昔の小説を読んでいて、座敷牢や土蔵の牢に監禁されるなどの設定を目にしたことはないでしょうか?座敷牢や土蔵の牢のインパクトは大きいのですが、実際に目にしたことはないのでどこまでも想像のものでした。 今回、明治大正のいわゆる「座敷牢」を実地調査した本を読んだので、その内容と感想について書いてみたいと思います。 はじめに(物語に出てくる座敷牢など) ①呉秀三・堅田五郎『精神病者私宅監置ノ實況及び其統計的觀察』(大正7年=1918) ②「私宅監置」とは? ③実際の様子(写真など) はじめに(物語に出てくる座敷牢など) 「座敷牢」と聞いて最初に浮かぶのは、島崎藤村の小説『夜明け前』の主人公 青山半蔵はん…