今からこっちに兄が向かうと聞いて正幸はラインで晃博に今いる所を伝え、森山駅の近くの小さな自販機の場所で待機していた。パンクした自転車はそのまま駅のそばに取りあえず止め、汗だくで、炎天下の人通りの少ない砂利道で行き交う電車を眺めているが中々晃博の姿は現れず、のどがカラカラになってくる。駅の自販機よりドラッグストアの方が多少安い事を知っていた正幸は意地をはって目前の自販機に乗り出せずに暑さと戦っていた。ジジジジと熱風の中でがむしゃらで鳴き叫ぶセミたちのがっしょうに、意識が何度も吸い込まれそうになる!*1それから40分が経過した頃、流石にしんどくなりギブアップで自販機に歩みはじめた時、遠くから「正幸…