雨の夜に車を運転していると、雨ではない夜や昼間に運転をしているときより、車の中にいる自分が、第三者のようだ。どこか少しだけ斜め上の空間に、置かれた映画用カメラが私を捉えていて、そのカメラを通して私を私自身が、覗き見ているように思える。右車線に並んで停まっているいると左車線を大きなコンテナトラックが走り抜けていく。このバイパスは結果として最後は右車線で走った方が早く到着するのだが、場所によっては左車線の方がより早く車が流れている。以前はそれを知って、場所により車線を変えてもみたが、もうそんなことはしない。到着時間にすれば一分の違いも生まれないに違いない。夜、帰り道、時間にもよるが会社から家までの…