「大相撲三月場所」六日目の前頭九枚目・翔猿(追手風)と前頭八枚目・佐田の海(境川)の一番。両者が揃って土俵下に落下するシーンが何度もスローモーションで映し出される。 際どい勝負に物言いがついた。行司軍配は佐田の海だった。土俵上、2分以上もの審判団との協議の際に行司は口を結び、眉間にしわを寄せるなど“困ったな”といった顔を浮かべていた。 しかししかししかし、 勝敗はその前に決まっていたのだ! 物言いがついたのはどちらの体が先に落ちたか協議したかと思われたが、意外な事実が明るみに出た。取組途中にはたきをこらえたかに見えた翔猿の左手が土俵についており、はたき込みで佐田の海の勝利となった。 長い協議の…