子供頃は夏になると播州の母方の実家によく行った。家の前はずっと田が続き一面緑だった。小さく見える高速道路まで続いていた。 その記憶もあってか。 日々目にすること少ない景色ということもあってか。 稲が上られている田んぼのある景色が好きだ。一年のうち数ヶ月の景色。 この時期の晴れの日の特急くろしおの車窓から見える景色が好きだ。 和歌山県入ると、陽光の中、明るい緑に染まった山々と水を張っばかりの鏡のように山を写す田や稲が育ち緑色に染まった田、そして市街地の住宅やビル倉庫の風景が流れる。 この時期の緑の色は少し浅めできれいだ。 やがて、太平洋と熊野灘が見えてくる。 光の加減できらきらしていたり、青い空…