👆 おじいちゃんと〝イェーイ!〟 墓じまいを終え、母と妹で、阪急百貨店のお寿司屋で 遅い昼食をとっていたとき、妹のケータイが鳴った。 墓石を撤去していた石材屋さんからで、 戦死した祖父の墓の下から遺髪が出てきたという。 祖父は、昭和20年にフィリピン沖で戦死しており、 遺骨も何もなく、政府が建てた戦没者の墓の下には 何もない筈だったが、髪の毛が入っていたらしい。 それも、まるで今切ったような、しっかりとした髪で、 溜まった雨水の上に浮かんでいた、ということだった。 そのことを母に伝えると、母も驚いていた。 たぶん、祖父の出征時、 丸刈りにするために切った髪を祖母が保管していて 遺骨の代わりに墓…