ジェフリー・アーチャー(1940年生)の4作目の小説『ロスノフスキ家の娘』(1982年、永井淳訳、新潮文庫)を読み終えた。 この作品の主人公は前作『ケインとアベル』の主人公アベル・ロスノフスキの一人娘フロレンティナ・ロスノフスキ。彼女の生い立ち、結婚及び経営者としての成功、その後転身した政治家としての成功を描いており、物語としては、<過去篇>、<現在篇>、<未来篇>の三部構成による『ケインとアベル』の続編という形式になっている。 ポーランド移民の娘がアメリカ大統領になるプロセスを描いている フロレンティナの生い立ちから結婚までを描く<過去篇>の話は、当然のことながら『ケインとアベル』の裏話とし…