読むときの4つの視点「①メカニズム ②発達 ③機能 ④進化」は有用そうだった。小説を読み終わった後、いざ感想を書こうとしてビックリするくらい何も感想が思い浮かばない時がたまにある。そんな場合の、何かをひねり出すトリガーになってくれそうだ。これは元々高名な動物行動学者が研究時のアプローチ法として唱えたものだそうで、小説に限らず、日常生活の諸問題などあらゆる場面で応用できそうだ。 面白い小説はどんな仕組みになっているのか…
芥川賞といえば純文学の登竜門的な賞だ。 純文学で優れた新人に与えられる賞で、安部公房や大江健三郎、中村文則、平野啓一郎、川上未映子、綿矢りさ、阿部和重など数多くの有名作家が受賞してきた。 実力のある作家に賞を与えて世に送り出してきた芥川賞だが、一部の作家は正当に評価できていなかったという声もある。実力はあるが、意外にも芥川賞を受賞していない作家もいるのだ。 かつて選考委員だった池澤夏樹は、「かつて芥川賞は村上春樹、吉本ばなな、高橋源一郎、島田雅彦に賞を出せなかった。」というコメントを残している。 そんな実力があるが芥川賞を受賞してない有名作家を紹介したい。 芥川賞とはどんな文学賞? 芥川賞を受…