パリ郊外、ヴァンセンヌの森に本拠地を置く、フランスの劇団。1964年の創立以降、主宰者のアリアーヌ・ムヌーシュキンによって、「演劇にしかできないこと」を追求したステージを創造してきた。太陽劇団の信条は、“祝祭”。つまり、「精神の高揚と浄化、神聖な喧騒感そして興奮」。
アジア各国の伝統芸能/演劇からビジュアル上の、そして1998年に中国で起こった大洪水から内容上のインスピレーションを得た、『堤防の上の鼓手』で初来日。
太陽劇団『金夢島』 あらすじ(公式より) 時は現代。病床に伏す年配の女性コーネリアは、夢の中で日本と思しき架空の島「金夢島(かねむじま)」にいる。そこでは国際演劇祭で町おこしを目指す市長派とカジノリゾート開発を目論む勢力が対立していた。夢うつつにあるコーネリアの幻想の島では、騒々しいマスコミや腹黒い弁護士、国籍も民族も様々な演劇グループらが入り乱れて、事態はあらぬ方向へと転がっていくのであった……。 太陽劇団 (テアトル・デュ・ソレイユ Théâtre du Soleil)について 創立者で演出家のアリアーヌ・ムヌーシュキン(Ariane Mnouchkine)が主宰する太陽劇団。1964年に…
東京芸術祭2023のプログラムの一つ、Théâtre du Soleil(太陽劇団)22年ぶりの来日公演。2021年に日本で初演の予定だったが、新型コロナウイルスにより延期。今回が満を持しての日本公演となる。創設者のアリアーヌ・ムヌーシュキンも来日。 tokyo-festival.jp 舞台はコーネリアの夢の中、日本のような「金夢島」。そこでは市長主導のもと、国際演劇祭の準備が行われている。様々な国からやってくる演劇人たちに、市長の座をめぐる政治対立、更にはカジノ誘致。それらが入り乱れて話が進んでゆく。 次々と入れ込まれる、パンデミック、習近平、香港、ハマス、ブラジルマフィアなどなどの世界情勢…
2023年舞台ベスト10 。シェイクスピアを中心に見つつも、新たな発見、素晴らしい俳優さんや演出に出会う2023年でした。 今年は劇場で見たのが24本、配信・映像が14本。計38本。うち15本がシェイクスピア作品(翻案含む)。 1.兎、波を走る(NODA・MAP/東京芸術劇場プレイハウス) 野田地図は毎回がーん!ってなるんですが、今回は特に楔を打ち込まれたような。そして野田さん自身の楔も初めて見たんじゃないかなと思う。傷だらけになりながら、血を流しながら見る感じ。芝居が終わると磔になるかのような。それらをエモいなどという軽い言葉で表してはいけない。 劇場というラビット・ホール〜『兎、波を走る』…
太陽劇団の『金夢島(かねむじま)』を観た(10月24日 火曜 18:00/芸劇プレイハウス)。 太陽劇団を見るのは2001年の『堤防の上の鼓手』(新国立中劇場)以来だから、実に22年振り。『鼓手』は俳優が(文楽)人形振りを見事に演じきる驚嘆すべき舞台だった。ただ演者らが東洋人に似せて顔を細目(吊り目)に作っていたのは少し違和感もあった。が、今回はまったく異なる印象。以下、簡単にメモする。 東京芸術祭 2023 芸劇オータムセレクション 太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)『金夢島 L’ÎLE D’OR Kanemu-Jima』フランス語上演(多言語の使用場面あり)・日本語字幕付き 演出:アリア…
来年の2月まで実家にいる予定(休学中)なのでしばらく観劇しません。ちょっと演劇のことで最近頭でっかちにぐるぐるしすぎちゃうので、いい機会だと思って生の観劇から少し離れてみようかと思います。9月から10月の2カ月間映画を観てなくて、この間久しぶりに映画を観たら面白かったので、なんかそういう効果を期待してます。 てなわけで9本(実質10本?)感想書いていきます。うちミュージカル2本、ダンスは1本だけです。 2023年9月 ①『スクールオブロック』 ②『橋からの眺め』 ③『アナトミー・オブ・ア・スーサイド -死と生をめぐる重奏曲-』 ④木ノ下歌舞伎『勧進帳』 ⑤『ラグタイム』 2023年10月 ①『…
会場:東京芸術劇場 プレイハウス作・出演:太陽劇団上演時間:3時間15分(途中休憩15分含む) フランスに劇場を持つ、太陽劇団の来日公演である。 芸劇の先行抽選ならいい席が取れるだろうと思い、申し込んだら2列目の端。端かよーなんて思っていたけど見切れもほとんどなく良い席でした、ありがとうございます。上手デハケの様子は分からなかったが、前触れもなく大きなものが飛び出してくる(大きな出ハケ口は上手にあり、大道具はそこを通る)様は、まさに夢を見ているようだった。 フランスで病に伏せるコーネリアの見た/観た、日本の、演劇祭の夢。 幕がサッと取り払われるとそこは大きな倉庫。舞台奥、倉庫の外側には幕が張ら…
