どうじだいげーむ 【同時代ゲーム】 (world wide web / critique) Webサイト。「K」さんが運営なさっている。サイト名は同名の長編小説に由来するとのこと。 だが、はてなダイアリー内からの言及率は、その小説よりも高い(と思う)。(2003年末調べ)
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どうじだいげーむ 【同時代ゲーム】 (fiction/contemporary) 小説。大江健三郎 著。詳しくは"大江健三郎"を参照してください。
同時代ゲーム (新潮文庫)
奥付を見ると昭和55年とある、でもすぐ に挫折したことを覚えている。難解だとの 感想を聞いたのか若い人たちにも読みやす くと、その後、ほぼ同じ話の変奏として、 「M/Tと森のフシギの物語」が出てこち らは読むことができた。 フリーになった後、かねてからの宿題だっ た「燃えあがる緑の木」3部作を読むのを きっかけに、わたしの大江ブームが来たの だが、それでも「同時代ゲーム」は未読だ った。 先日、蓮實重彦と筒井康隆の対談を読んで、 これを絶賛していたので、よし今こそと読 んだのだった。特に難解な第一の手紙は飛 ばしていいとのコメントもあったので、第 二から。 それでも久しぶりの大江なので文章が苦…
山本浩貴(いぬのせなか座)『新たな距離』(フィルムアート社、2024)を読んでまず考えたのは反復についてだった。次に考えたのが、フロイト-ラカンのことだった。繋がるかわからないが、下記になぜそのように考えたかを書いてみる。 本書は小説論≒制作論である。難しいが、とても面白かった。保坂和志と大江健三郎の小説論の影響のもと、生態心理学、認知言語学から吉本隆明の詩学、多元宇宙論までを援用し、オリジナルな議論を展開しようとする大著で、なんと三部作という。 本書を暴力的に要約すれば、読むことと書くこと、生きることをつなげる試みであると言える。 本書は膨大な引用ともになされる思考に特徴がある。例えば註の爆…
はい今月もやってきました、「文芸誌を一年間読んでみるチャレンジ」参加者各位による定期報告会でござんす。 果たして繁忙期の面々は膨大な文芸の海を渡り切ることができたのか…!? その結果をしかとご高覧くださいませませ。 アクロバティックなチャレンジについてはこちらhimasogai.hateblo.jp 群像四月号・Sさん 色々あってまだ半分でした 毎年四月号には『震災後の世界』の特集があって、今回は古川日出男さんが書いている。『キカイダー、石巻、鳥島、福島』は「時間が飛ぶ感じ」がすごく魅力的 古川さんはいつもニット帽をかぶっているけれど、脱いでいる写真がカッコいい 柴崎友香さんと古川日出男さんの…
1964年刊『個人的な体験』の巻末広告を読んでいて、『空の怪物アグイー』初出1964年と1979年刊の本書の煽り文句に惹かれ、こっちは1967年刊『万延元年のフチボル』*1と絡む作品なのかと思って読んだのですが、そうであったとしても、おそろしく婉曲、迂遠な作品でした。 同時代ゲーム(新潮文庫) 作者:大江 健三郎 新潮社 Amazon www.shinchosha.co.jp 読んだのは単行本。昭和54年11月初版。読んだのは同年クリスマスの3刷。英題は英文ウィキペディアからとりましたが、英訳未だそうです。 The Game of Contemporaneity - Wikipedia 同時代…
04/06(土) 午前02時頃から眠れない。 04:59起床。 ネットサーフィン(PC)16分(ブログにログイン出来ず)。 井上大江論=32分14頁(-p256)。 スマホ→ YouTube→ <ミニスタ> 仏語動詞活用(L1~L4)25分。 RR.J.クリストフⅠ=30分8頁(-p480)。 森村法哲講=28分5頁(-p52)。 井上大江論=40分20頁(-p278)。 10:44 9xx号室のキチx゙イ女が引き戸を「がらがら」。 10:59 9xx号室のキチx゙イ女が引き戸を「がらがらドン」。 スーパー「せ」i店(438。新聞\180・3食等\1,432)、 11:36頃帰宅。 11:4…
