10月1日からの読書日記の続き。 先週 himasogai.hateblo.jp 10/15 朝の電車では幸田文『木』のつづきを読む。なんというか、内心の吐露の仕方が上品だ。ひのきのアテ材がなぜダメなのかをこの目で見たくて迷惑承知で頼みいったこと。疲れの中見た縄文杉に怯えてしまったが、休んでから見ると好ましい姿に見えたこと。 書き手の我の部分は前面に出つつも、それが押し付けがましくなく、読んでいて自然に受け入れられる。これが筆力というやつか。 景色の描写はもう文句のないほどに美しい。屋久杉の森に煙る激しい雨を羽織に例えるところなど、美しい絵画のような景色が心に浮かんでくる。 通りぬける時、杉へ…