《リード》人類滅亡は流行病によるのではないかと長らく思ってきたが、新型コロナを経て、その対処段階での誤情報の拡散がトリガーとなりそう、と気づいた。 中村桂子さん(朝日新聞1/30夕刊 撮影:関口達郎) 《本文》 生命誌を研究している中村桂子氏が「チャットGPTなんて使っちゃいけない。だって考えるのが人間でしょう?」と語っていた。*1 「生命誌研究」は、恩師・江上不二男氏の言葉(1970年)が出発点だったという。 ——細分化する生物学と違い、あらゆる学問を総合し、人間も対象という。海をただ大量の水とみなして水銀を流したから公害を招いたが、多くのいのちの場とみる生命科学なら違っただろう。*2 その…