クシシュトフ・キェシロフスキ監督による1977年作『ある夜警の視点から』について。 全体主義を強化する市民 国の制度によるインセンティブによって、国が正しいとするルールを内在化した男を撮ったドキュメンタリー短編。 男は夜警であり、国から与えられた役割、国が決めたルールという後ろ盾によって自警的に同じ市民を裁いていく。 夜警という肩書きでいる時と、そうでない普段の時の両方が映される。夜警でいる時は制度の後ろ盾によって好きに人を裁けるが、子供がインコ解き放ったり犬が全く従わなかったり、普段の生活においては人を従わせる能力が全くない様が映される。 その普段の自分から来るコンプレックスは他者に向いてお…