ビートルズから受けた影響を、どんなふうに説明したらいいのだろう。基本的な価値観を、相手とわたしが共有してないとき⋯。 食堂などのお店で、ビートルズが店内のBGMでちいさく流れていることがある。はじめ、知り合いに会ったようなうれしさがあるけれど、すぐ、いまビートルズってこういうふうに消化されているんだなあ、とおもう。角が削れて無害なものとして受容されている。 ビートルズを聴くことが「抵抗」だったり「反抗」だったりした、そんな時代があったことをうまく言葉にできない。 ★ そんなとき、里中哲彦著『教養として学んでおきたいビートルズ』(マイナビ新書)という本のなかに、島村洋子さんの一文をみつけた。 「…