実家には老いた母が一人で住んでいる。介護保険の点数を使い切るように様々なサービスを入れている。ヘルパー、デイサービス、介護器具・・。ありがたい世の中で一週間絶えることなく人が出入りしてくれる。そのサービスまで持ってくるのは大変だった。いつも初めに拒否がある。宅配弁当も嫌がった。しかし「お父さんが建てた家で過ごしたい」というのだから仕方なかった。母あての郵便物は全て自分の家に来るように手を打った。 実家のポストを開けて気づいた。なぜか郵便物があり「親展」とあった。それは父宛だった。彼が勤務していた電機メーカーからはしばしOB会の連絡が着ていたので逝去の旨は伝えていたのだが、誰だろう。 封筒の出し…