「女の敵は女」「女性同士はいがみ合う」―。ジェンダーを研究する大阪公立大客員研究員の荒木菜穂さん(46)は、対立をあおってきたこうした言葉の数々を女性を縛る「呪い」と位置づける。呪いの言葉によって立場の異なる女性が分断されることに抗(あらが)い、連帯するための「シスターフッド」の大切さを聞いた。(安藤恭子) ◆「DVは躾、殴られても仕方ない」と思わされていた 女性同士が連帯する「シスターフッド」が大切とする荒木菜穂さん=大阪市内で 荒木さんは大学の講義でフェミニズムに出合い、1995年ごろから急速に広まったドメスティックバイオレンス(DV)という言葉に関心を持った。「DVは昔からあった問題のは…