土台穴 (文学の冒険シリーズ) 作者:アンドレイ プラトーノフ 国書刊行会 Amazon アンドレイ・プラトーノフ『土台穴』(1930年執筆) 2024/1/9〜19(計10日間) 1/9(火) p.3~23 自然の擬人化が多め? 抑制的だがやや独特な文体。生きることの哀しみ、憂鬱さ。『あまりにも騒がしい孤独』を少し思い出す。 陽が西にとっぷりと傾くまで、ヴォーシェフは黙々と町を歩きまわった。それはまるで世界が広く知られる時を待ち望んでいるかのようだった。しかし彼には、この地上のことがあいかわらずぼんやりしていて、何もないのに、何かがはじまるのを何も妨げない静かな場所が体の闇にあるのを感じてい…