フランスの詩人・小説家・劇作家。文芸批評、絵画評論、旅行記も残した。日本では「ゴーチエ」とも表記される。また、よりフランス語の発音に近い表記は「ゴティエ」である。
ロマン派の文人として活躍、のち「芸術のための芸術」を唱え、高踏派の先駆者となった。詩集「七宝螺鈿集(しっぽうらでんしゅう)」、小説「モーパン嬢」など。
画家や音楽家ほどめぐまれない、われわれ文筆の徒は、対象をひとつひとつ書いてゆくより仕方がないのだ。 テオフィル・ゴーチエの中短篇。我々には想像のつかない、古代エジプト、プトレマイオス朝の幻想的奢侈を、見えるものとして描き出す。女性崇拝の書。かような恋のできる男は幸いである。 ランキング参加中読書
近代美学入門 (ちくま新書) 作者:井奥陽子 筑摩書房 Amazon 近代美学は、17〜19世紀のヨーロッパで成立しました。美学と言っても、難しく考えることはありません。「風に舞う桜の花びらに思わず足を止め、この感情はなんだろうと考えたなら、そのときはもう美学を始めている」ことになるからです。本書は、芸術、芸術家、美、崇高、ピクチャレスクといった概念の変遷をたどり、その成立過程を明らかにしていきます。 第1章 芸術―技術から芸術へ 「建築は芸術か」 アート=技術(古代〜中世) アートは技術(学芸)の意味だった アート=芸術(近代以降)何が芸術で、何が芸術でないのか?第2章 芸術家―職人から独創…
自分はボードレールを、象徴派などの側面において扱うことが主なので、知識にいささか片寄りがあるように思われた。なので、ボードレールに関する研究書をいくつか繙いてみて、把握しておきたいと思ったことを書きとめておく。 ボードレールは、1863年「フィガロ」紙に発表した『現代生活の画家』と題した評論において、「モデルニテ」なる概念を提唱した。当時フランスにおけるロマン派の古典主義に対する反発として、「現代の美」なるものを訴えたのである。古代芸術を模倣するのではなく、現代生活に特有の美を発見しそれを芸術へと昇華せしめるべきという主張だ。ボードレールの言う「モデルニテ」というのは、特定の時代区分を示すので…
『悪の華』の冒頭には、テオフィル・ゴーティエへの献辞が記(しる)されています。 ですがこの詩集は、『悪の華』を訳したものとは到底言えません。 オリジナルの内容・文章・文脈・単語など大胆に変更しています。また、 ボードレールの真骨頂との言える韻への配慮も行っていません。 詩の真意から外れないことには、出来る限り気を使いました。 そしてとにかく、分かりやすく面白いものにしようと仕上げました。 そう言う意味では、『悪の華』へのオマージュであると思っています。 以上のような次第で、テオフィル・ゴーティエへの献辞は省略することにしました。 ご感想などあれば、 MAIL までに下さい。 ちなみにテオフィル…
旅のボヘミアン(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 熾烈に瞳を燃え立たせた予言者たちの部族は、 昨日旅路についた。一行の女たちはてんでに 小さな子をおぶったり、その見上げた食欲に、 垂らした乳に常備した宝を委ねたりしていた。 彼女らが身を寄せあって乗る荷馬車のそばで、 担いだ武器を光らせて、徒歩で行く男たちは、 不在のキマイラたちへの陰鬱な愛惜のせいで、 動きの鈍くなった眼に、空を散歩させていた。 砂に覆われた小部屋の奥に潜む、コオロギが、 彼らが通るのを見るなり、歌声を倍にすれば、 彼らを愛するキュベレーは、緑を広がらせて、 岩場に川を流れさせて、砂漠に花を咲かせて、 この旅…
東京の図書館から、今回から4回に渡りまして、府中市立図書館のライブラリである、フォーレの歌曲全集を取り上げます。 フォーレはあまり歌曲という印象がないかもしれませんが、魅力的な歌曲をたくさん生み出しています。とはいえ、私自身も「フォーレの歌曲?」という意識があったのも事実です。では、聴いてみよう!ということで借りてきたのがこの全集です。これもきっかけは瀬川玄氏と加耒徹氏のコンサートを聴いたのがきっかけです。以前取り上げたドビュッシーの歌曲のコンサートがそれで、ドビュッシーの歌曲をもっと網羅的に聴きたいと思い図書館へ行った時に、フォーレのも見つけたのでした。 歌詞を書いた詩人の名を、文末に挙げて…
毎週日曜日は、この一週間(9/11~9/17)に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 9/24・10/1 号 2 冊アメリカン・マスターピース 準古典篇 (柴田元幸翻訳叢書) 柴田元幸 スイッチ・パッブリッシング 2,640女性画家たちと戦争 吉良智子 平凡社 3,300 ◆女性自身「今週の本」: 9/26・10/3 号 4 冊ドゥルガーの島 篠田節子 新潮社 2,4…
8/29 (火)18:30 - 20:00 文学の魔術師ゴーティエによる「妖しい恋」のテクニックについて 『死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集』の訳者・永田千奈さんを迎えて(聞き手・創刊編集長 駒井稔) 紀伊國屋書店Kinoppy&光文社古典新訳文庫読書会#93 http://ptix.at/hN08bK 死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集 (光文社古典新訳文庫 K-Aコ 13-1) 作者:テオフィル・ゴーティエ 光文社 Amazon 編集者の読書論~面白い本の見つけ方、教えます~ (光文社新書) 作者:駒井 稔 光文社 Amazon
【本格ファンタジー100選】 自分の頭の中で思い付いた「本格ファンタジー」を100作、何等の整理もせずに掲げています。ただ、「本格ファンタジー」に関する議論はあるものの、自分が考える「本格ファンタジー」の事例を羅列する人は少ないようなので、とりあえず、サンプルとしてやってみたいと思います。 1:泉鏡花『天守物語』 2:倉橋由美子「アポロンの首」 3:山尾悠子『ラピスラズリ』 4:井上雅彦「デザート公」 5:恒川光太郎「夜市」 6:小林泰三『アリス殺し』 7:ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』 8:レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』 9:ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』 10:イタロ・…