五時四十分起床。今日は初夏のような暑さになるという。確かに朝から気温は高いようだが、家の中はどういうわけか冷えが残る。朝日の入らない北側と西側の部屋は特にその傾向が強く、もう一枚羽織りたくなる。だが、そう感じるのも朝のうちだけの話。陽が高くなるにつれて、「あついな」ではなく「ぬるいな」という言葉がわずかに口から漏れるようになった。 朝イチで少し仕事。その後掃除やらアイロンがけやらを済ませ、昼食。 午後は妻と阿佐ヶ谷、高円寺を散策。知らないパン屋さんでパンをいくつか買い、知らない道をずんずんと進み、高円寺の業務スーパーで冷凍食品などを買い、阿佐ヶ谷で食材と夕食を買い、戻ってきた。10km以上歩い…
今朝も五時四十分起床。熟睡できていなかったのか、しつこい眠気をいつまでも引きずる、そんな感覚があった。 今日も仕事は休みだが、スケジュールの確認など最低限のことだけを朝のうちにこなし、その後は掃除。終了後は読書、と本を開いたものの、二行読むごとに意識を失う、というおかしな状況に。眠気がますます強くなったので、一時間ほど横になった。昼食後もまだまだ眠いので、さらに一時間少々横になって、ようやく多少すっきりした。 その後、妻と長めのウォーキング兼買い出し。葉物中心で野菜などを購入。戻ってからは本を読んだが、今度は意識を失うことなく、きちんと読めた。 夕方からはタイムフリーで「爆笑問題カーボーイ」を…
五時前に目が覚めてしまい、少しウトウトはしたものの、結局五時半には起きてしまった。気合い十分、と起き上がったものの、時間に余裕があり、なおかつ祝日でもあるせいか、朝の身支度の動作も動物たちの世話の段取りもどこか緩慢だったようで、いつもより、かなりもたついた。 春分の日。世間は休みだが、仕事。某IT企業の案件を朝から進めた。なんとか形になったので午前中で終了。昼食後、午後は一時間ほど昼寝。その後は経理処理やら、ノートパソコンの設定変更やら。 夕方、長めにウォーキング。気づいたら吉祥女子中学・高等学校の先まで来ていた。 View this post on Instagram A post shar…
一気に、読んでしまった。 昨日、こう書いた keikoba.hatenablog.com 昨日書いたのは、前半1/3程度読んだところだった。せめて仕事を少しは、と、なんとか手元にある論文のイントロを改訂して送り、夜中、息を止めて読み進め、朝には別論文がrejectされた残念な通知が来ていたけれど、とにかくこの本を読み進めた。 とんでもなかった。 服を着る、ということは社会での約束である、なんていいながら、服にしろ、ペルソナとやらにせよ、我々は複層性の世界をなんとか生きている。句点一つやアクセサリー一つで階層が変わる、解像度の高い、非言語会話を何重にも重ねて、演技なのか、演技でないのか、自分なの…
「生きる演技」(町屋良平著)を読んでいる。とにかく読んでいる。止められない。 www.kawade.co.jp 鳥羽さんのXから知った。 もうこの際はっきり言うと、町屋良平『生きる演技』は過去15年に読んだ長編小説の中で1位。 — 鳥羽和久 KAZUHISA TOBA (@tobatoppers) 2024年3月18日 こんなすごい力が小説にはあるのか。 頭がクラクラする。高校の時、大江健三郎の「同時代ゲーム」を読んだときの、あの、とてつもない、としかいいようのない、世界の複層性が押し寄せてくる。 なんなんだこれは。自分がはっとする文章ですら、ハイライトを引く文章ですら、自分のその反応の意味が…
