『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その35 『おぜんや御飯のしたくと金貨をうむ驢馬と棍棒ふくろからでろ〈KHM36〉』 【あらすじ(要約)】 昔、仕立て屋がいました。息子三人と一匹のヤギがいました。山羊は乳で皆を養っていたので、良い食べ物をもらって、毎日息子たちが順番に牧草地へ連れて行きました。 あるとき、長男が見事な草の生える墓地で山羊に草を食べさせました。家に帰る時間、息子が「腹が張ったか」と訊ねました。山羊は「腹がこんなに張った。もう一枚の葉もいらないよ、メーメー」と答えました。家に帰り、小屋に繋ぎました。 父親は「やぎは餌を十分食べたか」と言いました。 「食べたとも。もう一枚も食べた…