幼馴染のお母さんが三陸出身だった。たまにおじいちゃんが極寒の中で採った初物のわかめをおすそ分けしてくれた。集団就職で三陸から東京に来てひどく寂しかったといっていた。そして私が東北に就職してしょっちゅう東京に戻っているのを見て羨ましがっていたと母から聞いた。どちらかといえば裕福な家庭だったから当時は長期休みでいくらでも里帰りできるだろうと思っていた。でも今自分が家庭を持ってみて、彼女の気持ちがなんとなくわかる気もした。子育てで時間がないのもあるけど、それ以上に一度出た家はすごく遠い。母はことあるごとに帰ってこい、孫の顔を見せろというけれどもう自分の居場所ではないんだと感じている。だから訪れるのを…