去年の秋から読んでいる本をしばらく読み進められずにいた。風呂場でちょこちょこ読んでいたから、カバーがよれよれになってしまう。出先で読もうといつも鞄に入れていたのに、読まずじまい。本屋で新しい本を買ってしまうから、喫茶店で時間を潰すときも、新しく買った本を開くのに夢中になってしまう。 読みさしの本は何冊もある。もうこの先読まないかもしれない本も中にはある。でも、去年の秋から読んでいるこの本の迎える終わりを見届けたい気持ちは冷え切らず、3月の、少し日差しを暖かく感じる日曜日に一気に読んだ。 大江健三郎の『同時代ゲーム』のことである。大江は正直あまり好みではないのだけれど、時折、咀嚼しづらさのある(…
五時四十分起床。一ヶ月ぶりの完全休日、とはいえ確定申告をする必要があるから、ほんの少しだけではあるものの、仕事をするようなものだ。 朝のうちはモノクロのマーブル模様に近い、明るいがやや濃淡のはっきりした灰色の雲に空が覆われていたが雪の気配は一切なく、八時を過ぎるとすっきり晴れた。しかし風は強いようで、時折建物や電線を煽るような強い音が響いてくる。気温もそれなりに下がり、体感としても寒い。 午前中は家事に終始。午後からは確定申告。医療費のエクセルファイルへの取りまとめはしてあるので、あとはWebブラウザ上で必要事項を入力するだけ。一時間ほどで済ませることができた。医療費の還付金は13,000円く…
2024/03/04 高橋和巳「邪宗門 上」(新潮文庫)第2部 挙国一致の翼賛体制で大衆・庶民は政治参加する楽しみを得る。窮乏による不満と不安はマイノリティにぶつけられる。 1966年2024/03/04 高橋和巳「邪宗門 上」(新潮文庫)第2部 挙国一致の翼賛体制で大衆・庶民は政治参加する楽しみを得る。窮乏による不満と不安はマイノリティにぶつけられる。 1966年の続き 敗戦。戦争を開始し推進した連中はポツダム宣言受諾とともに店をたたんでしまったが、エピゴーネンたちはルーティンを止められない。法務大臣は政治犯の釈放をしぶり、占領軍が解放を命じるまで収監した。そのために重症の介泉を病んでいた教…
俺は高橋和巳の小説は日本の教養主義者を描いたものだと思う。日本の教養主義は以下のアイデアに基づく。なので、小説やエッセイの主題になっている社会主義と共産主義運動、組織論、政治と文学はかっこにいれたほうがよい。なにしろ21世紀にはそれらの運動はないし、当時のような党はないし、問題設定もないし。1950~60年代の問題設定に引きずられると、この人の小説は回顧趣味にしかならない。 odd-hatch.hatenablog.jp odd-hatch.hatenablog.jp そうすると高橋は戦争に「遅れてきた青年」であり、敗戦と焦土が深刻な開始地点である。たいていの主人公は戦時中の体験がトラウマにな…
* 大江健三郎と柳田国男 1979年に発表された大江健三郎氏の代表作の一つである『同時代ゲーム』は日本における本格的なポストモダン小説の先駆けとして評価される一方で、批評家の小林秀雄氏が「二ページでやめた」と大江氏自身が自虐的に伝えるほどに極めて難解で複雑怪奇な作品として知られています。 同時代ゲーム(新潮文庫) 作者:大江 健三郎 新潮社 Amazon 同作はメキシコに滞在中の歴史家である「僕=露己」が双子の妹である「露巳」に宛てて書き始めた「第一の手紙」から「第六の手紙」までが、あたかも六つの章のように並んでいます。この六通の手紙は「僕」が幼い頃から「父=神主」に教えられてきた故郷の《村=…
個人的な記録として続けている。 自分の知っている人、影響を受けた人、なんとなくそれを記録して覚えておきたいとそんな感じだろうか。 例によって朝日新聞12月31日、18面「2023年亡くなった方々」よりチョイスして一部追加している。 2023年に亡くなった方々:朝日新聞デジタル 訃報 2023年 - Wikipedia 1月10日 ジェフ・ベック(78) 年明け早々、ジェフ・ベックの訃報に接したわけだ。ヤードバーズの三人のギタリストの一人。クラプトンが2代目、3代目がジェフ・ベック、そして4代目がジミー・ペイジか。ヤードバーズの名前はチャーリー・パーカーに由来するなんて知らなかったな。 1月11…