オーブンなどで焼くことで硬化する樹脂粘土の一種。アメリカ・ポリフォーム社の製品名(日本国内流通はダイセルファインケム社)。
ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とし、可塑剤としてフタル酸エステルを含む。
造形可能な柔らかさのまま長期保存が可能なため、納得のいくまで造形加工をしたのち、収縮などの変形をさせることなく焼成して固めることができ、またヘラなどに対する追従性が非常によいため繊細な造形が施しやすく、その特性をつかんでもっぱら愛用する造形家も多い。
どちらかといえば塑造向きの特性であり、硬化後の切削加工はあまり向かないとされているが、数種類の特性が微妙に異なる製品ラインナップが用意されており、使い分けや混合によってその特性もある程度改善することができる。
ラインナップは、もっとも柔軟で塑造向きの特性を持つ「スーパースカルピー」、やや硬質で硬化後の切削性もよい「プリモスカルピー」、プリモ寄りの特性を持ちつつ豊富なカラーバリエーションを誇る「スカルピーIII」、硬化後に消しゴムのような物性になる「ラバースカルピー」、乳液状でスカルピー同士の接着剤のような役割も果たす「リキッドスカルピー」がある。また、日本国内流通のみの「グレースカルピー」など流通を限定した製品も存在する。