グリム童話集。原題は「Kinder- und Hausmarchen」。ヤーコプ・グリムとウィルヘルム・グリムの兄弟による再話。 「赤ずきん」「シンデレラ」「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」「白雪姫(厳密には「雪白姫」)」など、有名な話がある。一方で、ただ単に、皆さんが集まって人をやっつける「コルベス様」のような陰惨と言うか不条理なものもたくさんある。
「あちゃちゃちゃちゃ」 と、合いの手が入って歌う米津玄師さんの『死神』は、改めて述べるまでもなく、江戸落語の『死神』をモチーフにしています。 江戸落語の『死神』は、初代三遊亭圓朝師がグリム童話『死神の名付け親』を翻案した噺やということは、広く知られているようです。 グリム童話は、グリム兄弟が昔話を集めたもんやそうですが、そうだとしたら、ちょいと面白いかもしれません。 グリム兄弟が生まれたドイツは、キリスト教の国です。キリスト教は一神教ですから、主の他に神は存在しないはずのドイツに、死神なる神は存在しないはずです。キリスト教では、神ではなく、死を司る天使なんやそうですが、それにいたしましても、教…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その48 『まっしろ白鳥〈KHM46〉』 あらすじ(要約) 昔、魔法つかいがいました。貧乏人の姿で方々の家の戸口で物乞いをしては美しい女の子を捕まえていました。その女の子たちは二度と人目に触れないので、どこへ連れていくのか誰もわからないのです。 ある日、魔法つかいは美しい三人の娘がいる家に現れました。体の弱ったかわいそうな乞食のようにみせて、施しをもらった物を入れでもするような籠を背負っていました。 魔法つかいは、食べ物をいただきたいと言い、一番上の娘がパンを一つ渡そうとし、魔法つかいが娘に触れると、娘は籠の中に跳びこみました。 娘が籠の中へ入ると、魔法つか…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その47 『おやゆび太郎、修業の旅あるき〈KHM45〉』 あらすじ(要約) 仕立屋さんが息子を一人持っていました。息子は親指くらいの大きさしかないので、おや指太郎という名前がついていました。 けれども、太郎は勇ましい気性で父親に「ぼくは世の中へ出るように生まれついています」と言い出しました。 父親は長いかがり針をロウソクにかざし、針に蝋のたんこぶを一つこしらえました。「この刀をもって旅に出るがいい」 出掛ける段になって太郎は、もう一度一緒にご飯を食べるつもりで、母親がお別れにどんなご馳走をこしらえたのか台所へ行きました。 「お母さん、今日のご馳走は何ですか」…
仕事で車を使うときNHKラジオをつけっぱなしにしています。(国会中継の時は別の地元のAMですが)土曜日出勤のときなんかは「真打ち競演」って番組を聞くことがありまして、そこで落語を知りました。 中学の時に芸術鑑賞?のときも二ツ目と真打ちを二人学校に呼んでそれで聞いた経験はなんとなくあるのですが、改めて“落語”って認識を持って聞いたのはNHKラジオですね。 ここで本題なんですけれど、「死神」ってタイトルの落語話あるじゃないですか?あれ聞いたとき、グリム童話の「死神の名づけ親」やん!!って驚いたんですよ(笑) ※『死神』(しにがみ)は古典落語の演目の一つ。 幕末期から明治期にかけて活躍して多数の落語…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その46 『死神の名付け親(第二話)』 【あらすじ(要約)】 貧しい男に息子が生まれましたが、ひどい貧乏なので名づけ親が見つかりません。 通りがかりの人が承知してくれるかもしれないと、大通りへ腰を下ろしました。 やってきたのは、気高い服装の美しい女です。貧乏人が頼んでみると請け合ってくれました。「お名前を仰っていただきたい。あたくしは、みじめな暮らしをしておりますが、どなたか伺わないうちは、名づけ親になっていただく訳にいかないので」「私は聖母マリアです」「それでは、あなたには用がない」と男が答えました。「あなたの息子さんは、皆をえこひいきなく一様に扱うことを…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その45 『死神の名づけ親(第一話)〈KHM44〉』 【あらすじ(要約)】 貧しい男に12人の子供がいました。 その子供たちにパンを食べさせるために昼も夜もなく働き続けました。 そこへ13人目の子供ができ、一番はじめに出会った人に名づけ親になってもらうことにしました。 最初に出会ったのは神様でした。 「私が子供に洗礼を授けよう。その子の面倒をみて、幸せにしよう」と言いました。 「どなたですか、あなたは」 「私は神様だよ」 「それでは、あなたを名づけ親にするのはやめだ」と男は言い「あなたは金持ちに物を与え、貧乏人が腹を減らしても知らん顔している」 男は、神様が…
デリケートな話題に触れますので閲覧注意です。 本当は恐ろしいグリム童話と煽られましたが、本当に恐ろしい内容でした。 https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3331005.html あらすじ ペロー版とグリム版 全体構成 狼の悪事 童話の教訓 あらすじ 村に小っちゃくて可愛い女の子がいました。 おばあちゃんはその子のために赤いずきんをあげます。 それから、女の子は赤ずきんちゃんと呼ばれるようになりました。 ある日、お母さんからおばあさんの家に荷物を届けるよう、お願いされます。 お母さんは、寄り道をしないことと、家に入る前におはよう…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その44 『トゥルーデおばさん〈KHM43〉』 【あらすじ(要約)】 昔、あるところに小娘がいました。娘はわがままで小生意気で、両親が何か言っても「はい」と言ったためしがありません。 「あたし、トゥルーデおばさんの噂を聞いてね、ちょいとおばさんとこへ行ってみるつもり。人の話では、奇妙なとこなんだって。家の中には珍しいものがあるって話。行ってみたくて」 両親は厳しくとめて「トゥルーデおばさんは悪人だよ。あんなとこへ行くなら、もう私たちの子じゃない」と言いました。 しかし娘は耳をかさず、出かけて行きました。 トゥルーデおばさんのところへ着くと、おばさんは「おまえ…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その43 『へんてこなおよばれ』 【あらすじ(要約)】 赤腸詰と肝臓腸詰がいました。 赤腸詰が肝臓腸詰をお客に呼びました。 肝臓腸詰は表の大戸を入ると、へんてこなものが目に入りました。 上がり段があるのですが、一つ一つに何かしら違ったものがいるのです。箒と塵取りが殴り合いをしていたり、頭に大けがをしている猿がいたり、そういったものがいるのです。 肝臓腸詰は勇気を出して部屋に入ると、赤腸詰からもてなされました。 肝臓腸詰は、外の上がり段にいるへんてこなものたちを聞きたいと話を始めました。すると赤腸詰は聞こえないふりや、そんな話はつまらないという様子を見せました…
グリム童話を感じさせる実話。 現在の病室は4人部屋で一人当たりのスペースは3畳程度だろうか。狭いなりに最低限の設備は整っておりちょっとしたビジネスホテルの趣である。ベッドのわきに小さい机もあり、食事やPC作業も可能である。 ある日、机でPC作業を行っていた際に1mmほどの小さいアリが1匹、机上を歩いていた。 (ここは3階だが、、登ってきたのか、珍しいな、、) 可哀想ではあるがここは病院。衛生面で問題がありそうなので、ティッシュで捕獲しゴミ箱へ捨てた。 次の日、机でPC作業を行っていると再びアリが1匹歩いてくる。 (昨日のアリか? ティッシュで捕った際にまだ生きていたのかな?) 再度ティッシュで…