こっちの方が書きたかったの。ものすごかった。圧倒された。期待を上回る。3時間の長丁場をまったく長いと感じさせずすこしも飽きるところがなかった。 '60年代後半からの前衛芝居で世界の旗手を務めながらその強度を今のいままで保ちつつ世界のトップを走り続けるんだからそれだけでもすごい。わたしがまだガキンチョで本邦を出ることなく天井桟敷だ赤テントだ黒テントだと夢中になってた頃からの憧れだったもんな。アリアーヌ・ムヌーシュキンという不思議な名前とともに・・「太陽劇団」というそのものズバリの訳語を定着させてくれた先人に感謝する。テアトル・デュ・ソレイユとか呼ぶよりずっといい。 で、今回の『金夢島 L’ÎLE…
9/22 金 中国語の飛び交うアジア料理店で、フランスで生まれたベトナム料理こと Bobun をひとり黙々と食べる。それまで中国語でお喋りに耽っていた客が「ヨボセヨ」と着信に応えるのを聞いて、わたしは思わずどんぶりから顔を上げた。流ちょうな韓国語を喋っていて驚く。といっても驚くほうがおかしな話で、中国語と韓国語のバイリンガルなんてそこら中に存在して然るべきなのだが、わたしはこれまで現代の中韓関係に思いを至らせたことがほとんどなかったと気づいた。日本にとって韓国や中国はとても身近な国で、われわれ日本人は東アジアの三国での位置づけを強烈に意識しているにもかかわらず、中国と韓国の直接的なつながりに関…
10/25(水)東京芸術劇場プレイハウスにて、フランスの太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)の来日公演『金夢島(Kanemu-Jima)』を観劇。2度目の来日公演で、1度目は2001年9月、新国立劇場・中劇場で『堤防の上の鼓手』を観ている。 simmel20.hatenablog.com 今回の『金夢島』も、劇団主宰者であるアリアーヌ・ムヌーシュキンが演出している。 この演劇の内容は、フランスの病院で病床に伏す年配の女性コーネリアが夢の中で見た幻の出来事、という大枠の中、日本の架空の島金夢島を舞台とし、そこで世界演劇祭が催され各国から劇団が集まって来て公演、同時にリアルには島の次の市長を決める…
[演劇] ムヌーシュキン 太陽劇団『金夢島』 東京芸術劇場 10月24日 ムヌーシュキンは、映画『モリエール』、『堤防の上の鼓手』2001新国の二つしか見たことないが、今回、83歳になる彼女の最新作を観られた。宮崎駿『君たちはどう生きるか』が、この世の終りを少年と少女の愛によって救済しようとしているのと同様に、この世の終りを演劇を通じて救済しているように感じられた。とはいえ、この世の終りを演劇「によって」救済するといった大それたものではなく、演劇を救済することが同時にこの世の終りを救うという並行関係なのだろう。物語は、フランスの女性演出家が、日本の佐渡島で行われる演劇祭を構想し、それが疫病や政…
「昨日は稽古後、劇団員みんなで太陽劇団へ。〜」と前川さんのポスト(←慣れない。笑)にカチューシャの浜ちゃん。何でも似合うねー。 昨日は稽古後、劇団員みんなで太陽劇団へ。パリ公演の時、本拠地の劇場や工房、食堂などたっぷり見学させてもらったので、日本公演を楽しみにしてた(その時本隊はツアー中だった)。案内してくれたスタッフさんとも再会し、演出のアリアーヌさんにお礼も出来た。これにてパリ公演終了だなと、皆で乾杯。 pic.twitter.com/Z08w0xDoGe — 前川知大 Tomohiro MAEKAWA (@TomoMaekawa) 2023年10月21日 亮ちゃん演出の『夜明け前』に出演…
10月はバレエ4,オペラ2,演劇1,ダンス1,コンサート1,映画1。さすがに〝芸術の秋〟は先月より少し増えた。 『ドン・キ』は大好きな作品。新国立バレエは同演目を別キャストも見るから多くなる。/新国立オペラのシーズン開幕はダブルビル。プッチーニ《修道女アンジェリカ》は間奏曲しか、ラベル《子どもと魔法》はまったく聴いたことがない。あまりよい印象のない指揮者だけど…。/鈴木優人指揮のBCJ がヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》を上演する(オペラシティでもやるが都合で神奈川音楽堂の方)。タイトルロールにカウンターテナーのティム・ミードが配された。楽しみ。昨年 新国立でチェーザレを歌ったキーラントはここ…
10月20日から26日まで(23日は休演)東京芸術劇場にて、アリアンヌ・ムニューシュキン率いる太陽劇団による「金夢島」の上演があります。 rohmtheatrekyoto.jp www.theatre-du-soleil.fr 9月号の「ふらんす」に載っていたのですが、面白そうだけど、東京なんてどうせ行けないし・・・と思って日程を見てみると、なんと、ちょうど3日間の予定で東京に住む義母を訪ねる日程と重なっていました! なんとラッキーなこと。だって、東京行きの航空券はすでに買ってしまっていたのですから、ちょっと公演がずれていたら、とてもとても残念なところでした。 京都ではロームシアターにて11月…